桐野 夏生は、1951年生まれの女性小説家。1993年に「顔に降りかかる雨」で江戸川乱歩賞を受賞しデビューしました。
人間の深い部分を書きたいという思いがあふれる作品が多く、「OUT」では主婦たちが犯罪に手を染めていく様子を描きました。
人間の持つ心理・闇を鋭い洞察力でリアルに描く桐野 夏生の作品を、読書好き50人におすすめ小説を1冊選んでもらい、ランキング形式で19冊紹介します。
1位「OUT」16票
雅子、43歳、主婦。弁当工場の夜勤パート。彼女は、なぜパート仲間が殺した夫の死体をバラバラにして捨てたのか? 自由への出口か、破滅への扉か? 四人の女たちが突っ走る荒涼たる魂の遍路。魂を揺さぶる書下ろし犯罪小説。
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読者の声
普通の主婦が共謀し犯罪に手を染めていく…というお話に当時衝撃を受けました。(32歳 女性 自営業)
パートで働く主婦たちが殺人を犯す内容ですが、筋書きがなかなか読めず、最後はどうなるのかひやひやしながら読むことができます。女性心理が良く描かれていたので感情移入できる作品です。(62歳 男性 会社員)
満たされない主婦が犯罪に手を染めていく様子や心理描写が丁寧に書かれています。(39歳 男性 会社員)
平凡な主婦4人はそれぞれ悩みを抱えつつ、深夜の弁当工場で働いていました。そんな中、4人の内の1人の主婦が訳あって自分の旦那を殺害してしまったのです。そこで残りの主婦たちは証拠隠滅に加担し、死体をバラバラにして棄てることにしました…。というおはなし。読み応え十分の犯罪小説です。(39歳 男性 パート・アルバイト)
グロテスクな描写もありますが人間心理の描き方に圧倒されます。(50歳 女性 会社員)
家庭に悩みを抱えた4人の平凡な主婦たちが、殺人・遺体処理を行わざるを得なくなる過程に目が離せなくなります。(43歳 女性 主婦・主夫)
犯罪に関わる主人公が夢を失った主婦たちで、完全犯罪をしようとして思わぬ罠に落ちてしまうところが面白い。(70歳 男性 自営業)
日常に不満を持ちつつ、日々の家事やパート作業を淡々とこなす主婦たちが、ある出来事を端に非日常の中で壊れていく様を、自分のことのように感じながら読み進められるところです。(46歳 女性 主婦・主夫)
衝撃的な内容です。もしかしたらと自分の身近なとこでありそうな内容でとても引き込まれます。(21歳 女性 パート・アルバイト)
平凡な主婦やOLがはまりこむ世界に引き込まれてしまう感覚。(47歳 男性 会社員)
とにかくグロい。描写がリアルで、でも引き込まれてしまう。グロいミステリーが好きな方におすすめです。(29歳 女性 主婦・主夫)
どこにでもいるパート勤めの平凡を絵に描いたような主婦が、実は夫のDVに耐えかねていて、ついには殺人事件を犯してしまうという、日常と紙一重にある地獄の描き方がうまい。(37歳 女性 会社員)
鬱々と不満を抱えながら生活していた主婦たちが、仲間の夫の死体損壊に手を貸し、堕ちていきます。堕ちていっているはずなのに、以前より生き生きとしていく主婦たちが妙に生々しい感じがして、一気に読めました。(49歳 女性 会社員)
スリリングな展開と、生々しくリアルなやりとりが描写され、平凡な主婦の心の闇を垣間見ることができます。(38歳 女性 会社員)
不思議と共感する部分があって・・・主婦が主人公という事もあって絵空事ではない感じ。(48歳 女性 主婦・主夫)
登場人物の女性たちとは同世代なのですが、普通の主婦達が一線を越える瞬間にはゾクゾクします。(42歳 女性 会社員)
