貫井 徳郎は、1968年生まれの推理作家です。大学卒業後に会社勤めを始めますが、退社を専業の作家となりました。重々しいストーリーのミステリー作品を書く作家です。
今回は、読書好き34人におすすめ小説を1冊選んでもらい、その感想をまとめました。結果をランキング形式で紹介します。
1位「乱反射」9票
地方都市に住む幼児が、ある事故に巻き込まれる。原因の真相を追う新聞記者の父親が突き止めたのは、誰にでも心当たりのある、小さな罪の連鎖だった。決して法では裁けない「殺人」に、残された家族は沈黙するしかないのか?第63回日本推理作家協会賞受賞作。
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読者の声
一人一人の小さな罪が重なり、まさに乱反射という言葉がピッタリな作品です。(45歳 女性 自営業)
第63回日本推理作家協会賞受賞作です。長編小説ですが時間を忘れて読むほど面白いです。(50歳 女性 会社員)
誰の周囲の日常にでもある小さな罪が、時として大きな罪になってしまう恐ろしさを描いた描写がぞくぞくしますのでおススメです。(44歳 男性 自営業)
誰もがやってしまう些細な悪事が積み重なって、結果的に一人の子供が命を失う怖さ。(31歳 男性 自営業)
悪気のなかったごくわずかな行いのせいで、事件が起きてしまったという話は自分を見直す機会となる?(25歳 男性 学生)
一人一人の悪意もない何気ない行動が一人の幼児を死に追いやる様に、誰もがわが身を振り返るでしょう。日常で自分の身の回りに起こりうる事で考えられさせます。(42歳 男性 会社員)
愛する息子を失っても、法でさばけない姿の見えない敵との心理的な戦いに、胸が苦しくなります。(37歳 女性 会社員)
倒れた街路樹が直撃した幼い子供の死を紐解いていくことで見えてくる普通の人々の小さな悪にドキリとします。(43歳 女性 主婦・主夫)
一人ひとりの何気ないエゴが少しずつ集積することで、とんでもない事件に繋がってしまうことを、絶妙なタッチで描き切った名作です。(59歳 男性 自営業)
2位「慟哭」6票
連続する幼女誘拐事件の捜査は行きづまり、捜査一課長は世論と警察内部の批判をうけて懊悩する。異例の昇進をした若手キャリアの課長をめぐり、警察内に不協和音が漂う一方、マスコミは彼の私生活に関心をよせる。
こうした緊張下で事態は新しい方向へ!幼女殺人や怪しげな宗教の生態、現代の家族を題材に、人間の内奥の痛切な叫びを、鮮やかな構成と筆力で描破した本格長編。
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読者の声
とある視点で物語が進んでいると見せかけて、実は違う叙述トリックに騙される。(25歳 男性 自営業)
ミステリー小説ですが、最初読んだときは最後まで謎がわかりませんでした。途中で伏線らしきものを感じましたが、最後にあっと声がでてしまうほど見事なストーリになっています。(62歳 男性 会社員)
今までのミステリーではあり得ないドンデン返しがラストで展開されるところ。(70歳 男性 自営業)
タイトル通り、慟哭です。警察官でありながら、宗教にはまって、亡くなった娘を思う気持ちに慟哭してしまいます。(43歳 男性 会社員)
彼の数ある作品の中で、初めに読むとより読書が好きになる魅力があります。(42歳 女性 無職)
最後のどんでん返しがすごかった。見事に騙されてしまって逆に気持ちよかったです。(39歳 男性 無職)
3位「夜想」3票
事故で妻と娘をなくし、絶望の中を惰性でただ生きる雪籐。だが、美少女・天美遙と出会ったことで、雪籐の止まっていた時計がまた動き始める。やがて、遙の持つ特殊な力は、傷ついた人々に安らぎを与え始めるが…。あの傑作『慟哭』のテーマ「新興宗教」に再び著者が挑む。魂の絶望と救いを描いた、渾身の巨篇。
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読者の声
中年男性と女子大生の恋が始めるのかと思いきや、予想と違う展開に驚きました。でも、これも宗教という名の恋愛なのかもしれません。最初から最後まで興味深く読める作品です。(37歳 女性 会社員)
新興宗教が生まれ成熟していく過程が、人生に疲れた中年男性と、物に触れるとその物に籠った想いを読み取れる不思議な能力を持った女子大生の二人を軸に、丁寧に描かれた作品です。(50歳 女性 自営業)
宗教が完成していく流れを鮮明にリアルに描いていました。リアルな描写とキャラクターの背景が分かる明快さもありました。(29歳 男性 無職)
3位「崩れる 結婚にまつわる八つの風景」3票
仕事もしない無責任な夫と身勝手な息子にストレスを抱えていた芳恵。ついに我慢の限界に達し、取った行動は…(「崩れる」)。30代独身を貫いていた翻訳家の聖美。ある日高校の同級生だった真砂子から結婚報告の電話があり、お祝いの食事会に招待されるが…(「憑かれる」)。
家族崩壊、ストーカー、DV、公園デビューなど、現代の社会問題を「結婚」というテーマで描き出す、狂気と企みに満ちた8つの傑作ミステリ短編集。
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読者の声
