森村誠一おすすめ小説16選【読書好き46人の声を集めました】

森村誠一1933年生まれ、推理小説や時代小説を手がける作家です。

1969年にホテルを舞台にしたミステリー小説「高層の死角」で、江戸川乱歩賞を受賞。ここからミステリー作家として活躍し始めます。

今回、読書好きの方々にアンケートをとり、森村誠一の作品から1冊を選んで感想を書いてもらいました。その結果をランキング形式でお伝えします。

1位「人間の証明」18票

「母さん、僕のあの帽子、どうしたでせうね?」。西条八十の詩集を持った黒人が、ナイフで胸を刺されて殺害された。被害者は「日本のキスミーに行く」と言い残して数日前に来日したという。

日米合同捜査が展開され、棟居刑事は奥深い事件の謎を追って被害者の過去を遡るが、やがて事件は自らの過去の因縁をも手繰り寄せてくる―。人間の“業”を圧倒的なスケールで描ききった、巨匠の代表作にして不朽の名作。

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読者の声

人の業や因果応報といった仏教的なテーマをアメリカと日本の二カ所を舞台に平行線として描いているところ。(57歳 男性 自営業)

推理小説でありながら、人間の逃れられない性を描いている作品でもあると思います。(53歳 女性 公務員)

映画やドラマにもなった、日米両国で繰り広げられる森村誠一ならではのサスペンス小説(30歳 女性 会社員)

凄く切ない話にめちゃめちゃ引き込まれました。地位と名誉を?んだ女性評論家には、進駐軍の黒人兵との間に隠し子が???。そしてその子が成長し、母を訪ねてアメリカから訪ねて来た時、彼女は人間を喪失したのです。彼女が人間の証明を得るのは、全ての名誉と地位を喪った時だったのです。「母さん、僕のあの帽子、どうしたでしょうね?」このフレーズが忘れられません。(52歳 男性 主婦・主夫)

読んだ当時は、登場人物の背景が複雑に絡みあい、よくわからなかったが、映画を見たりして、人間の情、哀しさ、想いが少しづつわかり、麦わら帽子が谷底に消えて行く描写で、胸に深く迫るものがあった。(54歳 男性 会社員)

中学時代に小説を読み、映画も見ました。人種差別、貧富差別の問題を盛り込みながら、人としてのあり方、生き方を提示している点が当時すごく印象に残ってます。また、殺された黒人青年は母への愛、母親は自分の息子を守ろうとする息子への愛、様々な愛が絡み合い事件が進展していた点も良かったです。(55歳 男性 自営業)

殺人事件を取り扱いながら、人間模様や親子の悲しい絆について言及、それでいて推理要素もたっぷり入っている名作で、おすすめの小説です。(56歳 男性 自営業)

はじめには想像できない犯人。社会的な背景などもあいまって、とても勉強になった。(56歳 女性 会社員)

推理小説でありながら、小説全体に哀愁が漂う雰囲気が好きです。子供に手をかけてしまう母親が切な過ぎます。(51歳 女性 主婦・主夫)

推理小説としての謎解きの面白さ、ストローハットからホテルを推理していくところなどは推理の醍醐味を感じた。それに加えて母子愛の物語としても大変感動した。(56歳 女性 公務員)

胸にナイフが刺さったままエレベーターに乗り込み息絶えた外国人の殺害をめぐる推理小説。(27歳 女性 主婦・主夫)

人の死を通じて人間性をテーマにしている作品ですが、重すぎない内容となっているところがポイントです。(42歳 男性 会社員)

まず、冒頭の事件の始まり方に一気に引き込まれました。この作品は、ミステリーでありながら家族や人間性について考えさせられる所が好きです。読み終えたあとに表紙を見返すと、なんとも言えない切なさが込み上げてきます。(24歳 女性 会社員)

このタイトルが示すとおり、事件の謎を解くミステリーにとどまらず、心を持った人間としてのあり方も大きなテーマになっているところがとても良かった。真相が分かった後も考えさせられる内容だった。日本とアメリカで同時進行する捜査と、一見関わりがなさそうな二人の刑事が、実は意外なところで?がっている事が判明し、最後の最後で驚かされた。(44歳 女性 主婦・主夫)

全体的に、どうしようもないほどの虚しさが残る場面が多いと思いますが、そこがよく何度も読んでしまいます。映像化もよくされていてどれを見ても面白いのですが、小説で読むと麦わら帽子の詩がよりいっそうグッときます。(50歳 女性 パート・アルバイト)