2位「東京島」6票
清子は、暴風雨により、孤島に流れついた。夫との酔狂な世界一周クルーズの最中のこと。その後、日本の若者、謎めいた中国人が漂着する。三十一人、その全てが男だ。救出の見込みは依然なく、夫・隆も喪った。だが、たったひとりの女には違いない。求められ争われ、清子は女王の悦びに震える―。
東京島と名づけられた小宇宙に産み落とされた、新たな創世紀。谷崎潤一郎賞受賞作。
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読者の声
男と女の欲望を、大胆かつ繊細に書いており、生きることとはなにかを考えさせられた。(26歳 女性 会社員)
漂流した無人島での31人の男と1人の女の生活はありえない場面ばかり。でも、自分を巡る争奪戦はどんな感じなんだろうと想像しながら読み進められる。(40歳 女性 自営業)
性に溺れ、またそれを武器にして、唯一の女性ということを利用して生き抜く女性を描いた物語。いやらしい反面、野性的で面白かった。(48歳 女性 パート・アルバイト)
ただの無人島サバイバルストーリーではない。男の中に女性が一人だけ生き延びる非現実さが楽しい。(35歳 女性 会社員)
サスペンス作家という印象ながら、この作品は新婚さんが無人島に流れてたくさんの異性の女王になるとき、こんな女性を描くのかと思いました。今までで一番卑しい女性描写に驚きます。(43歳 男性 自営業)
無人島に漂流した男達と1人の女の話。設定がすごく面白くて、展開がすごいです。自分ならどうすると絶対に考えてしまう作品ですね。(42歳 女性 パート・アルバイト)
女性ならではの硬派でかつ陰に包まれた世界観がなんとも言えず、ドキドキしてしまいます。(39歳 女性 無職)
3位「グロテスク」5票
名門Q女子高に渦巻く女子高生たちの悪意と欺瞞。「ここは嫌らしいほどの階級社会なのよ」。悪魔的な美貌を持つニンフォマニアのユリコ、競争心をむき出しにし、孤立する途中入学組の和恵。ユリコの姉である“わたし”は二人を激しく憎み、陥れようとする。圧倒的な筆致で現代女性の生を描ききった、桐野文学の金字塔。
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読者の声
どんなイケメンでもどんな美貌を持った女性でも歳を重ねれば、やがて落ちていく。ということを感じました。グロテスクな部分を騙し操って生きていくような人生を教えられる。(20歳 男性 学生)
女子高生たちが繰り広げる実に醜い物語でした。刺激が強いので最後まで手に汗握って読めました。(39歳 男性 無職)
優れた美貌を持つ女性、一流企業に勤める女性が娼婦になって落ちていく経緯が、人間の奥深さを描いていると思います。(40歳 女性 無職)
最後まで事件の根本や原因などをわかった気になれず、いろいろ考えさせられる点が良いです。(44歳 女性 主婦・主夫)
この作品はノンフィクションで昼間は一流企業のエリート、夜は娼婦の顔を持つ女が客に殺されたという衝撃的な事件で衝撃的な事件なのだが、引き込まれるように読んでしまいました。(18歳 男性 学生)
4位「猿の見る夢」3票
十年来の愛人しか今の薄井の楽しみはない。それなのに逢い引きに急ぐところ、会長が社長の怪しいセクハラ問題を耳打ちする。家には謎の占い師が居座り、女のマンションで機嫌をとっていれば、妹が電話で母の死を知らせてくる。「なぜみんな俺を辛い立場に立たせる?」欲深い59歳の男を徹底的に描く過激な定年小説!
