今回、読書好きの方々にアンケートをとり、今野 敏の作品から一番好きな1冊を選んで感想を書いてもらいました。その結果を感想とともに人気の高い順にお伝えします。
「隠蔽捜査」10票
竜崎伸也は、警察官僚である。現在は警察庁長官官房でマスコミ対策を担っている。その朴念仁ぶりに、周囲は“変人”という称号を与えた。だが彼はこう考えていた。エリートは、国家を守るため、身を捧げるべきだ。私はそれに従って生きているにすぎない、と。
組織を揺るがす連続殺人事件に、竜崎は真正面から対決してゆく。警察小説の歴史を変えた、吉川英治文学新人賞受賞作。
「BOOK」データベース
読者の声
主役が警察庁のキャリア官僚というところが他の警察小説と違って面白くおすすめです。(50歳 女性 会社員)
警察官僚の竜崎伸也が、自分の信念を曲げずに真実を公にする姿がおすすめです。(53歳 女性 主婦・主夫)
東大卒で警察庁のエリートである主人公の苦悩が伝わってきて面白く読めた。(43歳 女性 主婦・主夫)
主人公の竜崎の変人と言われるも本人の中では揺るがない人間性や、周囲の人間たちの変化なども見どころ。警察小説の中でも人間模様を楽しめる。(53歳 女性 パート・アルバイト)
警察の内情がよくわかる内容、かつ男同士の友情も忖度をしながら描くなかなか複雑なストーリーで面白い(47歳 男性 会社員)
ドラマ化されており、警察庁のキャリア官僚が活躍するところが好きです。自分の信念を曲げないという事、後々自分の人生を後悔しない生き様が好きです。(27歳 女性 会社員)
警察官僚として順風満帆な未来が保証されていた中の息子の罪に対して、隠しだてることなく、正々堂々と向き合った姿が良かったから。自分の信念を貫く竜崎のキャラが確立された瞬間だと感じた。(38歳 女性 パート・アルバイト)
事件の真相とその背後関係、さらに社会的影響を警察官僚の視点から描く秀作(56歳 男性 無職)
内容が警察とマスコミの話なので普段知らない事でドキドキが止まらない。(43歳 女性 会社員)
主人公が、キャリアできっちりした性格なのかと思いきや、天然なところもあって親近感が持てます。どうなるのか気になってすぐに読めてしまいます。(37歳 女性 主婦・主夫)
「同期」4票
家宅捜索中に逃走した暴力団組員に捜査一課の宇田川が発砲された。すると突如、同期の公安刑事・蘇我が現れ宇田川を助ける。だが3日後、蘇我は懲戒免職となり姿を消す。そして連続殺人の容疑者に。
同期を救おうと宇田川は独自捜査を始めるが、組織の論理が高い壁となる―。予測不能!怒涛の展開が続く、警察小説の大傑作。
「BOOK」データベース
読者の声
警視庁の刑事が主人公の警察を舞台にした物語。警視庁と公安との狭間で、一人の刑事が成長していく様がポイントです。(52歳 男性 会社員)
警察組織を土台にした内容が非常に面白く、事件の真相が解明されていく過程が非常に良い。(44歳 男性 会社員)
ある日暴力団関係者の刺殺死体が発見される。刑事捜査一課の宇田川が捜査をはじめた。(50歳 女性 自営業)
若手刑事と公安に所属する同期の絆と組織の壁を乗り越え、ベテランの助けを得ながら成長していく内容になっています。文章にスピード感があり、次から次へと読み続けたくなります。(62歳 男性 会社員)
「任侠浴場」2票
東京のとある町に事務所を構えるヤクザの親分・阿岐本雄蔵は、困った人をほっとけない上、文化事業好きな性格が困りもの。そのせいで組員たちは、これまで出版社、高校、病院などの経営再建に携わる羽目になってきた。今度の舞台は赤坂の路地裏にある古びた銭湯!
世の中どんどん世知辛くなって、ヤクザ稼業も楽じゃないが、阿岐本、代貸・日村はじめ個性的な面々は、銭湯にお客を取り戻すことができるのか!?
