車谷 長吉おすすめ小説ランキング12選【読書好き32人の声を集めました】

車谷 長吉の作品から、読者アンケートでおすすめの小説を12冊を選びました。作品を読んだ感想とともにランキング形式で紹介していくので、どの作品を読もうか考えるときの参考にしてください。

1位「赤目四十八瀧心中未遂」8票

「東京から流れつき、どこに行くあてもない「私」は日の当たらない蒸し暑いアパートの一室でモツを串に刺し続けた。向いの部屋に住む女の背中一面には、極楽の鳥、迦陵頻伽(カリョウビンガ)の刺青があった。ある日、女は私の部屋の戸を開けた。

「うちを連れて逃げてッ」──。圧倒的なストーリーの巧みさと見事な文章で、底辺に住む人々の情念を描き切る。直木賞受賞で文壇を騒然とさせた話題作。寺島しのぶ主演の映画化も、日本映画大賞など数々の賞を受賞。 

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読者の声

東京を出たのに行く場所がないという場面を見て、虚しいと思いました。(56歳 女性 会社員)

尼ヶ崎のはずれにあるアパートで出会った男女の姿を通して描かれる、底辺に生きる人間たちの深い情念の物語(56歳 男性 無職)

人生に疲れ果て、あての無い旅に出た男の行く末が幻想的に描かれていてなんともいえない浮遊感が印象的だった。(49歳 男性 パート・アルバイト)

平凡な会社員をしている男がその生活に嫌気が差し、放浪を始めるお話。 正直、主人公がなぜ安定している生活を捨てるのか最初はよくわからなかったです。 わからないまま読み進めていて、そこからある女性との運命的な出会い。自分の理解は追いつかないままでも、最後まで読んで、結末に驚きました。 理解できなくても何か凄いものを読んだという気持ちにさせてくれる作品。(43歳 女性 パート・アルバイト)

底辺な生き方をしている人々にスポットライトを当てた作品で物語の面白さに感動した。(39歳 男性 無職)

人々が生きていこうともがく姿を淡々とした文体で描く。話の温度を感じる作品。(44歳 男性 会社員)

淀んだ町の底辺の人たちの物語で人間の業をえぐりとるような文章が好きなポイントです。(33歳 男性 会社員)

寺島しのぶがヒロインで映画化された代表作のひとつ。主人公の生きざまが印象的な作品(57歳 女性 会社員)

2位「車谷長吉の人生相談 人生の救い」4票

新聞連載時より話題沸騰!“最後の文士”にして“反時代的毒虫”たる著者が、老若男女からの投稿による身の上相談に答える。妻子ある教師の「教え子の女子高生が恋しい」、主婦の「義父母を看取るのが苦しい」…これら切実な問いに著者が突きつける回答とは。

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読者の声

一応相談なのに著者の回答の辛辣さが際立っていて、とてもシュールなところ。(20歳 女性 無職)

作者自身が「劣」の人生を歩んできたと自負していますが、そんな彼が発する言葉は、非常に重く聞こえてくる作品です。(42歳 男性 会社員)

真面目な回答もありつつ、ユーモア溢れる回答もあって面白いのでサクサク読めます。(26歳 女性 会社員)

朝日新聞の悩み相談で車谷長吉が回答したものをまとめた本。ハラハラドキドキの珍回答がいっぱい。(37歳 女性 主婦・主夫)

2位「金輪際」4票

地の下には三つの輪があって、この世を支えているという。その無限の底を金輪際という。世を厭い人を呪う生を送ってきた私の人生に、棘のように突き刺さり、今なお己れを狂わせる記憶の数々…。人間の生の無限の底にうごめく情念を描ききって慄然とさせる七篇を収録した傑作短篇集。

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読者の声

人間の残酷さが生々しく描かれているので、サスペンスやミステリーが好きな人にはおすすめです。(38歳 男性 会社員)

笑えるくらい驚く展開が待ち受けるストーリーなので非常に楽しんで読めます。車谷長吉の作品がはじめての人にもオススメです。(20歳 女性 学生)

自分の人生を書くという作風が、濃縮されているのが好きなポイントで、初めて車谷さんを読む方には、短編でオススメです。(45歳 男性 自営業)

車谷長吉の作品は、読むのにパワーが必要だと思います。読み終えると心地よい疲れというか充実感を覚えました。比較的読みやすい短編がおすすめ。人や風景、諸々の描写が細かく鋭さを感じます。作者の人生も興味深く、経歴を一読して読むとなお心に響くと思います。(54歳 男性 パート・アルバイト)

3位「漂流物」3票

これだけは書いてはならぬ、と血族から哀願されていたことを小説に書いた。小説の材料にした人々には犠牲の血を流させた。しかるに「私」はそれによって世の讃辞を二度まで浴びた。世間をはずれて漂い流れる、落伍者たるこの「私」が…。

書くことのむごさを痛感しつつも、なお克明に、容赦なく、書かずにはいられぬことの業、そして救い。「私」の中の悪の手が紡いだ私小説、全七篇。平林たい子賞文学賞。

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読者の声

これぞ私小説という作品。書かずにはいられなかったという作者の思いが存分に伝わります。(40歳 男性 パート・アルバイト)

これだけは家族から書いてはいけないと言われた内容を記載した作家を主人公とした小説。(25歳 男性 会社員)

作品の中毒性。「私小説家」と自任している作者の中でも秀作。母の言葉が毒のようで薬のようで、ただ、自分には耐えられない。(42歳 女性 主婦・主夫)

