川端 康成おすすめ小説ランキング9選【読書好き49人の声を集めました】

川端 康成は、大正から昭和の時代にかけて活躍した日本文学を代表する作家です。

美しく、切ない文章の川端 康成の作品。そのなかから、読書好き49人におすすめの1冊を選んでもらいました。感想とともにランキング形式で紹介します。

1位「雪国」16票

頑なに無為徒食に生きて来た主人公島村は、半年ぶりに雪深い温泉町を訪ね、芸者になった駒子と再会し、「悲しいほど美しい声」の葉子と出会う。人の世の哀しさと美しさを描いて日本近代小説屈指の名作に数えられる、川端康成の代表作。

「BOOK」データベース

読者の声

空想であり本当の出来事の様に書いている現実の物語、夢の中で起こる誰にでもある夢の世界感。(64歳 男性 自営業)

男女のドロドロとした愛情劇が生々しく描かれているところです。(39歳 女性 主婦・主夫)

1人の女と都会の男の激情が織りなす展開がとてもおもしろくてハマリます(47歳 男性 自営業)

一度読んだだけでは難解と感じる部分も多いですが、日本語の美しさ、奥深さを改めて感じることができる作品です。何度でも読みたくなる小説です。(35歳 女性 自営業)

国境の長いトンネルを…誰もが聞いたことのある書き出しの文、初めて読んでから20年以上経っても記憶に残り、情景が思い出される名作です。(45歳 男性 自営業)

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」という言葉がシンプルだけど好きです。(20歳 女性 学生)

川端康成といえば雪国といった感じで、読んどかなくてはという感じで昔読みました。情景がきれいではかなく若い私には難しかったけれど、芸者の駒子さんが印象的でした。(38歳 女性 主婦・主夫)

川端康成独特の語り口による温泉町を始めとした情景描写が美しく、その中での人物描写も非常に繊細でお勧めできます。(29歳 男性 会社員)

雪国の有名な書き出しを挙げ「文章のリズム感が素晴らしい」と紹介されていたのでファンではなかったけど手に取りました。表現が繊細で情景が目に見えるようで、切ない気持ちが味わえます。何度も読んでかみ砕くと味わい深さに気付くので、繰り返し読まれることをおすすめします。(49歳 女性 自営業)

川端 康成の書く文章、選ばれる言葉のセンスにどっぷりとつかることが出来る作品だと思います。(19歳 女性 学生)

文章が美しい作品で酔いしれました。物語もスケールの大きさはないが深く味わいがあった。(39歳 男性 無職)

しっとりした情景描写、繊細な人の情感の描写等心に残ります。昔読んだ本なので、ストーリーはよく覚えていませんが、印象に残る名作と思います。(62歳 男性 パート・アルバイト)

余韻が残ります。大人になってから再読し、「こんなに繊細な物語だったのか!」と驚きました。何度も読み返したい作品です。(36歳 女性 主婦・主夫)

内容を受け入れられたわけではないですが、そういうところも含めて面白いと感じました。(33歳 男性 会社員)

川端作品の代表作。自由きままな主人公と、それを取り巻く人物との模写が、独特の表現で描かれています。(52歳 男性 会社員)

1位「伊豆の踊子」16票

「伊豆の踊子」は著者初期の代表作。主人公の二十歳になる旧制高校生は孤独な心を抱いて、伊豆へ一人旅に出る。そこで旅芸人の一行に出会い、十四歳の薫という踊り子に惹かれる。

踊り子の若さと清純さが主人公の歪んだ心をいつしかあたたかくときほぐしていく過程に、青春の感情と慕情が融けあった美しい抒情が漂う作品である

(C)KAMAWANU CO.,LTD.All Rights Reserved

読者の声

古き良き日本を感じさせる男女の関係が、ある意味新鮮に感じられる小説になっていると思います。(47歳 男性 会社員)

最後、帰路に着く主人公が船酔いでゲーゲー吐く場面があるのですが、美しい小説の世界から現実へグイッと強引に引っ張り戻される感、あの感覚が大変好きで何度もよみかえすのです。(45歳 男性 会社員)

登場人物の気持ちの変化がわかりやすいところが好きです。初々しさを感じます。(31歳 女性 自営業)

悩める青年が、踊り子たちとの旅をともにすることで成長していく姿と踊り子との淡い恋に胸がキュンとさせられます。(46歳 女性 主婦・主夫)

