三島由紀夫おすすめ小説ランキング13選【読書好き50人の声を集めました】

三島由紀夫は戦後の日本文学を代表する作家です。1947年に東京帝国大学(現・東京大学)を卒業し、大蔵省に入省するもほどなくして退職し、以後文筆活動に専念します。

日本で多くの文学賞を受賞し、海外でもノーベル賞候補に挙がるなど認められた作家です。

この記事では、読書好き50人に聞いた三島由紀夫おすすめの小説を、読者の声とともにランキング形式で紹介します。

1位「金閣寺」14票

1950年7月1日、「国宝・金閣寺焼失。放火犯人は寺の青年僧」という衝撃のニュースが世人の耳目を驚かせた。この事件の陰に潜められた若い学僧の悩み―ハンディを背負った宿命の子の、生への消しがたい呪いと、それゆえに金閣の美の魔力に魂を奪われ、ついには幻想と心中するにいたった悲劇…。

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読者の声

人間の劣等感、屈折した部分、ドロドロした部分に焦点が当てられていて複雑な人間心理の勉強になるところ。(53歳 女性 自営業)

若い僧が金閣寺を燃やさなければならなかった葛藤が痛いほどよくわかる作品であり、美とは何かを考えさせてくれる内容になっています。(62歳 男性 会社員)

いじめのトラウマを抱える孤独な僧侶が不安を抱えながら、自分も朽ち果てることを想定して、燃える金閣寺を美とした独特な感覚。心に闇を抱えることで見えないものが見えるのかもと思った。(37歳 男性 会社員)

三島作品の代表的存在ともいえ、金閣寺の美しさに魅了されたがゆえに火を放つ主人公の痛みが精緻に描かれている名作です。(43歳 女性 自営業)

言葉の言い回しがとても独特で、筆写の世界観につい引き込まれていってしまいます。(35歳 男性 会社員)

金閣寺に恋する主人公の気持ちの描写がすさまじく、読んでいるこちらまで2次元美少女化した金閣寺に魅力を感じてしまいます。(32歳 女性 主婦・主夫)

この作品はストーリーというより文章の美しさに感動しました。文章で作り上げた芸術作品という感じで味わいのある作品だと思います。(39歳 男性 パート・アルバイト)

屈折した精神と美意識。客観性を持っていたいが共感してしまう自分への戒めにもなるからです。(50歳 女性 主婦・主夫)

金閣寺の放火をした人物を三島由紀夫が描写した作品です。放火と空襲でどちらにしても焼け落ちるかもしれない金閣寺の悲劇的さが描写されていて、情景が想像出来る面白い作品です。(43歳 男性 自営業)

金閣寺の美しさに憑りつかれついに火を放つに至った学僧のそこに至るまでの心理描写に引き込まれます。(41歳 男性 自営業)

三島と言えばこれでしょう。人間なら誰でも持つ残酷さ、弱さ、コンプレックス。これでもかと見せつけされ、思わず己を振り返ってしまう作品だと思うのです。(50歳 女性 主婦・主夫)

人間の深層心理に触れた作品です。主人公の金閣寺に対する憧れがエスカレートしていきます。(31歳 男性 自営業)

実際に起こった金閣寺焼失事件を題材に、生まれながらにしてハンディキャップを背負わされた放火犯の苦悩を美麗なる名文で綴った傑作です。(59歳 男性 自営業)

「金閣寺を燃やす」という、普通なら共感しかねる題材を三島由紀夫独特の観念的で耽美的な描写を積み重ねることで見事に共感に持ち込んでいる点です。(26歳 男性 自営業)

2位「潮騒」9票

文明から孤絶した、海青い南の小島――潮騒と磯の香りと明るい太陽の下に、海神の恩寵あつい若くたくましい漁夫と、美しい乙女が奏でる清純で官能的な恋の牧歌。

人間生活と自然の神秘的な美との完全な一致をたもちえていた古代ギリシア的人間像に対する憧れが、著者を新たな冒険へと駆りたて、裸の肉体と肉体がぶつかり合う端整な美しさに輝く名作が生れた。

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読者の声

若々しい男女の官能的な恋を、南の孤島を舞台として、自然と人間の美の一致を求める三島由紀夫の想いが溢れている名作です。(71歳 男性 無職)

若い男女の純愛を時代に翻弄されながらも道を貫くかを描く姿が非常に印象的。(47歳 男性 会社員)

普段の三島由紀夫の癖がある内容とは違い、圧倒的に日本語が綺麗であり描写も凄く上手なので読んでいて気持ち良かったです(37歳 男性 会社員)

新治と初江の、純粋で相手の気持ちや立場を思いやる姿に憧れ、自分もこんな恋愛をしたいと思いました。純愛ものの小説を読みたい方にオススメです。(25歳 女性 無職)

三島由紀夫というと退廃しかイメージできなかったんですが、予備校の先生に「きわどいけどとってもいいのよ」とすすめられて読んだら、すごく情緒豊かで清涼感のある作品でした。(39歳 女性 主婦・主夫)

