吉行 淳之介おすすめ小説ランキング11選【読書好き24人の声を集めました】

読者アンケートで吉行 淳之介おすすめの小説を11冊を選びました。ランキング形式で紹介していくので、どの作品を読もうか考えるときの参考にしてください。

「砂の上の植物群」7票

中年の化粧品セールスマン伊木一郎が、偶然知り合った18歳の津上明子に求めるもの、明子に頼まれて誘惑する姉京子に求めるもの、そして妻の江美子に求めるものも、心ではなくただ女体であった。

疚しさとも歪んだ心持ちとも無関係な、常識を破るショッキングな肉体の触れ合いの中に、真の性的充足を探り、性の根源にメスを入れた野心的長編。姉妹編を成す『樹々は緑か』を併録。

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読者の声

化粧品セールスマンの伊木は、展望台で赤い口紅の少女明子と出逢います。(50歳 女性 会社員)

理性を超えて危険な方向へ向かってしまう男女関係の陰影ある描写(56歳 男性 無職)

エロティックなストーリー展開は、著者の実体験と妄想が入り混じっていて興味をそそられます。(45歳 女性 パート・アルバイト)

複雑な関係が重なりあい、静かで不穏なハーモニーを奏でているところ(45歳 女性 自営業)

ヒロインの津上京子は、ちょっぴりエッチでひたむきな女の子で、男性の読者は読んでいて絶対京子に惚れます。(29歳 男性 無職)

セールスマンと見知らぬ姉妹との関係が淡々と描かれているが、異常な愛情表現と受け取れることや、本来の人間の性とも思えるとこともあり、考えさせられる小説になっています。(62歳 男性 会社員)

単純に性愛を描いた内容に関する作品ではなく、本当の愛とは何なのかを考えさせられる作品だと思います。(44歳 男性 会社員)

「原色の街」4票

見知らぬ女がやすやすと体を開く奇怪な街。空襲で両親を失いこの街に流れついた女学校出の娼婦あけみと汽船会社の社員元木との交わりをとおし、肉体という確かなものと精神という不確かなものとの相関をさぐった『原色の街』。

散文としての処女作『薔薇販売人』、芥川賞受賞の『驟雨』など全5編。性を通じて、人間の生を追究した吉行文学の出発点をつぶさにつたえる初期傑作集。

「BOOK」データベース

読者の声

終戦直後が舞台の娼婦の物語。この娼婦を取り巻く男性の心情が鋭く描かれています。(52歳 男性 会社員)

戦後の混乱の中、娼婦との交わりの中で愛情を持ってしまう主人公の困惑などが上手く描写されています。令和の世でも想像できてしまうのは、今も「戦後」のままなのかもしれないと考えさせられる1作です。(32歳 女性 自営業)

男性目線で娼婦とセックスを扱った本なのですが、性欲よりも冷めた視線の心理描写が印象的でした。モノトーンの中に不意に色を持って現れた彼女、おぼれていく男。そして後半、うまくいかない二人のもどかしさ。小学高学年で読んで、男女の関係についてその時なりに深く考えさせられた本でした。(55歳 女性 自営業)

昔の日本は今と違って世間体を特に大事にしてた様子がこの作品からうかがい知ることが出来る。無理心中についても考えさせられた。(50歳 女性 自営業)

「暗室」3票

屋根裏部屋に隠されて暮す兄妹、腹を上にして池の底に横たわる150匹のメダカ―脈絡なく繋げられた不気味な挿話から、作家中田と女たちとの危うい日常生活が鮮明に浮かび上る。

性の様々な構図と官能の世界を描いて、性の本質を徹底的に解剖し、深層の孤独を抽出した吉行文学の真骨頂。「暗い部屋」の扉の向こうに在るものは…谷崎賞受賞作。

「BOOK」データベース

読者の声

数年前に奥さんを亡くした40歳過ぎの独身の作家、中田が3人の女性と織り成す関係を中心にしたストーリーです。ストーリーと一見関係ないような、逸話が自然な流れでいくつか散りばめられていて、これが、面白いです。(42歳 女性 主婦・主夫)

退廃の香りを漂わせる男の奔放さと哀愁さを感じさせてくれます。(39歳 女性 無職)

中田と言う作家が描くあまりにも屈折した世界観とそこに登場する女性たちとの描写が子供の頃にはあまり理解できなかったが今読み返すとある意味エロティシズムを感じることができる。(47歳 男性 会社員)

「驟雨」2票

見知らぬ女がやすやすと体を開く奇怪な街。空襲で両親を失いこの街に流れついた女学校出の娼婦あけみと汽船会社の社員元木との交わりをとおし、肉体という確かなものと精神という不確かなものとの相関をさぐった『原色の街』。

散文としての処女作『薔薇販売人』、芥川賞受賞の『驟雨』など全5編。性を通じて、人間の生を追究した吉行文学の出発点をつぶさにつたえる初期傑作集。

「BOOK」データベース

読者の声

この作品は、その内容が深くて良いだけでなく読む人に影響が出るからか芥川賞に選ばれた秀作です。(42歳 女性 無職)