「BOOK」データベース
読者の声
順調な人生に、一人の女の出現がすべて狂わされていく有り様は少し滑稽で面白い。(25歳 男性 学生)
たった1人の女のせいで主人公が動揺したり焦ったりする描写がとても滑稽なところがおすすめポイント。(41歳 女性 無職)
妻と愛人と恋人を持ちたい男の上手に立ち回る話。 男ならみんな一度は考える事、バレなければやってみたい。まあそういう都合の良い願いはかなわないけど。だから嫌悪しながらも、ときどき共感したり…女達に揉まれて翻弄されている主人公薄井正明に少しだけ同情しました。(51歳 男性 会社員)
4位「ハピネス」3票
高級タワーマンションに暮らす岩見有紗は窒息寸前だ。ままならぬ子育て、しがらみに満ちたママ友たちとの付き合い、海外出張中の夫・俊平からの離婚申し出、そして誰にも明かせない彼女自身の過去。軋んでいく人間関係を通じて、徐々に明らかとなるそれぞれの秘密。華やかな幸せの裏側に潜む悪意と空虚を暴き出す。人気女性誌「VERY」連載時から話題沸騰の衝撃作!
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読者の声
お洒落な奥様雑誌「VERY」で連載されてた作品です。タワーマンションに住む奥様方やママ友の人間模様が描かれています。(50歳 女性 主婦・主夫)
タワーマンション内のドロドロした人間関係が身近にありそうで共感をすることができる。(40歳 女性 会社員)
タワマンに住む人たちのマウント合戦の様子と、今現在幸せなのに暇だから不倫するという主婦たちが出てきて滑稽で面白いです。(40歳 女性 主婦・主夫)
5位「優しいおとな」2票
福祉システムが破綻した日本。スラム化したかつての繁華街“シブヤ”の野宿者・イオンは、闇を根城にする若者たちと出会い、アンダーグラウンドに足を踏み入れる。NGO「ストリートチルドレンを助ける会」、女性ホームレス集団「マムズ」…彼の「優しいおとな」はどこにいるのか。桐野夏生が描く、希望なき世界のその先とは。
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読者の声
家族をもたず信じることを知らない少年の孤独な描写が、放浪して漂っている感じがして切なくなった。(48歳 女性 主婦・主夫)
あぁ、自分は「どっちつかずなおとな」なのかもしれない、と胸が痛くなります。現実に、主人公レオンのように、暖かい家族を求めて苦しんでいる子供たち多くいるんだろうと思います。(37歳 女性 会社員)
5位「顔に降りかかる雨」2票
親友のノンフィクションライター宇佐川耀子が、一億円を持って消えた。大金を預けた成瀬時男は、暴力団上層部につながる暗い過去を持っている。あらぬ疑いを受けた私(村野ミロ)は、成瀬と協力して解明に乗り出す。二転三転する事件の真相は?女流ハードボイルド作家誕生の’93年度江戸川乱歩賞受賞作。
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読者の声
親友であり信頼関係がある登場人物が、ある事を境にして繰り広げられるサスペンスが良い。(42歳 女性 無職)
主人公・村野ミロが大金を持ったまま行方不明になった友人を探して、徐々に真相に近づいていく過程が素晴しい、著者のデビュー作です。(50歳 女性 自営業)
5位「だから荒野」2票
こんなにいとも簡単に夫と息子を捨てられるとは。
会社員の夫と、大学生と高校生の息子たちとともに東京の郊外で暮らす主婦・朋美。日々家庭を支えてきた苦労を理解しようともせず、夫はその場しのぎの言葉ばかり、息子たちは、「キモいおばさん」扱い。46歳の誕生日の席で、朋美を軽んじてきた彼らに対し、ついに反乱をおこす。
身勝手でわがままな家族たちとは決別。レストランの席を立って、夫の愛車で高速道路をひた走る――。
家出した妻より、車と女の住所が入ったゴルフバックが気になる夫をよそに、かつてない解放感を味わうが、車を失い、ヒッチハイクで出会ったのは、原爆を語り継ぐ老人と青年だった。家族とどう生きるかの孤独と希望を描いて、新聞連載時大反響を呼んだ話題作、ついに文庫化!