離島で漁師をする青年と、海女の少女の恋愛をロマンティックかつ繊細に描いた物語。そしてそれを描写する三島の文章に魅了される読者が多い。(58歳 男性 会社員)

人間と自然の完全なる一致を持ちえていた古代ギリシャへの憧れを、筆者独特の瑞々しい文体で描き切った不朽の名作です。(50歳 女性 自営業)

著者には珍しい若者の恋愛についてで、普段著者の別な作品を読んでいる私には斬新でした。(40歳 男性 会社員)

思春期の男の子と女の子の成長が短編の中に凝縮されているところ。(44歳 女性 主婦・主夫)

3位「仮面の告白」7票

「私は無益で精巧な一個の逆説だ。この小説はその生理学的証明である」と作者・三島由紀夫は言っている。女性に対して不能であることを発見した青年は、幼年時代からの自分の姿を丹念に追求し、“否定に呪われたナルシシズム”を読者の前にさらけだす。

三島由紀夫の文学的出発をなすばかりでなく、その後の生涯と、作家活動のすべてを予見し包含した、戦後日本文学の代表的名作。

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読者の声

自伝的小説と言われて、同性愛の男性が主人公であります。今なら同性愛も珍しくないが、そんな仮面をかぶり色々な思いにきょうかんできることがあります。(63歳 女性 会社員)

実話っぽい感じで描かれています。本当の所は分からないですが作者を想像しながら読むとより楽しめる。(27歳 男性 会社員)

三島といえば、独特の華麗な文体が魅力ですが、この本は若い時の作品だけに、後年のものよりも文章が素直で読みやすいです。(58歳 女性 パート・アルバイト)

三島由紀夫と主人公を重ね合わせて読みmした。前半が特に面白かった。(45歳 女性 主婦・主夫)

三島由紀夫の感性を美しい文体で表現された、素晴らしい作品です。(25歳 女性 会社員)

「同性愛」という人にはなかなか理解されにくかった当時の苦悩が描かれている点が興味深いです。(58歳 女性 主婦・主夫)

ナルシズムが極まっている感じがして、ぞくぞく来ます。三島由紀夫だからこそ許される美学の実現という感じ。(37歳 女性 会社員)

4位「豊饒の海」5票

三島由紀夫の長編小説で、『春の雪』『奔馬』『暁の寺』『天人五衰』の全4巻。

読者の声

当初は、古典のリメイク作家だと思っていました。生前であり、遺作だったと記憶しています。いろいろ考えさせる作品でした。(43歳 男性 自営業)

全4巻もあるので読みごたえがあります。独特の感性が感じられます。(50歳 女性 会社員)

彼の遺作として書かれた長編小説で、解釈するには難解な内容ですが、三島由紀夫の伝統や美しさに対する考え方、信念を伺うことが出来ます。また、描かれた情景の美しさは特筆すべきものがあります。(34歳 男性 会社員)

豊饒の海の第一シリーズの「春の雪」がいいですね。大正時代の美しき背景の中で、線の細い貴公子の虚構的な内面を捉えている。(46歳 男性 主婦・主夫)

豊饒の海シリーズの「春の雪」。清顕に振り回される本田や飯沼を見ていると、もどかしさの一方で暗い悦びが湧いてきます。最後まで清顕に会おうとしない聡子の強さに憧れます。(34歳 女性 会社員)

5位「美徳のよろめき」3票

生れもしつけもいい優雅なヒロイン倉越夫人節子の無垢な魂にとって、姦通とは異邦の珍しい宝石のようにしか感得されていなかったが……。作者は、精緻な技巧をこらした人工の美の世界に、聖女にも似た不貞の人妻を配し、姦通という背徳の銅貨を、魂のエレガンスという美徳の金貨へと、みごとに錬金してみせる。“よろめき”という流行語を生み、大きな話題をよんだ作品。

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読者の声

女性のナルシストな部分をすごく上手に描写しているのが魅力的です。女性が、女性の気持ちを書いたみたいに上手。(34歳 女性 主婦・主夫)

三島ならではの退廃的で濃艶な官能美にウットリさせられてしまいます。(39歳 女性 無職)

男性の理想とする女性心理そのもので面白いです。なによりも官能的で偶発的さらにナイフのように冷徹な文体が素晴らしいです。(28歳 女性 主婦・主夫)

5位「命売ります」3票

目覚めたのは病院だった、まだ生きていた。必要とも思えない命、これを売ろうと新聞広告に出したところ…。危険な目にあううちに、ふいに恐怖の念におそわれた。死にたくない―。三島の考える命とは。

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読者の声

自殺を図るも失敗した男が、命を売ると広告を出して依頼を受けます。何かに疲れた方は是非読んで下さい。自暴自棄の果てに何が待っているかを疑似体験出来ます。(27歳 男性 会社員)

三島由紀夫の作品は独特の文体ですらすらとは読みづらいものが多いですが、比較的読みやすく、展開が面白い作品です。(36歳 女性 自営業)

