北村薫は推理作家。大学卒業後に高校で国語教師をしながら、1989年に覆面作家として「空飛ぶ馬」でデビューしました。若い女性を主人公としたミステリー作品に人気があります。
今回、北村薫の作品でおすすめの1冊を投票してもらい、その結果をまとめました。ランキング形式で北村薫のおすすめ作品を紹介します。
1位「スキップ」13票
昭和40年代の初め。わたし一ノ瀬真理子は17歳、千葉の海近くの女子高二年。それは九月、大雨で運動会の後半が中止になった夕方、わたしは家の八畳間で一人、レコードをかけ目を閉じた。目覚めたのは桜木真理子42歳。夫と17歳の娘がいる高校の国語教師。
わたしは一体どうなってしまったのか。独りぼっちだ―でも、わたしは進む。心が体を歩ませる。顔をあげ、『わたし』を生きていく。
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読者の声
タイムトラベラー的なものの代表作でいうなら、これが読みやすかった。(40歳 女性 主婦・主夫)
17歳の少女が突然42歳になるという斬新なストーリーが好きで、昭和と平成をまたぐ真理子の姿に心惹かれた。(20歳 女性 学生)
17歳の女子高生が突然25年後にスキップして人生を送る物語。読む人の立場によって考えさせられることが変わると思います。(25歳 男性 会社員)
17歳の主人公が目が覚めたら42歳になってて家族もいるっている驚きが面白いポイントです。(35歳 女性 主婦・主夫)
時間というどうしようもないものに翻弄されながらも前向きに生きていく主人公の姿に感動しました。(44歳 男性 会社員)
女子高生が目が覚めると突然25年後の世界の別人になっていたという不可思議な設定から始まる物語の魅力。(56歳 男性 無職)
最後の主人公の選択が、切なさを感じるとともに、前向きでもあり心が温かくなる小説。(42歳 女性 会社員)
17歳の子が寝ていて目を覚ますと25年後になっていて、すごく興味深い内容となってます。(28歳 女性 パート・アルバイト)
人生とは何かということを考えさせてくれるような作品です。今生きている若い時間を大切にしたいと思わせてくれます。(20歳 女性 学生)
高校生の一ノ瀬真理子が目覚めたら42歳の桜木真理子にスキップしている話。(35歳 女性 主婦・主夫)
高校生だった主人公が15年後の自分のスキップしてしまうという設定が面白かったです。高校生との自分と40代の自分のとのギャップに戸惑う感じが見どころです。(39歳 女性 主婦・主夫)
タイムリープ系の物語が好きだったから。さらにいえばか登場人物の描写が好きです。(29歳 男性 会社員)
タイムスリップモノですが過去ではなく、未来に行くというのが面白いです。さらに高校生という様々なことを考える年代にスポットにあてているのもよかったです。(38歳 男性 会社員)
2位「ターン」8票
真希は29歳の版画家。夏の午後、ダンプと衝突する。気がつくと、自宅の座椅子でまどろみから目覚める自分がいた。3時15分。いつも通りの家、いつも通りの外。が、この世界には真希一人のほか誰もいなかった。
そしてどんな一日を過ごしても、定刻がくると一日前の座椅子に戻ってしまう。いつかは帰れるの?それともこのまま…だが、150日を過ぎた午後、突然、電話が鳴った。
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読者の声
同じ一日を繰り返すという世界で、どうにか元の世界に戻ろうと頑張る主人公の姿に心打たれます。(26歳 男性 パート・アルバイト)
どこまでも静かに淡々と物語が進んでいく。穏やかで静謐な世界観が美しい。(26歳 男性 パート・アルバイト)
時と人の3部作と呼ばれる中の作品。助かったはずが自分しかいない世界に迷い込み無意味に時間ばかりが好きていくことで、逆に時間の価値に気づかされる作品。(41歳 男性 パート・アルバイト)
ストーリーが素敵でとても話にのめり込めるような内容。物の考え方など色々と教えてもらえるそんな本です。(18歳 男性 学生)
