皆川 博子おすすめ作品14選【読書好き29人の声を集めました】

読書好き34人にアンケートをとって、皆川 博子の作品の中からおすすめ1冊選んでもらいました。投票が多かった順に感想とともに紹介していきます。

1位「死の泉」7票

第二次大戦下のドイツ。私生児をみごもりナチの施設「レーベンスボルン」の産院に身をおくマルガレーテは、不老不死を研究し芸術を偏愛する医師クラウスの求婚を承諾した。

が、激化する戦火のなか、次第に狂気をおびていくクラウスの言動に怯えながら、やがて、この世の地獄を見ることに…。

双頭の去勢歌手、古城に眠る名画、人体実験など、さまざまな題材が織りなす美と悪と愛の黙示録。吉川英治文学賞受賞の奇跡の大作。

「BOOK」データベース

読者の声

いわゆるナチスものですが、夢と現実とが区切られることがなく描写されている不思議な作品でした。(34歳 男性 会社員)

不老不死を研究する戦時下のドイツの描写がゴシックホラー風の怖い最後まで気が抜けない物語でした。(48歳 女性 主婦・主夫)

第二次大戦終了直後のドイツが舞台。ナチス統治下にある医学者と、女性・子供達が時代の流れに巻き込まれていく様が描かれています。(52歳 男性 会社員)

ナチス政権下とその後のドイツを舞台にした、独特の幻想的なタームを用いて綴られるラブストーリー(56歳 男性 無職)

ミステリーといえるかと言われたらどうなのかと思いますが最後のインパクトがあり大満足です。(53歳 女性 主婦・主夫)

戦時下のナチスドイツの世界で、愛というものの強さを改めて感じる事ができて感動する作品です。(46歳 男性 会社員)

ドイツを舞台とした子供を安全に産むための施設にスポットを当てた美と狂気のストーリーが最高に良いです。(44歳 男性 会社員)

「開かせていただき光栄です」7票

18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室から、あるはずのない屍体が発見された。四肢を切断された少年と顔を潰された男性。増える屍体に戸惑うダニエルと弟子たちに、治安判事は捜査協力を要請する。

だが背後には、詩人志望の少年の辿った稀覯本をめぐる恐るべき運命が…解剖学が先端科学であると同時に偏見にも晒された時代。そんな時代の落とし子たちがときに可笑しくも哀しい不可能犯罪に挑む。

「BOOK」データベース

読者の声

18世紀ロンドンを舞台にした推理小説で当時の社会情勢の雰囲気を生かし、伏線も多くいですが十分楽しめる作品になっています(62歳 男性 会社員)

解剖学が差別されても、不可解な事件に挑み続けるのは芯が強いと思いました。(52歳 男性 会社員)

ミステリーとブロマンスが一度に楽しめる名作。他作品に比べて読みやすいので皆川女史初心者にもおすすめ!(32歳 女性 自営業)

読んでいて早く続きを読みたいという気になる。BL作品ではありませんが、それっぽい雰囲気があるのでいいです。(32歳 女性 パート・アルバイト)

18世紀のロンドンという背景のなかで繰り広げられるミステリーに圧倒されました。(43歳 女性 主婦・主夫)

18世紀のロンドンで起ったある殺人事件。解剖学が整っていない時代に起こったミステリー。(50歳 女性 自営業)

猥雑で騒々し18世紀末の魅力溢れるロンドン。皆川博子の紡ぐ物語にすぐさま引き込まれて、読み終えるのが惜しいくらい。皆川作品のなかで、まずお勧めしたい一冊です。(39歳 女性 学生)

「薔薇忌」2票

降りしきる薔薇のはなびらで窒息することを夢見て、縊死した劇団員を描いた「薔薇忌」、水を汲んだ桶を覗きこむと、その人のために祈ってくれているなにものかが水に映るという「祷鬼」、現実のセックスでは不感症であるが、眠りの中で濃密な性の悦びを得られるという女を描いた「紅地獄」等々、舞台芸術に生きる男と女が妖しく織りなす世界を描く短編集。柴田錬三郎賞受賞。