山口百恵の映画主演第1作目で相手役は三浦友和で映画化されています。(50歳 女性 会社員)

終始メランコリックな印象を受ける作品。旅を続け踊り子に出会う、清純な踊子とのやりとり、悲しい別れにとても心打たれる作品だと思いました。(49歳 男性 会社員)

あれだけ短い短編でありながら、情景と登場人物の顔が浮かぶような描写が素晴らしいため(39歳 男性 会社員)

言わずと知れた名作で、今で言う純愛もののラブストーリーだと解釈できる作品です。(47歳 男性 自営業)

旅先での恋を経験して鬱々とした心を抱えた青年の心が変化する過程に胸が切なくなる。(43歳 女性 主婦・主夫)

伊豆には天城山に登りに行った事があります。天城越えという歌も好きです。踊り子の純情に心打たれました。 百恵と友和もとても初々しかったです。(39歳 女性 パート・アルバイト)

孤児である主人公の若い男が自分の性格に悩み旅に出たところ若い踊り子と出会い一緒に旅をする物語。(50歳 女性 自営業)

主人公は作者の実体験である所が見どころで、色々な感情や悩みが20歳代の頃の自分と重なり感慨深くなります。(33歳 男性 会社員)

何度も映画化された名作ですが、原作の中には映像化された作品にはない魅力があります。身分の違いなど当時の時代背景が描かれている点がこの作品のポイントだと思います。(49歳 男性 自営業)

主人公の、踊子さんに対するみずみずしくて真っすぐな気持ちが好きです。(30歳 女性 パート・アルバイト)

何度も映画化されていますが、文章で読むと踊り子と青年との関係がより細かく書かれているので、違う感動を味わうことができます。(62歳 男性 会社員)

踊子と青年の恋心が切なく描かれているところが胸に響いてきます。(63歳 女性 会社員)

2位「眠れる美女」6票

波の音高い海辺の宿は、すでに男ではなくなった老人たちのための逸楽の館であった。

真紅のビロードのカーテンをめぐらせた一室に、前後不覚に眠らされた裸形の若い女―その傍らで一夜を過す老人の眠は、みずみずしい娘の肉体を透して、訪れつつある死の相を凝視している。

熟れすぎた果実の腐臭に似た芳香を放つデカダンス文学の名作『眠れる美女』のほか二編。

「BOOK」データベース

読者の声

眠っているヒロインがメインヒロインとなりますが、無機質なキャラ性の中にエロティシズムを感じる不思議と共感できる物語で面白かったです。(31歳 男性 会社員)

エロティシズムとデカダンスが交錯してる文芸作品だと思います。(39歳 女性 無職)

年を老いた男性のロマンやフェチシズムを文学化している面に非常に興味を覚えました。(44歳 男性 会社員)

川端康成の中で、特にエロい作品だと思います。美しい文章!なのに、男性の欲望と夢が駄々洩れです。現代にもありそうな話かもしれませんが、今はもっと直接的過ぎて、川端康成風な上品さは出せないしょうね。最後のオチも好きです。10代後半で読んで、印象に残った作品です。(49歳 女性 会社員)

老人が秘密の館で美女たちと悦楽の時を過ごすという異端の作品で、川端康成独特の耽美的なエロティシズムが存分に発揮されています。(37歳 男性 自営業)

かすで男としての機能を喪失した老人たちが眠れる美女とただ一緒に眠るだけというのに、これだけエロティックな作品になっているというのが凄いと思います。(30歳 男性 自営業)

3位「山の音」3票

敗戦直後の荒廃した世情のなかで、深い倦怠と疲労に自身の老いを自覚する信吾。

老妻や息子夫婦と起居をともにしながら孤独を感じさせられる家庭にあって、外に女をもつ長男の嫁菊子に対する信吾の哀憐の情は、いつしかほのかな恋にも似た感情に変わってゆく。その微妙な心のひだをとらえた戦後川端文学の傑作。

「BOOK」データベース

読者の声

「死」というテーマが日本の美しい自然風景などにからめて見事に表現されていて、読んでいてとても落ち着きます。個人的に川端が作家として最も研ぎ澄まされていた時期の作品と思っていて、一番好きこのんで何度も読んでいる小説です。(33歳 男性 パート・アルバイト)

川端康成らしいじっとりとした心情が描かれている点。ストーリそのものではなく、ぼんやりとした印象が残るという点で”日本的”な雰囲気のある小説であるように思う。(28歳 女性 学生)

