村上龍は1952年生まれ、デビュー時にはドラッグや暴力などの生々しい描写の作品で世に衝撃を与えました。
小説家でもあり映画監督でもあります。また経済番組カンブリア宮殿でメインキャスターを務めたり、職業紹介本「13歳のハローワーク」を書くなど多方面で活躍しています。
この記事では、読書好き44人に聞いた村上龍おすすめの小説をランキング形式で紹介します。
1位「限りなく透明に近いブルー」13票
米軍基地の街・福生のハウスには、音楽に彩られながらドラッグとセックスと嬌声が満ちている。そんな退廃の日々の向こうには、空虚さを超えた希望がきらめく―。著者の原点であり、発表以来ベストセラーとして読み継がれてきた、永遠の文学の金字塔が新装版に!群像新人賞、芥川賞受賞のデビュー作。
「BOOK」データベース
読者の声
暴力、セックス、ドラッグに明け暮れている若者の話です。荒々しい生活なのにのびやかに自由を満喫している生活に心が惹かれて一気に読んでしまいます。(38歳 女性 会社員）
デビュー作であるにも関わらず芥川賞を受賞したおもしろい作品です。文章の異様な静けさがポイントです。(20歳 女性 学生）
若い頃に読んで感銘を受けました。今では有り得ないセックスとかドラッグとかの描写も出てきますが、それが嫌らしくないし美しい表現のように感じます。登場人物のリリーさんが好きです。(66歳 女性 主婦・主夫）
とても気だるい雰囲気に満ちていますが読んでいると映像が浮かび上がってきて面白かったです。(39歳 男性 パート・アルバイト）
まず題名が綺麗！そして内容は、若者たちの退廃的な生活。なかなかエロチックです。乱交パーティーなど何でもありです。しかし文体は読みやすい。エロチックなものを読みたいが、文学的でなければ、という方におすすめです。(51歳 女性 パート・アルバイト）
若い男女が荒んでいくストーリーで、当時は衝撃的な作品として評価されていました。(65歳 男性 自営業）
主人公リュウが、自分が薬やSEXにはまっていく姿を客観視しながらも、堕ちていく虚しさがなんとも言えない世紀末的な世界観を感じる。(48歳 男性 会社員）
昭和の時代の、過激なアンダーグラウンドの世界観を体験できるところ。(51歳 女性 自営業）
匂いや光、音湿度、音などの比喩が素晴らしく、どんどん引き込まれていく感じが好きです。(44歳 男性 会社員）
デビュー作にして、村上龍の小説を構成する骨格が色濃く表れた、衝動的かつ繊細に描いた小説で、読み物として大変面白い。(30歳 男性 会社員）
最初は若者たちの”怠惰”な情景のみ感じられますが、読み進めていくうちにタイトルの意味”希望”が感じられる濃厚な作品だと思います。(60歳 男性 会社員）
戦後の日本の混沌とした若者たちの青春模様が素晴らしい。セックスとドラッグ、ぼやけた友情と恋物語から浮かび上がるリュウの鋭い感性は、読んでいて爽快感すら感じます。(32歳 女性 パート・アルバイト）
それまでに感じたことのない何とも言えない読後感でした。決してきれいとは言えないない内容なのになぜか不快に感じさせないそれでいて何か胸の奥に残っている不思議な感じでした。(49歳 男性 経営者・会社役員）
2位「コインロッカー・ベイビーズ」8票
一九七二年夏、キクとハシはコインロッカーで生まれた。母親を探して九州の孤島から消えたハシを追い、東京へとやって来たキクは、鰐のガリバーと暮らすアネモネに出会う。キクは小笠原の深海に眠るダチュラの力で街を破壊し、絶対の解放を希求する。毒薬のようで清清しい衝撃の現代文学の傑作が新装版に。
「BOOK」データベース
読者の声
実はSFの要素も入ったダークファンタジー。イメージも鮮烈な作品です。(52歳 男性 会社員）
アンチの方に読んでほしい1作。特にデビュー作の限りなく透明に近いブルーで嫌になった人にぜひ読んでいただきたいです。他にもタナトス、メランコリア、エクスタシーの三部作もおすすめですが、まずは初期の荒さが残るこちらから入るのがいいかと思います。(33歳 女性 パート・アルバイト）
近未来的ハードボイルドというか、いろんな原作が映画化されてますが、何故これにしないかという名作。(50歳 男性 会社員）
自分の人生の中では起き得ない、スリル感を体感することができます。(33歳 女性 自営業）
読み始めから、心をぐっと捕まれ、破壊的かつ混沌とした中に美しさがあると感じさせるところが好きなポイントです。難しいと思うかもしれませんが、生きることの哀しさと強さが無駄のない文章の中に詰め込まれている、文章だけど映像的なところがおすすめポイントです。(53 女性 無職）