吉行淳之介を理解するのに最適です。芥川賞受賞作で、短編なので短時間で読めます。(46歳 男性 主婦・主夫)

「目玉」2票

タクシー内にただよう異臭から思い出す数かずのニオイについて。妖怪にはじめて出会った子供の頃の避暑地の出来事。同じ避暑地で起こった鋸山心中事件から連想する「天国に結ぶ恋」坂田山心中。白内障手術と人工水晶体と埴谷雄高氏と。いのししの肉を送ってくるヤクザとの25年にわたる奇妙なつきあい…等々、鋭利な感性で研磨された過去の記憶が醸しだす、芳醇な吉行文学の世界。7篇収録。

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読者の声

短編集ですが、各作品に病気の要素が含まれていて、非日常的な病状や容態に淳之介の世界観を見たような気がします。(46歳 男性 会社員)

幼少の頃から病弱だった著者の飄々としたユーモアセンスを存分に味わうことのできるエッセイ風短編集です。(50歳 女性 自営業)

「夕暮まで」2票

若い男女のパーティに、幾人かの中年男が招かれる。その一人佐々は会場で22歳の杉子をホテルへ誘う。処女だという彼女は、決して脚を開かせない代りに、オリーブオイルを滴らせた股間の交接、フェラチオ、クニリングスは少しも厭わない。

こうして中年男と若い娘の奇妙な愛は展開していく。しかし事の結末は呆気なくおとずれる。人間の性の秘密を細密に描き上げた一幅の騙し絵(トロンプ・ルイ)。野間文芸賞受賞。

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読者の声

男女間の性について、著者独特の繊細で大胆な筆致で、男女間の機微を描いていて、印象に残る作品でした。(62歳 男性 パート・アルバイト)

中年男性と若い女性の気怠い関係を描き、「すまた」という流行らせた作品です。(59歳 男性 自営業)

「怖ろしい場所」1票

厄年の小説家・羽山圭一郎はこわい夢をよくみる。のっぺらぼうの女、眉の女、声の女、額の女、唇の女たちの様々な反応を想起する。現実世界では友人の女性秘書秋岡カオルと逢瀬をかさねるが、やがて別れてパリへ旅立つ。

現実と回想と夢が微妙なリアリティーを醸し出す雰囲気の中に、中年男性の心理の襞を浮彫りにする。散らかしながら纏めていく技巧冴えわたる長編小説。

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読者の声

物書きさんを題材にした小説なんですが、リアルさがとても出ていて読みごたえがありました。(31歳 男性 会社員)

「童謡」1票

ひとつの童謡に触発され、一行、一句が 核となり、ふくらみ、分裂し、さらに増殖して、みごとな作品になった。各編巻頭に想を得た童謡を掲げて、類ない試みをした傑作群のうち「童謡」「白い半靴」 「錆びた海」「寝台の舟」「海沿いの土地で」 を収録。無・削こ描き上げたねむの木学園の子どもたちの絵と融けあい鮮烈な 童心を伝えるカラー版絵本。

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読者の声

吉行準之助は、文章が素晴らしい。性の問題を扱った小説には、今読むと古さを感じる部分が無きにしも非ずですが、この小説は普遍的な病や少年の成長といったテーマなので、今でも古さを感じないです。(58歳 女性 パート・アルバイト)

「星と月は天の穴」1票

結婚生活に失敗した独り暮しの作家矢添と画廊で知り合った女子大生紀子との奇妙な交渉。矢添の部屋の窓下に展がる小公園、二台の揺れるブランコ。過去から軋み上る苦い思い出…。

明晰・繊細な文体と鮮やかな心象風景で、一組の男女の次第に深まる愛の〈かたち〉を冷徹に描きあげ人間存在の根本を追求する芸術選奨受賞作。

「BOOK」データベース

読者の声

離婚した作家と画廊で知り合った女子大生との物語で、寂しい思いになる内容でした。(70歳 男性 無職)

「犬が育てた猫」1票

独自の文学空間を形成した著者の最新随筆集。交遊から身辺雑記はたまた文学に到るまで、芳醇な文章と気品で紡ぎあげた名品の数々。

「BOOK」データベース

読者の声

昭和50年代後半の小説で、優しい老犬に育てられた愛猫への思いを綴るエッセイ集です。(48歳 女性 主婦・主夫)

「鞄の中身」1票

自分の死体を鞄に詰めて持ち歩く男の話。びっしりついた茄子の実を、悉く穴に埋めてしまう女の話。得体の知れぬものを体の中に住みつかせた哀しく無気味な登場人物たち。その日常にひそむ不安・倦怠・死…。

「百メートルの樹木」「三人の警官」ほか初刊7篇を含め純度を高めて角編成する『鞄の中身』短編19。読売文学賞受賞。

「BOOK」データベース

読者の声

19もの短編が詰め込まれているので時間を区切って読むことができ、非常に独特な世界観が印象的です。(43歳 女性 主婦・主夫)

まとめ

いかがでしたでしょうか。吉行 淳之介のおすすめ小説を紹介しました。ぜひ作品を手に取って読んでみてください。

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