家庭や結婚など身近なテーマであり、短編集なので軽く読めます。共感したり、人間が怖くなったり、ちょっとホラー入っていたりと飽きさせません。(42歳 女性 会社員)
結婚という生活を舞台にした短編集。主婦からの目線で結婚生活が崩れていくところを描いているところは、考えさせられます。(52歳 男性 会社員)
結婚にまつわる8つのお話の入った短編集です。一つ一つのお話がとても練られていて、考えさせられるもの、ぞっとするものなど、いろいろな話があって面白かったです。(59歳 女性 主婦・主夫)
4位「微笑む人」2票
エリート銀行員の仁藤俊実が、「本が増えて家が手狭になった」という理由で妻子を殺害。小説家の「私」は事件をノンフィクションにまとめるべく取材を始めた。「いい人」と評される仁藤だが、過去に遡るとその周辺で、不審死を遂げた人物が他にもいることが判明し…。戦慄のラストに驚愕必至!ミステリーの常識を超えた衝撃作
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読者の声
ミステリとしては斬新な結末を具体的に描かず読者に委ねてしまうというやり口に魅力を感じた。(29歳 男性 会社員)
エリート銀行員が起こした殺人事件を通して表現する人間の心の裏側と闇。(56歳 男性 無職)
4位「光と影の誘惑」2票
銀行の現金輸送車を襲い、一億円を手に入れろ―。鬱屈するしかない日常に辟易し、二人の男が巧妙に仕組んだ輸送車からの現金強奪計画。すべてはうまくいくかのようにみえたのだが…。
男たちの野望が招いた悲劇を描く表題作ほか、平和な家庭を突如襲った児童誘拐事件、動物園での密室殺人など、名手・貫井徳郎が鮮やかなストーリーテリングで魅せる、珠玉の中編ミステリ4編。
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読者の声
人間の闇が強ければ強いほど否定することはなく描かれて最後にゾッとするがオチもあり面白かった。(48歳 女性 主婦・主夫)
4編が収録されたミステリー作品でラストには予想を裏切る展開が待っていて面白い。(29歳 男性 会社員)
5位「転生」1票
自分に移植された心臓は、ドナーの記憶を持っているのか?移植手術を受けた大学生の和泉は、これまでとは違ってきた自分の趣味や嗜好に戸惑う。突然夢に現れた恵梨子という見知らぬ女性の存在も気にかかりながら心惹かれてゆく。やがて和泉は夢の記憶だけを頼りに、タブーであるドナーの家族との接触を図り、恐るべき近代医学の闇に直面する。
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読者の声
ミステリーか?超常現象か?最後までハラハラした展開の作品に仕上がっていた。(47歳 男性 会社員)
5位「追憶のかけら」1票
事故で愛妻を喪い、失意の只中にあるうだつの上がらない大学講師の松嶋は、物故作家の未発表手記を入手する。絶望を乗り越え、名を上げるために、物故作家の自殺の真相を究明しようと調査を開始するが、彼の行く手には得体の知れない悪意が横たわっていた。二転三転する物語の結末は?著者渾身の傑作巨篇。
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読者の声
主人公が追っていた昭和作家が自殺してしまった原因がやっと分かったくだりが面白かった。(41歳 女性 無職)
5位「神のふたつの貌」1票
―神の声が聞きたい。牧師の息子に生まれ、一途に神の存在を求める少年・早乙女。彼が歩む神へと到る道は、同時におのれの手を血に染める殺人者への道だった。三幕の殺人劇の結末で明かされる驚愕の真相とは?巧緻な仕掛けを駆使し、“神の沈黙”という壮大なテーマに挑んだ、21世紀の「罪と罰」。
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読者の声
いつものミステリではなく、神沈黙をテーマにした作品で、いつもとは違う作者の魅力が見えます。(37歳 女性 自営業)
5位「新月譚」1票
八年前に突然絶筆した作家・咲良怜花は、若い編集者の熱心な復活のアプローチに、自らの半生を語り始める。そこで明かされたのは、ある男性との凄絶な恋愛の顛末だった―。
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読者の声
こんなにせつなくて大人な恋愛小説があるなんて、冗談抜きで、読みだしたらやめられません。時間をおいて何度読み返しても、そのせつなさがまったく色褪せないのも、驚きの小説です。(47歳 女性 パート・アルバイト)
5位「失踪症候群」1票
失踪した若者たちに共通点がある。その背後にあるものを燻り出すべく、警視庁人事二課の環敬吾は特殊任務チームのメンバーを招集する。私立探偵・原田征一郎、托鉢僧・武藤隆、肉体労働者・倉持真栄。
三人のプロフェッショナルは、環の指令の下、警視庁が表立って動けない事件を、ときに超法規的手段を用いても解決に導く。失踪者の跡を追った末、ついにたどり着いた真実とは。悪党には必ずや鉄槌を下す―ノンストップ・エンターテインメント「症候群シリーズ」第1弾!