荒々しく表現された文章は重いテーマに拍車をかけ、主人公たちの心の声を訴えかけてきます。衝撃を受けます。(35歳 女性 会社員）
完全にSFですが、作者の若くて瑞々しかった頃の感性が切ないほど感じられます。書かれた年代、読んだときの自分の年齢もあるとは思いますが、読後に「この一冊で村上龍は素晴らしい作家だ」と断言できるぐらいの感動でした。一番印象的なのはキクが刑務所から走り高跳びで脱走するシーンです。(55歳 女性 自営業）
二人のコインロッカーで発見された子供の生きざまがいいです。少し難解ではありますがじっくりと読むととても深いです。(49歳 女性 自営業）
3位「69 sixty nine」5票
1969年、東京大学は入試を中止した。人々はビートルズに熱狂し、世論はベトナム戦争に揺れていた。僕は長崎県佐世保市、基地のある町に暮らす高校三年生。なにか面白いことをしたい、みんなを驚かせたい、女の子にモテたい! ただそんな気持ちから、僕は仲間たちと一緒に学校をバリケード封鎖した―。爆発しそうな衝動と真っ直ぐな心をあわせ持った高校生たちを描く、青春小説の金字塔。
「BOOK」データベース
読者の声
60年代の10代の若者の青春が詰まった作品で、自分の知らない世代のはずなのにどこか懐かしさを感じられるところが好きです。(33歳 男性 パート・アルバイト）
時代背景は全共闘時代ですが、青春小説といった感じでどの時代の若者でも共感できる若者心理を追体験できて楽しい。(33歳 男性 無職）
ケンが女の子の気を引くために、学校のバリケード封鎖をしたり今しかできないことをやってのけるのが、痛快で楽しいです。次はどんなことをするんだろうとわくわくしながら読めるのでおすすめです。また、映画化もされてるのでこちらも面白かった。(45歳 女性 パート・アルバイト）
これを読んだのは学生の時でしたが、とにかく笑い転げました。それを大人になった今でもよく覚えています。こんなに笑える小説って他にはありません。笑ってスッキリしたい人にお勧めです。(47歳 女性 主婦・主夫）
村上龍の若かりし頃の青春痛快を描いている不器用な恋愛の形や６９年を知る人には懐しい気持ちになれる。(48歳 女性 主婦・主夫）
4位「タナトス」3票
「狂おしいのに、彼へのこの憎悪はナニ?私、人生にサヨナラしたほうがいいの」熱帯のキューバで、レイコは性の極限へと導かれていく。独白小説の最高傑作!狂気から破壊へ。最新長編小説。
「BOOK」データベース
読者の声
勉学になるので会社員の方や学生の方や勉学を行いたい方にお勧めだと思います。(28歳 女性 会社員）
女性の性的欲望や、感情が描かれており、興味がそそられる作品だからです。(39歳 男性 会社員）
性描写が生々しく描かれ、スピード感のあるストーリーがどんどん読み進められます。(47歳 男性 自営業）
4位「愛と幻想のファシズム」3票
激動する1990年、世界経済は恐慌へ突入。日本は未曽有の危機を迎えた。サバイバリスト鈴原冬二をカリスマとする政治結社「狩猟社」のもとには、日本を代表する学者、官僚、そしてテロリストが結集。人々は彼らをファシストと呼んだが…。これはかつてない規模で描かれた衝撃の政治経済小説である。
「BOOK」データベース
読者の声
初めて読んだのは高校生のころですが、何度読み返しても近未来的でぞっとします。(47歳 女性 自営業）
人間が狩猟生活をしていた頃の世界。独裁者としてのカリスマ的な力を発揮していくのがこの小説にのめり込んでいきました。(41歳 女性 主婦・主夫）
強烈なカリスマ性を備えたトウジという若者が日本のトップに立ち世界を手玉にとるストーリーは痛快でした。(42歳 男性 自営業）
4位「五分後の世界」3票
読者の声
戦いの様子がリアルに描かれていて読んでいると引き込まれるのでおすすめです。(26歳 女性 パート・アルバイト）
第二次世界大戦後、ひょっとしたら、この小説の世界のように日本は分割され勝戦国に分割統治されていたかもしれず、こうなっていた可能性もあったんだろうなと思い読みました。(36歳 男性 会社員）
特徴として、明確な物語の結末がないのが村上作品らしくて、お薦めです。(42歳 男性 会社員）
5位「半島を出よ」2票
北朝鮮のコマンド9人が開幕戦の福岡ドームを武力占拠し、2時間後、複葉輸送機で484人の特殊部隊が来襲、市中心部を制圧した。彼らは北朝鮮の「反乱軍」を名乗った。財政破綻し、国際的孤立を深める近未来の日本に起こった奇蹟。
「BOOK」データベース