3位「贋世捨人」3票

私は愚図で、腑抜けだった。大学を出て、広告代理店に勤めるも、金儲け主義に嫌気が差し、辞めてしまう。その後、職を転々とし、流れ流れて料理屋の下足番になった。

世間に背を向け、抜き身で生きていこうとした青年期から小説家になるまでの葛藤を執拗なまでに描きこんだ、私小説作家・車谷長吉の真骨頂。

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読者の声

これだけ過去を露出して書けるのは凄いと思いますし、とても読み応えあります。(38歳 男性 会社員)

世捨て人になりたくも、度胸が無くて踏み切れない。そんな心の葛藤を吐き出した迫力に圧倒されます。(46歳 男性 会社員)

自分の不遇の過去を露出しているので、内容がとてもおもしろいです。(39歳 男性 会社員)

3位「鹽壺の匙」3票

吉祥天のような貌と、獰猛酷薄を併せ持つ祖母は、闇の高利貸しだった。陰気な癇癪持ちで、没落した家を背負わされた父は、発狂した。銀の匙を堅く銜えた塩壷を、執拗に打砕いていた叔父は、首を縊った。

そして私は、所詮叛逆でしかないと知りつつ、私小説という名の悪事を生きようと思った。―反時代的毒虫が二十余年にわたり書き継いだ、生前の遺稿6篇。第6回三島由紀夫文学賞。芸術選奨文部大臣新人賞。

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読者の声

私小説ではあるが、とても緊張感がある人生の断面を味わえる秀作です。(65歳 男性 無職)

彼の有名な作品といってもいいものでおそらく昭和の初め頃を舞台としているためか古風な雰囲気が全快で少し難解な表現や現代とは異なる時空をスリップしたような感覚になれる不思議なテイストが感じられる作品でした。(35歳 男性 会社員)

とても重たい内容で死についての話ですが描写が鋭く綺麗な作品です。(38歳 男性 自営業)

4位「妖談」2票

作家になることは、人の顰蹙を買うことだ、とは気がついていなかったのである。気づいた時は、もう遅かった。読者は人の顰蹙を買うような文章を、自宅でこっそり読みたいのである…(「まさか」)。“私小説作家”と称される著者が、自尊心・虚栄心・劣等感に憑かれた人々を執拗に描き出す、異色の掌編小説集。

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読者の声

34話からなる掌編集で作者をモデルとした話が描かれているのが面白く、どの話も重い感じの内容なのが良かった。(26歳 男性 パート・アルバイト)

人間が一番怖いと思わせるような話です。読みやすく人間はやはり一番怖いというのを実感しました。(23歳 男性 会社員)

5位「飆風」1票

無能者になって生家に戻った「私」を迎える母親の呪詛。文学を志しながら果たせず、友人や女を騙し、蔑まれ、どん底まで落ちる「私」。精神を病んだ作家と妻である詩人の暮らし―。

自身の半生を虚実の中に描く小説三篇に加え、独自の小説作法を語り、西行、漱石、深澤七郎を論じた講演「私の小説論」を収録。

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読者の声

表題作では作者が強迫観念に取り憑かれて神経症に陥る様が描かれていて興味深かったし、他に奥さんとのコラボや私の小説論があって面白い私小説だった。(46歳 女性 主婦・主夫)

5位「武蔵丸」1票

伯母の家に預けられた村の子の眼に映る周囲の人びとの物狂いの世界を綴る「白痴群」。ともに五十歳近い初婚夫婦が、一匹の兜虫の生と性のすさまじさ、むごさを見ながらその死を看取る「武蔵丸」(第27回川端康成文学賞受賞)。他に「狂」「功徳」「一番寒い場所」など、「書くことは、私には悲しみであり、恐れである」という著者の、業曝しの精神史としての私小説6篇を収録。

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読者の声

武蔵の生来などをしっかりと表現をされていて個人的には本当によい作品でありました。(33歳 男性 会社員)

5位「女塚―初期作品輯」1票

「彼」は文学を志し、カフカを学んだ。広告代理店を辞め、総会屋雑誌で働き、ついにすべてを捨て去って「無一物」となる決意をする―。十二年間の己れの姿を凝視し、脂汗を流しながら書き続けた壮絶な八つの作品。小説、エッセイ、アフォリズム…、まごうことなき「車谷長吉」の世界がここにある。

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読者の声

女性同士の平凡な日常がある事件をきっかけに、生活が一変してしまう奥深い作品。(39歳 男性 会社員)

5位「愚か者」1票

お前も勉強しないで、あそんでいると、くるまたにさんみたいになってしまうよ。生きることの修羅と恥辱。赤裸の私小説31篇。

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読者の声

作品を読めば読むほど、本来の芥川賞作家ではないかという思いがしてくる程の観察力とその表現力に圧倒され見入ってしまう点です。(28歳 男性 会社員)

5位「忌中」1票

死んでも死に切れない―。泣く泣く妻を殺め、女に狂い借金まみれの挙句に自殺した初老の男。若くして自殺したエキセントリックな叔父の後日談。事業失敗で一家心中をはかり、二人の子供を道連れにした夫婦。強姦殺人の憂き目にあった高校時代の女友達。救済でもなく逃避でもない、死者に捧ぐ鎮魂の短篇集。

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読者の声

死んでも死にきれない変死、夫婦心中などによって死を遂げた人々について記述した短編集。(27歳 女性 主婦・主夫)

まとめ

いかがでしたでしょうか。車谷 長吉のおすすめ小説をランキング形式で紹介しました。ぜひ作品を手に取って読んでみてください。

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