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読者の声
刑事でありながら、犯罪者ギリギリのラインで動く主人公が魅力的に描かれているところが好きです。(40歳 女性 会社員)
5位「殺人症候群」1票
警視庁内には、捜査課が表立って動けない事件を処理する特殊チームが存在した。そのリーダーである環敬吾は、部下の原田柾一郎、武藤隆、倉持真栄に、一見無関係と見える複数の殺人事件の繋がりを探すよう命じる。
だが倉持は、その依頼を断った。一方看護婦の和子は、事故に見せかけて若者の命を次々に奪っていた。息子の命を救うために。罪はなぜ正当に裁かれないのか。自らの手で悪を裁くのは許されない行為なのか。
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読者の声
テーマの重たさが魅力的ですね。下されない裁き、命を救う復讐等、動機が重たいため、何度か休憩しながら読み終えました。フィクションだからこそ耐えられる残酷さに、是非浸りましょう。(27歳 男性 会社員)
5位「愚行録」1票
ええ、はい。あの事件のことでしょ?―幸せを絵に描いたような家族に、突如として訪れた悲劇。深夜、家に忍び込んだ何者かによって、一家四人が惨殺された。隣人、友人らが語る数多のエピソードを通して浮かび上がる、「事件」と「被害者」。理想の家族に見えた彼らは、一体なぜ殺されたのか。確かな筆致と構成で描かれた傑作。『慟哭』『プリズム』に続く、貫井徳郎第三の衝撃。
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読者の声
複数視点での各人物の話中に描かれる小話が面白いです。また、それがその人物とメインキャラクターの人物描写をうまく表現しています。(33歳 男性 自営業)
5位「我が心の底の光」1票
母は死に、父は人を殺した―。五歳で伯父夫婦に引き取られた峰岸晄は、中華料理店を手伝いながら豊かさとは無縁の少年時代を過ごしていた。心に鍵をかけ、他者との接触を拒み続ける晄を待ち受けていたのは、学校での陰湿ないじめ。だが唯一、同級生の木下怜菜だけは救いの手を差し伸べようとする。
数年後、社会に出た晄は、まったき孤独の中で遂にある計画を実行へと移していく。生きることに強い執着を抱きながらも、普通の人生を捨てた晄。その真っ暗な心の底に差す一筋の光とは!?衝撃のラストが心を抉る傑作長編。
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読者の声
ネグレクトで育った子供の心の中を鋭く書いている。すごく悲しくなる作品ですが、よく考えさせられる作品です。(18歳 男性 学生)
5位「さよならの代わりに」1票
劇団“うさぎの眼”の看板女優が、上演中に控え室で殺害された。事件と前後して現れた、真犯人の存在をほのめかす謎の美少女。駆け出しの僕は、彼女と共に事件の真相を追い始める。彼女に振り回され、時折見せる曖昧な言動に戸惑いながらも、僕は、その不思議な魅力に次第に惹きつけられていく。
しかし、彼女は、誰にも言えない秘密を隠していた―。
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読者の声
貫井徳郎の作品としてはライトで青春小説としても読めるところがオススメ。(57歳 女性 パート・アルバイト)
まとめ
いかがでしたでしょうか。貫井 徳郎のおすすめ小説をランキング形式で紹介しました。ぜひ作品を手に取って読んでみてください。