「BOOK」データベース
読者の声
任侠と浴場という設定の面白さ、アンバランスさが好きで読んでいます。(33歳 男性 会社員)
やくざでありながら困ってる人を見捨てられない親分の、人情見あふれる活躍と振り回される子分のドタバタぶりです。(48歳 男性 会社員)
「任侠書房」2票
日村誠司が代貸を務める阿岐本組は、今時珍しく任侠道をわきまえたヤクザ。その阿岐本組長が、兄弟分の組から倒産寸前の出版社経営を引き受けることになった。舞い上がる組長に半ば呆れながら問題の梅之木書房に出向く日村。
そこにはひと癖もふた癖もある編集者たちが。マル暴の刑事も絡んで、トラブルに次ぐトラブル。頭を抱える日村と梅之木書房の運命は?「任侠」シリーズ第一弾(『とせい』を改題)。
「BOOK」データベース
読者の声
任侠ものというと怖いイメージがあるかと思いますが、こちらはテンポ良くコミカルに話が進んでいくので、楽しんで読むことができます。(35歳 女性 自営業)
書籍や任侠が好きな人にはオススメ!ある出版社に喝を入れながら出版社を立て直していく話です。気持ちが良い1作です。(32歳 女性 自営業)
「空席」2票
警察小説のベストセラーシリーズ「隠蔽捜査」のスペシャル版と言っていい中編作品。東大法学部卒のキャリアで、「変人」とも称される主人公の竜崎伸也が不在、というトリッキーな設定が意外性に富んだ結末を招き寄せる。
警視庁大森署で署長として数々の難事件を解決した竜崎は、神奈川県警刑事部長に栄転が決定。貝沼副署長ら大森署の面々は着任していく竜崎を見送った。後任の署長は女性キャリアで、北海道警総務課長から異動してくるが、到着が遅れ、明日にならないと赴任しない。
そんな「空白の一日」を、事件は待ってくれない。
品川署管内で同一犯の仕業とみられるひったくりが連続して発生。方面本部からの要請で、大森署も緊急配備への出動を命じられる。ほぼ総動員で犯人の逃走経路に網を張るのだ。ところが、ほどなくして、今度は大森署管内でタクシー強盗事件が起きた。2件同時の「緊配」は不可能だ。署長不在の中、貝沼は苦渋の決断を迫られる。
「BOOK」データベース
読者の声
隠蔽捜査シリーズの短編です。女性の質屋に入れた話はどうなったの?(36歳 男性 無職)
意外とすらすら読めた。視点を変えると意外と問題解決ができたという感覚があり面白かったです。(19歳 男性 学生)
「義珍の拳」2票
時は明治。琉球の下級士族の家に生まれた富名腰義珍は、生来の病弱を克服するために門外不出の秘伝であった唐手を学びはじめる。ひたすら同じ型を練り続ける日々の中で義珍の心身は強靱になり、修行にのめり込んでいく。
そして時は移り、教育者となった義珍は、唐手を青少年の育成に役立て、古伝の精神を本土に普及させることを決意する。琉球秘伝の「唐手」を極め、本土に「空手」を伝えた男の生涯。
「BOOK」データベース
読者の声
男らしい、かっこいい武士道を感じられます。空手経験者の方は共感することが多いのではないでしょうか。(19歳 女性 学生)
空手の修行へひたむきに取り組む姿を想像すると、自分も鼓舞されてきて、エネルギッシュな気持ちになれます。(28歳 男性 会社員)
「ST 警視庁科学特捜班」2票
多様化する現代犯罪に対応するため、新設された警視庁科学特捜班、略称ST。繰り返される猟奇事件、捜査陣は典型的な淫楽殺人と断定したが、ST青山は一人、異を唱える。プロファイリングで浮かび上がった犯人像の矛盾、追い詰められた犯罪者の取った行動とは。最強チーム警察小説シリーズ第1作、新カバー版。
「BOOK」データベース
読者の声
架空の組織の話であるが、能力の高い登場人物が、不可能犯罪を次々と解決していくところ。(26歳 男性 無職)
登場人物たちが一癖も二癖もある人たちばかりで、エンタメ性が高いところが面白いです。(27歳 女性 会社員)
「果断 隠蔽捜査2」2票