不思議な話ではじめは少し読みにくかったが途中から話の世界に没頭してしまった。読み終えて「自分ならどうなんだろう」という余韻が残る作品。高校時代に読んだが歳を重ねて読んでも同じ感想を持った。北村作品は文章が繊細だと感じる。(54歳 男性 パート・アルバイト)
毎日同じ時を繰り返す一人ぼっちになってしまった女性の日常がたんたんと綴られていますが、急に電話が鳴った展開から読み応えがあり、面白くなるから。読みやすいのもいいです。(45歳 女性 パート・アルバイト)
交通事故にあった主人公が同じ時間を繰り返す、タイムパラドックスをテーマにした不思議な作品(39歳 男性 会社員)
ループもののミステリーで、読んでいてハラハラする。主人公の切なさか心に響く。(25歳 女性 会社員)
3位「空飛ぶ馬」8票
女子大生と円紫師匠の名コンビここに始まる。爽快な論理展開の妙と心暖まる物語。
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読者の声
大学で日本文学を学ぶ『私』と、落語家円紫さんとの交流を通して描かれる謎解きのミステリー要素のある面白さと、『私』の成長を楽しむことができる点。(27歳 男性 会社員)
とても丁寧に書かれているので、読んでいてとても心地よくなります。(38歳 男性 会社員)
殺人事件などではなく日常のちょっとした不思議を解決するストーリーが優しい。落語を聞きに行きたくなります。(37歳 女性 主婦・主夫)
円紫さんシリーズ。主人公の成長も全体を通して描かれています。(45歳 男性 会社員)
日常にあるミステリー、人が亡くなったりするような大きな事件は起こらないが日常にあるちょっとしたミステリーが面白い。(40歳 女性 会社員)
人が死なないミステリーという感じで人の悪意や嫉妬などがリアルに生々しく描かれる辛辣なストーリー。(27歳 女性 主婦・主夫)
不思議と暖かい気持ちになれるミステリー作品ですが、青春要素も含まれているという点がおすすめです。(20歳 女性 学生)
「砂糖合戦」は、決して大きな事件ではない日常の中の謎を鮮やかに解き明かしていく「円紫さん」シリーズの一冊目、短編集『空飛ぶ馬』の中の一篇です。謎の提起とその理由が秀逸。(35歳 男性 会社員)
4位「リセット」4票
遠く、近く、求めあう二つの魂。想いはきっと、時を超える。『スキップ』『ターン』に続く《時と人》シリーズ第三弾。
「——また、会えたね」。昭和二十年五月、神戸。疎開を前に夢中で訪ねたわたしを、あの人は黄金色の入り日のなかで、穏やかに見つめてこういいました。
六年半前、あの人が選んだ言葉で通った心。以来、遠く近く求めあってきた魂。だけど、その翌日こそ二人の苛酷な運命の始まりの日だった→←流れる二つの《時》は巡り合い、もつれ合って、個の哀しみを超え、生命と生命を繋ぎ、奇跡を、呼ぶ。
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読者の声
幸せな気分になる作品だし不幸せな方でも幸せになる気持ちになります。(28歳 女性 会社員)
太平洋戦争の末期頃を舞台とした少しもどかしい恋心を題材にした古き良き風情をもはわせた切ない空虚な感じに読み応えがあります。(35歳 男性 会社員)
SF要素のある恋愛小説が好きな人、優しい雰囲気の小説が好きな人にはおすすめです。すれ違いが続くけれど、だからこそラストにカタルシスがあります。(37歳 女性 会社員)
何を言ってもネタバレになってしまうのですが、絶対に後悔はしないので読んでほしいです!私は自分の子供や、大切な人にも読んでほしい。これ以上ない人生への祝福の小説だと思います。(28歳 女性 会社員)
5位「覆面作家は二人いる」3票
19歳でデビューした覆面作家の正体は、大富豪のご令嬢・新妻千秋。天国的な美貌と明晰な頭脳の持ち主、さらに可憐な性格―と思った担当編集者の岡部良介だったが、ある事件の話をしたことからお壌様の意外すぎる顔を知ることに!