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読者の声

幻想的な状況下で繰り広げられる人間の業や情念の世界に凄みさえ感じました。(49歳 男性 パート・アルバイト)

この作品は、主人公が生きるという事と死ぬ姿を題材にした感慨深い名作です。(42歳 女性 無職)

「恋紅」2票

遊女屋の愛娘〈ゆう〉の、ドラマティックな半生の物語! 彼の傍にいられるのなら、滅びてもいい。そう心に刻んだ少女の頃の記憶を頼りに、無名の役者に縋りついていく女の、嵐のように激しい生き方を描く。書下ろしエンタテインメント。

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読者の声

遊郭で働く女性の心の動き。皆川さんの作品の中では珍しい恋愛ものなので興味を持って読むことができた。(47歳 男性 会社員)

遊女屋「笹屋」の愛娘「ゆう」の成長を吉原を舞台に独特の台詞廻しで描いた素晴らしい恋物語です。(59歳 男性 自営業)

「倒立する塔の殺人」2票

戦時中のミッションスクール。図書館の本の中にまぎれて、ひっそり置かれた美しいノート。蔓薔薇模様の囲みの中には、タイトルだけが記されている。『倒立する塔の殺人』。

少女たちの間では、小説の回し書きが流行していた。ノートに出会った者は続きを書き継ぐ。手から手へと、物語はめぐり、想いもめぐる。やがてひとりの少女の不思議な死をきっかけに、物語は驚くべき結末を迎える…。

物語が物語を生み、秘められた思惑が絡み合う。万華鏡のように美しい幻想的な物語。

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読者の声

ラノベっぽい表紙イラストでしたが、良い意味で期待を裏切られました。重厚で先が読めないミステリーが好きな人は是非。また戦時中の女子学生×ミステリーという設定も、あまり見ないので、好きなポイントです。(35歳 女性 自営業)

すべて読み終わった時にタイトルの意味が分かりゾッとします。作中には名言などもあるので合わせて楽しんでほしい作品です。(32歳 女性 自営業)

「薔薇密室」1票

第一次大戦下のドイツ・ポーランド国境近く。脱走兵コンラートは古い僧院に身を寄せる。そこでは所有者のホフマン博士が、人間と薔薇を融合させる常軌を逸した実験を行なっていた。コンラートはある思惑のもと、博士に協力を申し出る…。

そして十数年後、ナチス・ドイツの弾圧から逃れたポーランド人の少女ミルカが見た、僧院の恐るべき真実とは? 戦争と美への欲求という人間の深い業を流麗な筆致で描く歴史ミステリ。

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読者の声

戦時中の人種差別や国家情勢も出てきて、リアルに感じられること(45歳 女性 自営業)

「双頭のバビロン」1票

世紀末ウィーンに生まれた貴族の血を引く双生児、ゲオルクとユリアン。だが、前者は名家の跡取りとして陸軍学校へゆき、後者は存在を抹消され、ボヘミアの廃城で世間から隔絶され育てられる。

やがて、ある事件からゲオルクは故郷を追われ、野心と欲望の都市ハリウッドで映画制作の道に足を踏み入れるが…動乱の1920年代、西洋と東洋の魔都で繰り広げられる、壮麗なる運命譚。

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読者の声

幻想的な文章が美しくて好きだし、ストーリーも面白かったのでおすすめの作品です。(39歳 男性 無職)

「水底の祭り」1票

M**湖の湖底は水死者の集う墓場。不意の嵐にくつがえった釣船から放り出された漁師。自殺者。数百年昔、合戦に敗れ、湖水に追い落とされた落武者…。そして湖の底から屍蝋と化した水死体があがった―。疎開中、姉を不幸な惨劇に陥れた湖を訪れる、弟の過去への旅路を描く表題作など傑作短篇集。

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読者の声

どんな人間にも、二面性が存在するが故、時には、邪悪な一面を他人へ向けてしまうといった、現実世界に通じる部分が好きです。(28歳 男性 会社員)

「海賊女王」1票

時は16世紀。スコットランドに生まれたアランは、17歳で戦士集団に加わり、アイルランドに渡る。そこで出会ったのは、海賊を生業とするオマリーの氏族の猛々しい男たちと、赤い縮れ毛の首領の娘グラニュエル・オマリー(グローニャ)。

アランはグローニャの従者となり、闘いと航海に明け暮れる波瀾の日々が始まった。壮大なスケールで描く、実在の女海賊の凄まじき生涯!