長男の不祥事により所轄へ左遷された竜崎伸也警視長は、着任早々、立てこもり事件に直面する。容疑者は拳銃を所持。事態の打開策をめぐり、現場に派遣されたSITとSATが対立する。異例ながら、彼は自ら指揮を執った。そして、この事案は解決したはずだったが―。警視庁第二方面大森署署長・竜崎の新たな闘いが始まる。山本周五郎賞・日本推理作家協会賞に輝く、本格警察小説。
「BOOK」データベース
読者の声
捜査する上で圧力があっても懸命に励む刑事の姿が見えるので、私もそのようになりたいと思いました。(49歳 男性 会社員)
自分の信念に従って実直に行動する主人公の姿が前作に引き続き印象的で、 組織の旧弊を乗り越え行動し、やがて点と点がつながり事件解決に至っていく様は、とても胸のすく内容です。しがらみだらけの社会に生きる私たちへのエールであると感じます。(47歳 女性 主婦・主夫)
「妖獣のレクイエム」1票
読者の声
戦いと愛が描かれたサイキック小説であると個人的には思います。(39歳 女性 無職)
「熱波」1票
内閣情報調査室の調査官である磯貝竜一は、国際都市形成構想の視察に沖縄を訪れた。沖縄では、基地全面撤去を前提にした経済などの地域復興計画が進行していた。そこで彼が出会ったのは、沖縄知事の屋良と補佐官の比嘉隆晶という男だった。知事の選挙参謀であり、沖縄独立論者と噂されている比嘉に、反感を覚える磯貝。
そんな矢先、磯貝は、台湾マフィアたちに拉致されそうになる。一体、沖縄で何が起きようとしているのか?何かを隠すような比嘉の行動とマフィアたちの暗躍。さらに驚愕の事態が、日本と沖縄に待ち受けていた!日本の未来を問う、傑作長篇小説。
「BOOK」データベース
読者の声
米軍基地を抱える沖縄を舞台に、官僚、検察、県民、台湾マフィアなど多様な人物が登場する最高のエンターテイメント作品です。(59歳 男性 自営業)
「任侠病院」1票
日村誠司が代貸を務める阿岐本組は、東京下町で長年ちっぽけな所帯を持っている。堅気に迷惑をかけない正統派ヤクザであったが、地元新住民の間から暴力団追放運動が起こってきた。そんなおり、組長の阿岐本雄蔵が、潰れかけた病院の監事となって再建を引き受けることになった。
暗い雰囲気の院内、出入り業者のバックには関西大物組織の影もある。再建先と地元、難題を二つ抱え込んだ阿岐本組。病院の理事もさせられた日村は、組の最大の危機を乗り切れるのか―。
「BOOK」データベース
読者の声
侠書房、学園、そして病院、暴力団ではない任侠人の裏の世界でしか、解決できない もめ事を人のため、世のためと、おこなう姿がとても痛快で面白い。(39歳 女性 パート・アルバイト)
「提督たちの大和 小説 伊藤整一」1票
昭和二十年四月、一億総特攻の先駆けとなるべく、最後の連合艦隊が出撃した。旗艦大和に第二艦隊司令長官として乗り込んだ伊藤整一は、日本と乗組員たちの運命を背負うことになる―。
彼が戦う相手は、アメリカ、そして生涯の友と誓ったレイモンド・スプルーアンス大将だった…。大和最後の司令長官・伊藤整一の生涯と、秘められた友情を描く、渾身の書き下ろし長篇。
「BOOK」データベース
読者の声
あまり知られていない、伊藤整一とスプルーアンスの友情を軸に、非常に丁寧な人物描写がなされていて、とても面白いです。(29歳 男性 会社員)
「精鋭」1票
失敗は許されない。敗北も許されない。SATが最後の砦だ!新人警察官の柿田亮は上司の勧めでエリート集団の機動隊を志望するが―著者が初めてSAT(特殊急襲部隊)に挑んだ警察小説。朝日新聞好評連載の単行本化。
「BOOK」データベース
読者の声
新人警察官の成長が、事件なく語られるところがとても斬新です。(45歳 女性 自営業)
「初陣 隠蔽捜査3.5」1票
警視庁刑事部長・伊丹俊太郎と大森署署長・竜崎伸也。幼馴染にして立場の違う同期のキャリア。組織の壁に悩む伊丹の苦境を竜崎の信念が救う―。
「BOOK」データベース
読者の声
困難な状況を打開する短編は短編でキレがあって面白い、微笑ましいほどのコンビに憧れます。(48歳 女性 主婦・主夫)
「最後の封印」1票