殺人現場から消えたプレゼント、あっけなく解決し女児誘拐事件、警報は鳴るのに品物が消える万引き…2人を取りまく謎は鮮やかに解き明かされる。名作ミステリ、挿絵収録の完全保存版!
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読者の声
覆面作家である千秋が見せる家での顔と外での顔のギャップが面白いし、北村さんらしい日常ものの推理も冴えていると思います。(55歳 男性 会社員)
なんといってもヒロインの性格が可愛い。内弁慶の逆で、内では借りてきた猫、外ではサーベルタイガーと表現されるヒロインは一見の価値があると思います、きっとファンになります。(49歳 男性 パート・アルバイト)
編集者とミステリー作家が二人三脚で事件を解決してゆくバディ物のような展開が面白い。(48歳 男性 パート・アルバイト)
6位「六の宮の姫君」2票
最終学年を迎えた「私」は卒論のテーマ「芥川龍之介」を掘り下げていく一方、田崎信全集の編集作業に追われる出版社で初めてのアルバイトを経験する。その縁あって、図らずも文壇の長老から芥川の謎めいた言葉を聞くことに。「あれは玉突きだね。…いや、というよりはキャッチボールだ」―王朝物の短編「六の宮の姫君」に寄せられた言辞を巡って、「私」の探偵が始まった…。
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読者の声
シリーズを通して魅力的な円紫さんと「私」の清々しい交流はもちろん、芥川龍之介の自殺と言う日本文学史における一大事件を独自視点で解釈していく……日常劇でありながら推理ものという新ジャンルは文学好きの必読です。(33歳 女性 パート・アルバイト)
学問の豊かさ、知るということの素晴らしさを再認識できる小説です。点と点がつながって線になったときの興奮といったら!芥川龍之介、菊池寛が好きな方には特におすすめです。(24歳 女性 学生)
6位「夜の蝉」2票
呼吸するように本を読む主人公の「私」を取り巻く女性たち―ふたりの友人、姉―を核に、ふと顔を覗かせた不可思議な事どもの内面にたゆたう論理性をすくいとって見せてくれる錦繍の三編。色あざやかに紡ぎ出された人間模様に綾なす巧妙な伏線が読後の爽快感を誘う。第四十四回日本推理作家協会賞を受賞し、覆面作家だった著者が素顔を公開するきっかけとなった第二作品集。
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読者の声
円紫さんと私シリーズの始まりで日常納品中にあるミステリーという分野を確立した作品です。(59歳 女性 パート・アルバイト)
日常に潜む不思議な出来事が、一つの推理小説になっています。 とても分かりやすく、引き込まれました。(28歳 女性 会社員)
6位「盤上の敵」2票
我が家に猟銃を持った殺人犯が立てこもり、妻・友貴子が人質にされた。警察とワイドショーのカメラに包囲され、「公然の密室」と化したマイホーム!末永純一は妻を無事に救出するため、警察を出し抜き犯人と交渉を始める。はたして純一は犯人に王手をかけることができるのか?誰もが驚く北村マジック。
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読者の声
主人公の心理描写がうまく、手に汗握る怒涛の展開で物語が進んでいくのが面白い。ラストは驚かされることは間違いない。(46歳 女性 主婦・主夫)
これまでの北村作品とは違った、イヤミスっぽい雰囲気。重いテーマではありますが、とても引き込まれる作品でした。(34歳 男性 会社員)
6位「鷺と雪」2票
昭和十一年二月、運命の偶然が導く切なくて劇的な物語の幕切れ「鷺と雪」ほか、華族主人の失踪の謎を解く「不在の父」、補導され口をつぐむ良家の少年は夜中の上野で何をしたのかを探る「獅子と地下鉄」の三篇を収録した、昭和初期の上流階級を描くミステリ“ベッキーさん”シリーズ最終巻。第141回直木賞受賞作。
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読者の声