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読者の声

グローニャ(グラニュエル)の奔放な恋愛や、交渉力に惹かれ、単行本で上下巻ではありましたが、すぐに読んでしまいました。壮絶な最期は圧巻です。しんみりとした読後感が残ります。(42歳 女性 主婦・主夫)

「影を買う店」1票

これぞ、幻想小説の極み。いっさいの制約から解き放たれた皆川博子の真骨頂が堪能できる、至極の21編。

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読者の声

日本が舞台のはずなのに、異国の物語であるかのような異国情緒でミステリアスな雰囲気にぞくぞくします。(19歳 女性 学生)

「みだら英泉」1票

文化文政時代。ただひたすらに「己だけの女」を求めて、美人画に枕絵に絵筆をふるう浮世絵師・渓斎英泉。お津賀、おたま、おりよ、三人の妹の「生」をも搦めとった果てに見出したのは―。爛熟の江戸を舞台に、絵師の凄まじいまでの業と妹たちの情念が濃艶に花開く。

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読者の声

明らかにされていない史実や人間関係を、想像を蜘蛛の巣のように巡らせて巧みに繋げているところでするところ。(47歳 女性 自営業)

「トマト・ゲーム」1票

壁に向かってオートバイで全力疾走をする度胸試しのレース、トマト・ゲーム。22年ぶりに再会した男女は若者を唆してゲームに駆り立て、残酷な賭けを始める。

背後には封印された過去の悲劇が…第70回直木賞候補作の表題作をはじめ、少年院帰りの弟の部屋を盗聴したことが姉を驚愕の犯罪に巻き込む「獣舎のスキャット」等、ヒリヒリするような青春の愛と狂気が交錯する全8篇を収録。恐怖と奇想に彩られた犯罪小説短篇集。

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読者の声

人間の悪意や狂気を過激に猥褻に表現した、著者の美学が貫かれた短編集です。(50歳 女性 自営業)

「クロコダイル路地」1票

「U」1票

運命が運び、連れ戻すところに、われわれは従おう―。1789年、フランス革命によって階級制度は崩壊し、ピエール(貴族)、ローラン(商人)、コレット(平民)の運命は変転する。三人は、革命期の不条理によって負った「傷」への代償として、復讐を試みるが。小説の女王が描く壮大で企みに満ちた歴史ミステリー。

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読者の声

フランス革命によって翻弄される登場人物の心理描写とミステリーが最高です。(45歳 女性 パート・アルバイト)

「U」1票

1915年、ドイツ。第一次世界大戦―。イギリスを中心とする連合国に追い詰められたドイツ帝国海軍は、Uボートに捕虜救出作戦を命じた。敵の機雷網や爆雷を潜り抜け、決死の作戦を完遂できるか。英仏海峡を越える任務に命を懸けた兵士たちの矜持。

1613年、オスマン帝国。中世ヨーロッパ―。最後の輝きを見せるオスマン帝国で、豪華絢爛な宮廷生活をおくる王に、捕らわれた少年。母国語を奪われ、イスラム教徒へと強制改宗させられながらも、遠き故郷への帰還をあきらめない少年兵の運命。

滅びゆくオスマン帝国と、黄昏のドイツ帝国Uボート。“数奇な運命”に翻弄される若者たちの物語。

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読者の声

読みやすい文章、卓越したストーリー。最後には全てが無くなってしまった。しかし読者である自分の記憶には、主人公たちの人生が焼き付いている。(18歳 男性 パート・アルバイト)

まとめ

いかがでしたでしょうか。皆川 博子のおすすめ小説を紹介しました。ぜひ作品を手に取って読んでみてください。

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