読者の声
北朝鮮の工作部隊が福岡に上陸、急襲するというリアルなフィクションの世界を描く。理不尽な世界を透徹した眼差しで描いた傑作。大胆なストーリーと精緻な描写がノンフィクションを思わせる作品です。(46歳 女性 会社員）
北朝鮮が日本を攻めてくるという近未来パニックサスペンスで村上龍には珍しいタイプの作品ですが読みだしたら止まらないほど面白いです。(48歳 男性 自営業）
6位「村上龍映画小説集」1票
村上龍の『69』以後、’70年代のほろ苦い青春を描く。基地の街から出てきた東京は、ひどく退屈で、やるべきことは何も見つからなかった。麻薬とセックスと音楽に明け暮れた日々の中で、映画は強烈な魅力にあふれていた―。
Amazon
読者の声
他の村上龍の小説と比較して明るく、映画作品の感想と若者の日常が交差した短編で読みやすいです。(46歳 女性 自営業）
6位「ラッフルズホテル」1票
不思議な感性をもつ謎めいた女優、萌子とベトナム戦争の影をひきずるカメラマン狩谷。「お前はジャングルに咲く野生の蘭のようだ」。狩谷のことばが萌子の胸に響く。すべてをすてた萌子の愛の追跡。シンガポールの夜に煌めく、純粋な愛。ピュアな90年代ヒロインを誕生させた恋愛長編小説。
Amazon
読者の声
シンガポール旅行から帰ってきた直後にこの作品を知り拝読しました。力強い男性を上回る女性の強さを描く作品です。(25歳 男性 会社員）
6位「希望の国のエクソダス」1票
2002年秋、80万人の中学生が学校を捨てた!経済の大停滞が続く日本で彼らはネットビジネスを開始、円圏を巡るアジア通貨危機では、情報戦略を駆使して意外な結末をもたらす。その後、全世界の注目の中で、彼らのエクソダス(脱出)が始まった―壮大な規模で現代日本の絶望と希望を描く最新長編。
「BOOK」データベース
読者の声
日本各地で一斉にテロを起こした未成年者たち。旧体制、大人の支配から解放された子供たちが日本を立て直していく。2000年に単行本化させれいますが、今の日本との通じる経済感と企業スタイルが描かれています。(30歳 男性 会社員）
6位「テニスボーイの憂鬱」1票
地主の一人息子の青木はステーキ屋の経営も、妻子も二の次というほどのテニス狂。彼はCMモデルの吉野愛子と熱烈な恋に落ちるが、先のない恋愛に疲れた彼女は、青木のもとを去る。しかし落ち込む間を惜しむかのように、彼はサイパンで出会った本井可奈子に一目惚れしてしまう…。
熱狂できることが大好きな男女の、おかしくて少し哀しい傑作長編。
「BOOK」データベース
読者の声
仕事も家庭も充実して幸せな生活を手に入れているのに不倫でジタバタともがく姿がリアルで面白いです。(51歳 女性 パート・アルバイト）
6位「だいじょうぶマイ・フレンド」1票
夢と希望をのせて、異星人が舞い降りた…。超能力をもつゴンジーとミミミ、ハチ、モニカの3人の若者が世界支配をたくらむ悪のシンジケートに挑む。心温まるSFファンタジー。
Amazon
読者の声
映画にもなった原作小説。映画で広田レオナが、おしげもなく奇麗な胸を出していて驚いた。(58歳 男性 会社員）
6位「共生虫」1票
一人の引きこもりの青年が体内に共生虫を飼っている。…絶滅をプログラミングされた種は、共生虫の終宿主となる。ある種が自ら絶滅をプログラミングするということは、生態系の次の段階を準備するということでもある。
例えば恐竜の絶滅は次の生命環境のために、つまり次代の全生物の共生のために不可欠だった。共生虫は、自ら絶滅をプログラミングした人類の、新しい希望とも言える。共生虫を体内に飼っている選ばれた人間は、殺人・殺戮と自殺の権利を神から委ねられているのである。
「BOOK」データベース
読者の声
精神病の若者男性がどんどんネット社会の悪に引き込まれていく物語です。(22歳 女性 学生）
6位「最後の家族」1票
引きこもりを続け家族に暴力を振るう二十一歳の秀樹。援助交際で男と出会う女子高生の知美。若い男と不倫をする昭子。会社からリストラされる秀吉。過酷な現実にさらされ崩壊へと向かう内山家。一人ひとりはどうやって生き延びていくのか?家族について書かれた残酷で幸福な最後の物語。テレビドラマ化もされたベストセラー
「BOOK」データベース
読者の声
色々な悩みや闇を抱えている４人の家族が各視点のエピソードがあり、すごく深くて切なくて色々考えさせられる物語で好きです。(25歳 女性 パート・アルバイト）
まとめ
いかがでしたでしょうか。村上龍のおすすめ小説をランキング形式で紹介しました。ぜひ作品を手に取って読んでみてください。