ベッキーさんシリーズの最終作品に位置します。ベッキーさんシリーズ自体は昭和初期の上流社会を中心に華やかな世界と、戦争の少しきな臭いにおいが混じったなんとも言えない雰囲気がある作品です。この作品の最後の場面は、読者全員が「はっと」させられることでしょう。(38歳 男性 会社員)
謎解きがあり、面白い。最後まで目が離せない。一気に最後まで読める。(41歳 女性 主婦・主夫)
7位「野球の国のアリス」1票
春風に誘われたような気まぐれから、アリスは新聞記者の宇佐木さんのあとを追い、時計屋の鏡の中に入ってしまった。その日は夏休みの「全国中学野球大会最終戦」の前日。少年野球のエースだった彼女は、負け進んだチーム同士が戦う奇妙な大会で急遽投げることになる。美しい季節に刻まれた大切な記憶の物語。
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読者の声
子ども向けに書かれた作品なので読みやすい。それでいて、大人が読んでも楽しめると思います。アリス要素と、野球が見事に融合していて楽しめました。(35歳 女性 無職)
7位「月の砂漠をさばさばと」1票
9歳のさきちゃんと作家のお母さんは二人暮し。毎日を、とても大事に、楽しく積み重ねています。お母さんはふと思います。いつか大きくなった時、今日のことを思い出すかな―。
どんな時もあなたの味方、といってくれる眼差しに見守られてすごす幸福。かつて自分が通った道をすこやかに歩いてくる娘と、共に生きる喜び、切なさ。やさしく美しいイラストで贈る、少女とお母さんの12の物語。
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読者の声
無理矢理で押し付けがましくない優しさや温かさだったりを感じられる。(20歳 女性 無職)
7位「飲めば都」1票
人生の大切なことは、本とお酒に教わった―日々読み、日々飲み、本創りのために、好奇心を力に突き進む女性文芸編集者・小酒井都。新入社員時代の仕事の失敗、先輩編集者たちとの微妙なおつきあい、小説と作家への深い愛情…。
本を創って酒を飲む、タガを外して人と会う、そんな都の恋の行く先は? 本好き、酒好き女子必読、酔っぱらい体験もリアルな、ワーキングガール小説。
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読者の声
主に主人公のお酒での失敗談。笑って軽く読める内容ですが、編集者の仕事を垣間見れたりと興味深い小説です。登場人物はみんな個性的なのにどこかリアルで、違和感なく読めるのも作者の筆力だなあと思います。(28歳 女性 パート・アルバイト)
7位「ひとがた流し」1票
十代の頃から、大切な時間を共有してきた女友達、千波、牧子、美々。人生の苛酷な試練のなかで、千波は思う。「人が生きていく時、力になるのは自分が生きていることを切実に願う誰かが、いるかどうか」なのだと。幼い頃、人の形に作った紙に願い事を書いて、母と共に川に流した…流れゆく人生の時間のなかで祈り願う想いが重なりあう―人と人の絆に深く心揺さぶられる長編小説。
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読者の声
一歩一歩足元を踏みしめるように生きている等身大の女性たちの心と交流が胸にしみてきます。(50歳 女性 主婦・主夫)
7位「いとま申して」1票
父が遺した日記に綴られていたのは、旧制中学に学び、読書と映画を愛し、創作と投稿に夢を追う父と友人たちの姿だった。そして彼らが夢を託した雑誌「童話」には、金子みすゞ、淀川長治と並んで父の名が記されていた―。著者の父の日記をもとに、大正末から昭和初年の主人公の青春を描く、評伝風小説。
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読者の声
北村薫さんのお父様がモデルとなっている作品で、大正ロマンあふれるノスタルジックな内容でお勧めです。(35歳 男性 会社員)
まとめ
いかがでしたでしょうか。北村薫のおすすめ小説をランキング形式で紹介しました。ぜひ作品を手に取って読んでみてください。