〝家族〟という荒野を生きる──。
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読者の声
平凡な日常から抜け出したいという、誰もが抱くような感情を描いているところ。(45歳 女性 自営業)
ダメ男の生態がつぶさに描写され、そんな男たちに囲まれて生活することに疲れたとき、共感を呼びます。(57歳 女性 パート・アルバイト)
6位「緑の毒」1票
39歳の開業医・川辺。妻は勤務医。一見満ち足りているが、その内面には浮気する妻への嫉妬と研究者や勤務医へのコンプレックスが充満し、水曜の夜ごと昏睡レイプを繰り返している。
一方、被害者女性たちは二次被害への恐怖から口を閉ざしていたがネットを通じて奇跡的に繋がり合い、川辺に迫っていく―。底なしの邪心の蠢きと破壊された女性たちの痛みと闘いを描く衝撃作。文庫オリジナルのエピローグを収録。
「BOOK」データベース
読者の声
レイプ事件を扱ったスリリングなストーリー展開と独特の人物描写。(56歳 男性 無職)
6位「夜また夜の深い夜」1票
私は何者?私の居場所は、どこかにあるの?どんな罪を犯したのか。本当の名前は何なのか。整形を繰り返し隠れ暮らす母の秘密を知りたい。魂の疾走を描き切った、苛烈な現代サバイバル小説。
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読者の声
身近ではあり得ないようなシチュエーションだなと思って読みはじめましたが、心の動きに共感する部分がありました。(45歳 女性 主婦・主夫)
6位「抱く女」1票
女は男の従属物じゃない―。1972年、東京、吉祥寺。ジャズ喫茶でアルバイトをする大学生の直子は、傷つけられ、社会へ憤りながら、同時に新左翼とウーマンリブの現状にも疑問を抱いていた。
閉塞感の中、不意に出会ったドラマー志望の男との恋にのめり込んでゆく…。泡のごとき友情。胸に深く刻んだ死。彷徨する魂の行方。まだ何者でもなかった頃のあなたに捧ぐ、永遠の青春小説。
「BOOK」データベース
読者の声
1970年代前半の東京・吉祥寺を舞台に、ジャズ喫茶で働く女子大生・三浦直子のほろ苦い青春が上手く表現されている作品です。(59歳 男性 自営業)
6位「天使に見捨てられた夜」1票
AVでレイプされ、失踪した一色リナの捜索依頼を受けた村野ミロは、行方を追ううちに業界の暗部に足を踏み入れた。女性依頼人が殺害され、自身に危険が及ぶ中、ようやくつかんだリナ出生の秘密。それが事件を急展開させた…。乱歩賞受賞直後に刊行された圧巻の社会派ミステリー。「ミロシリーズ」第2弾!
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読者の声
女性ならではの硬派でかつ陰に包まれた世界観がなんとも言えず、ドキドキしてしまいます。(39歳 女性 無職)
6位「水の眠り 灰の夢」1票
東京オリンピック前夜の熱気を孕んだ昭和38年9月、地下鉄爆破に遭遇した週刊誌記者・村野は連続爆弾魔・草加次郎事件を取材するうちに、女子高生殺しの容疑者に。高度成長の歪みを抱えたまま変貌する東京を舞台に、村野が炙り出したおぞましい真実とは。孤独なトップ屋の魂の遍歴を描いた傑作ミステリー。
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読者の声
都会の繁華街や若者文化など熱くギラギラした描写から高度経済成長期真っ只中の東京の様子が伝わってきました。トップ屋と呼ばれる週刊誌記者の主人公が、爆破事件と殺人事件の真実を求めて馳け廻る活躍にワクワクさせてもらいました。(41歳 女性 主婦・主夫)
6位「女神記」1票
遙か南の島、巫女の家に生まれた姉妹。六歳の誕生日、姉は家族から引き離された。大巫女となり、跡継ぎの娘を産むのだ。やがて姉のもとに食事を届けることが妹の役目に。―ひもじくても、けして食べてはならない。―だが島の男と恋に落ちた妹は、禁忌を破り、聖域に足を踏み入れてしまう。
激しい求愛の果て、地下に堕ちた妹が出逢ったのは、愛の怨みに囚われた女神・イザナミだった。性と死の神話を、現代に編み直す。