ミュウ―レトロウイルスの進化形に感染した人間から生まれた子供たち。生まれながらに持つ特殊能力ゆえ社会への適応力を欠き、悪魔が人間の腹を借りて生まれたといわれていた。隔離か保護か、分裂する内閣。そんな折、病院から逃走したミュウを追って、元傭兵のシド・アキヤマは飛騨山中にいた。殺しのプロはなぜミュウ・ハンターとなったのか。
「BOOK」データベース
読者の声
レトロウイルス流行後の世界を舞台に、著者の想像力が見事に結実した近未来戦闘アクション小説です。(50歳 女性 自営業)
「確証」1票
都内で起きた強盗事件と窃盗事件。警視庁捜査3課で盗犯捜査ひと筋の萩尾秀一は、ふたつの事件には繋がりがあるとして、部下の武田秋穂とともに捜査を始める。捜査1課との軋轢や駆け引きの中で、ベテランの萩尾は何を見て、若い秋穂は何を考えるのか。
「継続」と「ひらめき」が融合した円熟の警察小説、待望の文庫化。連続テレビドラマ原作。
「BOOK」データベース
読者の声
この作品は、警察の動きをテーマにして起こる事件から目が離せない名作の一つです。(42歳 女性 無職)
「リオ 警視庁強行犯係・樋口顕」1票
「彼女が容疑者だとは、思えない」警視庁捜査一課強行犯第三係を率いる樋口警部補は、荻窪で起きた殺人事件を追っていた。デートクラブオーナーが殺害され、現場から逃げ去る美少女が目撃される。
第二、第三の殺人が都内で起こり、そこにも彼女の姿が。捜査本部は、少女=リオが犯人であろうという説に傾く。しかし、樋口の刑事の直感は、“否”と告げた。名手が描く本格警察小説。
「BOOK」データベース
読者の声
テレビの2時間もののドラマではまりました。そこでシリーズの最初から読んでみることにしました。登場人物はおじさんたち、最近の派手さはなく刑事の感というのが好きです。本格的な警察小説だと思います。(58歳 女性 自営業)
「スクープ」1票
TBNテレビ報道局社会部の布施京一は、看板番組『ニュース・イレブン』所属の遊軍記者。素行に問題はあるものの、独自の取材で数々のスクープをものにしている。
時には生命の危険にもさらされるが、頼りになるのは取材ソースのひとりでもある警視庁捜査一課黒田裕介刑事の存在だ。きらびやかな都会の夜、その闇に蠢く欲望と策謀を抉り出す。
「BOOK」データベース
読者の声
よくある素行が悪いけど抜群の情報網で数々のスクープをゲットする記者と刑事の物語です。時代設定がバブル直後のため、懐かしい世界観に浸れるのがポイントです。(38歳 男性 会社員)
「サーベル警視庁2帝都争乱」1票
明治38年8月30日。『時事新報』の号外で、それまでの戦勝の喜びが消え去り、世間に失望と怒りが広がっていった。警視庁第一部第一課・葦名警部と四人の巡査たちは、赤坂榎坂にある桂首相の妾宅の警備を担当。九月五日、「講和問題国民大会」が日比谷公園で開かれ日比谷焼打事件が勃発…。
暴動が広がるなか、伯爵の孫で探偵の西小路が妾宅で死体を発見。葦名警部たちは「騒擾による死亡」として片付けようとする赤坂署に疑問を持ち捜査を始める―。
「BOOK」データベース
読者の声
お鯉のキャラクターが気持ちよくてすっきりするものでした。内容も全体的に簡潔でサッと読めますが重厚で読み応えがありました。(32歳 男性 会社員)
「ガイア戦記」1票
21世紀後半、世界は相変らず血と硝煙に満ちていた。キューバ、ニカラグアはレッド・アメリカと呼ばれていたが、怖るべき殺戳事件が起った。反政府ゲリラ、政府軍、米空挺部隊、米陸軍特殊部隊と敵味方の区別なく惨殺された死体の山には腕や脚は勿論、首のないものもあった…。
イランの首都テヘランで、一匹狼の殺し屋シド・アキヤマに接触した男がいた。日本の内閣官房情報室の黒崎と名乗る男は、シド・アキヤマに四人のテロリストの殺害を依頼した。彼らは特別な肉体を獲得したサイボーグだという。闘いは始まった。
「BOOK」データベース
読者の声
卓越した戦闘能力を持った4人のサイボーグに挑む孤高の暗殺者がクールで格好よかったです。(49歳 男性 パート・アルバイト)
まとめ
いかがでしたでしょうか。今野 敏のおすすめ小説を紹介しました。ぜひ作品を手に取って読んでみてください。