抑制の効いた美しい文章で、登場人物のそれぞれの感情の襞を淡々と描いた傑作です。(59歳 男性 自営業)

4位「みずうみ」2票

美しい少女を見ると、憑かれたように後をつけてしまう男、桃井銀平。教え子と恋愛事件を起こして教職の座を失ってもなお、異常な執着は消えることを知らない。

つけられることに快感を覚える女の魔性と、罪悪の意識のない男の欲望の交差――現代でいうストーカーを扱った異色の変態小説でありながら、ノーベル賞作家ならではの圧倒的筆力により共感すら呼び起こす不朽の名作である。

Amazon

読者の声

変態ストーカーの行動から、このような性癖を考えられる川端康成の凄さを感じた。内容はなかなかドロドロしたような感じだが、情景描写は美しいと思ってしまい、自分には心地よさも感じられた。(29歳 男性 会社員)

今では「ストーカー」と呼ばれる行為を内面から描くことで、純文学(芸術)の域にまで高めた不朽の名作です。(50歳 女性 自営業)

4位「古都」2票

捨子ではあったが京の商家の一人娘として美しく成長した千重子は、祇園祭の夜、自分に瓜二つの村娘苗子に出逢い、胸が騒いだ。二人はふたごだった。互いにひかれあい、懐かしみあいながらも永すぎた環境の違いから一緒には暮すことができない…。

古都の深い面影、移ろう四季の景物の中に由緒ある史蹟のかずかずを織り込み、流麗な筆致で描く美しい長編小説。

「BOOK」データベース

読者の声

舞台となる京都の日本情緒溢れる描写が、活字を追うだけでも、ヴィジュアルを想像できて、イメージを持てる点で、気に入っています。(28歳 男性 会社員)

離れ離れに育った双子の姉妹の視点を通して描かれる京都という街とそこに生きる人々の思い(56歳 男性 無職)

4位「舞姫」2票

舞台の夢をあきらめた過去の舞姫波子と、まだプリマドンナにならない未来の舞姫品子の母子。もとは妻の家庭教師であり、妻にたかって生きてきた無気力なエゴイストの夫矢木と両親に否定的な息子高男。

たがいに嫌悪から結びついているような家族の中に、敗戦後、徐々に崩壊過程をたどる日本の“家”と、無気力な現代人の悲劇とを描きだして異様な現実感をもつ作品。

「BOOK」データベース

読者の声

この作品は、作者の中でも長編になり登場する主人公と女性に目が話せない良い作品です。(42歳 女性 無職)

有名な作品ですが、現代でも共有できる話が好きなポイントです。感情の微妙なところを上手く表現されています。(32歳 女性 自営業)

4位「掌の小説」1票

唯一の肉親である祖父の火葬を扱った自伝的な「骨拾い」、町へ売られていく娘が母親の情けで恋人のバス運転手と一夜を過す「有難う」など、豊富な詩情と清新でデリケートな感覚、そしてあくまで非情な人生観によって独自な作風を打ち立てた著者の、その詩情のしたたりとも言うべき“掌編小説”122編を収録した。

若い日から四十余年にわたって書き続けられた、川端文学の精華である。

Amazon

読者の声

文豪がその才気を惜しげもなく発揮した掌編小説集。ページをひとたび開けば数ページの中で展開する『世界』に酔いしれること間違いなしです。(30歳 女性 パート・アルバイト)

5位「千羽鶴」1票

鎌倉円覚寺の茶会で、今は亡き情人の面影をとどめるその息子、菊治と出会った太田夫人は、お互いに誘惑したとも抵抗したとも覚えはなしに夜を共にする……。

志野茶碗がよびおこす感触と幻想を地模様に、一種の背徳の世界を扱いつつ、人間の愛欲の世界と名器の世界、そして死の世界とが微妙に重なりあう美の絶対境を現出した名作である。他に「波千鳥」(続千羽鶴)を収録する。

Amazon

読者の声

高校時代に読み、女性のサガというものに衝撃を受けた。美しい文体と恐怖。今は無事に歳を取れて安堵している。(50歳 女性 主婦・主夫)

まとめ

いかがでしたでしょうか。川端 康成のおすすめ小説をランキング形式で紹介しました。ぜひ作品を手に取って読んでみてください。

タイトルとURLをコピーしました