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読者の声
日本の神話や巫女の要素を取り入れた珍しい作品です。姉妹の心境や伝統に反発する姿に心惹かれました。(29歳 男性 無職)
6位「玉蘭」1票
張り詰めた東京での生活に疲れ、すべてを捨てて上海に留学した有子。しかし、どうにも断ち切れぬ思いは、70年前、この地で生き、同じ思いを抱えた大伯父の幽霊を呼ぶ。枯れた玉蘭の花とともに…。交錯する二つの思いは時を越え、“過去”と“現在”を行き交う。人は恋愛の果てに何を得るのか。
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読者の声
仕事にも恋愛にも行き詰った女性が上海に留学し…という自分探しのようなストーリーですが、祖先の物語が劇中劇のように絡み合い、二重構造になっていて、奥行きのあるミステリーです。一気に読んでしまいました。(55歳 女性 パート・アルバイト)
6位「リアルワールド」1票
高校三年の夏休み、隣家の少年が母親を撲殺して逃走。ホリニンナこと山中十四子は、携帯電話を通して、逃げる少年ミミズとつながる。そしてテラウチ、ユウザン、キラリン、同じ高校にかよう4人の少女たちが、ミミズの逃亡に関わることに。
遊び半分ではじまった冒険が、取り返しのつかない結末を迎える。登場人物それぞれの視点から語られる圧倒的にリアルな現実。高校生の心の闇を抉る長編問題作。
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読者の声
母親を惨殺して逃亡した男子高校生と、彼を取り巻く四人の女子高校生のひと夏の物語です。桐野作品といえば登場人物たちのどろどろとした内面描写に情け容赦ない展開が魅力ですが、本作はそれらはひかえめであり、少女らの柔らかな感受性と若さ故の潔癖さが悲劇につながる様はさすが桐野夏生といったところで好きです。(30歳 女性 パート・アルバイト)
6位「メタボラ」1票
記憶を失った「僕」は、沖縄の密林で、故郷を捨てた昭光と出会う。二人は名前を変えて新たな人生を歩もうとするが、非情なヒエラルキーに支配された実社会に、安住の地は見つからない。孤独、貧困、破滅の予感。逃げろ!何処へ?底辺に生きる若者たちの生態を克明に描き、なお清新な余韻を残す傑作ロードノベル。
「BOOK」データベース
読者の声
主人公の人間関係や仕事について。どんどん落ちぶれていく主人公がつく職業について、この本で知った。(50歳 女性 パート・アルバイト)
6位「バラカ」1票
出版社勤務の沙羅は40歳を過ぎ、かつて妊娠中絶した相手の川島と再会。それ以来、子供が欲しくてたまらなくなってしまった。非合法のベビー・スークの存在を聞きつけ、友人・優子とドバイを訪ねた。
そこで、少女「バラカ」を養女にしたが、全く懐いてくれない。さらに川島と出来婚をしていたが、夫との関係にも悩んでいた。そんな折、マグニチュード9の大地震が発生。各々の運命は大きく動き出す。
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読者の声
子どもの売買のストーリーであるが、その子供に左右されながら大人たちの思惑が興味を引きます。(63歳 女性 会社員)
6位「ナニカアル 」1票
昭和十七年、林芙美子は偽装病院船で南方へ向かった。陸軍の嘱託として文章で戦意高揚に努めよ、という命を受けて、ようやく辿り着いたボルネオ島で、新聞記者・斎藤謙太郎と再会する。年下の愛人との逢瀬に心を熱くする芙美子。だが、ここは楽園などではなかった―。
戦争に翻弄される女流作家の生を狂おしく描く、桐野夏生の新たな代表作。島清恋愛文学賞、読売文学賞受賞。
「BOOK」データベース
読者の声
戦時中、ボルネオ島に渡った林芙美子。その時代に年下の愛人との熱い恋愛、エネルギッシュに生きていく姿に引き込まれます。(28歳 女性 会社員)
まとめ
いかがでしたでしょうか。桐野 夏生のおすすめ小説をランキング形式で紹介しました。ぜひ作品を手に取って読んでみてください。