要らない命を死ぬ前に活かそうという発想が面白いと思います。要らない命でも奪われるのは怖いという人間心理が読んだ後に生きる気持ちにさせてくれます。(42歳 女性 会社員)

6位「花ざかりの森・憂国」2票

十六歳で、少年の倦怠を描いた作品「花ざかりの森」を発表して以来、様様な技巧と完璧なスタイルを駆使して、確固たる短編小説の世界を現出させてきた作品群から、著者自らが厳選し解説を付した作品集。

著者の生涯にわたる文学的テーマや切実な問題の萌芽を秘めた「中世に於ける一殺人常習者の遺せる哲学的日記の抜萃」「詩を書く少年」「海と夕焼」「憂国」等13編を収める。

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読者の声

短編集ですが、その中でも憂国は三島由紀夫自身の未来が描かれているようで面白い。(25歳 男性 学生)

初期の頃の作品を盛り込んだ三島の短編集で、娯楽作品から重厚なテーマが主題の作品までバラエティとユーモアのバランスが素晴らしい。憂国の儚さと性描写の美しさに浸って欲しいです。(30歳 男性 会社員)

6位「美しい星」2票

自分たちは他の天体から飛来した宇宙人であるという意識に目覚めた一家を中心に、核時代の人類滅亡の不安をみごとに捉えた異色作。

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読者の声

天才三島由紀夫が描く彼の生涯唯一のSF作品です。地球人として仮の生活を送る宇宙人など、いかにもSF的な設定で話が進んでいきますが、三島独特の滅びの美学を感じさせる作品となっています。(37歳 男性 自営業)

SF小説的な、三島由紀夫らしからぬ題材でありながら、描かれる世界観や言葉の隅々にまで三島由紀夫らしさが貫かれた、切なくも美しき思想小説である点。(44歳 女性 会社員)

7位「ヴィヨンの妻」1票

新生への希望と、戦争を経験しても毫も変らぬ現実への絶望感との間を揺れ動きながら、命がけで新しい倫理を求めようとした晩年の文学的総決算ともいえる代表的短編集。家庭のエゴイズムを憎悪しつつ、新しい家庭への夢を文学へと完璧に昇華させた表題作、ほか『親友交歓』『トカトントン』『父』『母』『おさん』『家庭の幸福』絶筆『桜桃』、いずれも死の予感に彩られた作品である。

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読者の声

芸術を目指しながらも口ばかりの夫と、その妻の話です。退廃的に生きる夫に付き合いながら、一生懸命に夫を愛して生きる妻の強さが魅力的な小説です。(58歳 男性 主婦・主夫)

7位「レター教室」1票

職業も年齢も異なる5人の登場人物が繰りひろげるさまざまな出来事をすべて手紙形式で表現した異色小説。恋したりフラレたり、金を借りたり断わられたり、あざけり合ったり、憎み合ったりと、もつれた糸がこんがらかって…。

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読者の声

手紙そのものでストーリーとなっていて構成が面白いです。ユーモアたっぷりで三島由紀夫もこういう物語を書くことに意外性を感じました。(30歳 女性 会社員)

7位「宴のあと」1票

プライヴァシー裁判であまりにも有名になりながら、その芸術的価値については海外で最初に認められた小説。

都知事候補野口雄賢と彼を支えた女性福沢かづの恋愛と政治の葛藤を描くことにより、一つの宴が終ったことの漠たる巨大な空白を象徴的に表現する。著者にとって、社会的現実を直接文学化した最初の試みであり、日本の非政治的風土を正確に観察した完成度の高い作品である。

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読者の声

ボリュームも含めて読みやすいです。最後に『金閣寺』のような印象的な余韻があります。(41歳 女性 パート・アルバイト)

7位「鏡子の家」1票

世界の崩壊を信じる貿易会社のエリート社員杉本清一郎、私立大学の拳闘の選手深井峻吉、天分ゆたかな童貞の日本画家山形夏雄、美貌の無名俳優舟木収。

彼らは美の追究者なるが故にそれぞれにストイシズムを自らに課し、他人の干渉を許さない。―名門の資産家の令嬢である鏡子の家に集まって来る四人の青年たちが描く生の軌跡を、朝鮮戦争後の頽廃した時代相の中に浮き彫りにする。

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読者の声

戦後から、新たな新時代の転換期に対する虚無的な感覚を描いた作品。(53歳 男性 会社員)

7位「太陽と鉄」1票

最後まで冷徹な自己分析、自己認識の中で、限りなく客観的、論理的世界へ飛翔して、自らの死と対決する三島ミスチシズムの精髄を明かす「太陽と鉄」、詩を書く少年が作家として自立するまでを語る「私の遍歴時代」、ともに自伝的作品2篇を収め、三島文学の本質を解明する。

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読者の声

文武両道で割腹自殺までした三島由紀夫自身のことが強く伝わってくる作品です。 (41歳 女性 主婦・主夫)

まとめ

いかがでしたでしょうか。三島由紀夫のおすすめ小説をランキング形式で紹介しました。ぜひ作品を手に取って読んでみてください。

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