人間としてあるべき姿を問いかける作品であると感じます。映画を皮切りに何度もドラマ化されていますが、どの時代においても人間自体は変わらないからではないかと思います。(48歳 女性 会社員)

「麦わら帽子」という誰もが幼年時代の郷愁を呼び戻されるモチーフに一気に引き込まれていき、息子の母親を思う気持ちと母親の名誉を守るための酷薄な心との対比が胸を打つさくひんです。(69歳 女性 経営者・会社役員)

来日した黒人がホテルのエレベーターで胸を刺されて亡くなり、刑事さんが調べてみると「ストーハ」と言っていたのを聞いて犯人を調べ上げる推理小説です。(58歳 女性 主婦・主夫)

映画化されたほど面白い推理小説で、ホテルのエレベーター内で胸を刺された黒人が乗り込んできたことから事件が始まります。(60歳 女性 パート・アルバイト)

2位「野性の証明」6票

山村で起こった大量殺人事件の三日後、集落唯一の生存者の少女が発見された。少女は両親を目前で殺されたショックで“青い服を着た男の人”という以外の記憶を失っていた。多くの人命を奪った事件であったが、まったく手がかりは残されていなかった。

しかし意外な所から、事件の糸口が見つかり…。人間の心奥に潜んだ野性を鋭く追求し、映画化され大反響を呼んだ傑作“証明”シリーズ。

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読者の声

主人公・味沢がなぜ少女を引き取ったのか?その村を襲ったのは何故か?味沢自身の心の中にのみ隠された真実があった。少女の為に心に収める。(55歳 男性 自営業)

昔、映画化話題となりました。主演高倉健、薬師丸ひろ子です。過疎の村で発生した殺人事件が以外な展開となります。事件の手掛かりがないなか、数日後一人の生存者である少女が見つかりますが、記憶がありません。この深層を掴むため、警察、自衛隊と関係しますが過疎で発生した事件性ゆえ難題がおこり真実に到達しませんが、エンディングは衝撃でした。「野生」の意味がわかります。(54歳 男性 会社員)

自衛隊を退職し少女と暮らす男に、事件の不正に対処しようとするが、殺人をしてしまい、自衛隊の演習地に連れていかれる。 そこで味沢の能力を発揮する。(53歳 男性 公務員)

映画にもなった作品です。小説の世界観がとてもよく、各組織の詳細もよく書かれており物語に引き込まれます。何より血の繋がりがなく、まして、裏のある親子関係、主人公の心の動きに引き込まれます。(54歳 男性 会社員)

とある村における大量殺人が描かれていく少し奇抜なところも見受けられるミステリー作品です。ちょっと荒い表現があるものの噛み締めて楽しめる部分は大いにあります。(35歳 男性 会社員)

インパクトのあるミステリー事件が個性的で面白いと思う作品でした。(23歳 男性 パート・アルバイト)

3位「終着駅」4票

「成功」を夢見る人々の集う終着駅・新宿。美貌を頼りに上京した女性、野望を抱く若者、金策にあえぐ会社経営者たちの思惑が絡み合い、いくつもの犯罪が引き起こされる中、牛尾刑事が事件の謎を追う――。

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読者の声

「成功」を夢見る人々の集う終着するお話が好きです、とても分かりやすく。(20歳 男性 経営者・会社役員)

緻密に練られたトリックの数々や張り巡らされた伏線の回収が見事なところ。(20歳 女性 無職)

それぞれにとっての成功を夢見て上京した野望を抱く若者や美貌を備えた女、金策にあえぐ経営者が終着駅新宿にて犯罪に手を染める。(25歳 男性 会社員)

新宿がトリガーになる人間模様と牛尾刑事の姿がとにかくひきこまれる。(47歳 男性 会社員)

4位「星の陣」3票

不条理な事件で娘を亡くし、街でその面影を探す毎日の旗本良介。ある日、偶然娘と同じ名の女美雪と出会う。彼女は年老いた旗本を父のように慕い、彼も次第に心を取り戻していく。

だが、美雪の美しさに目をつけた街を牛耳る暴力団黒門組が、彼女を拉致し殺害する。旧陸軍で中隊長だった旗本は、終戦直後に埋めた武器を掘り出し、かつての部下たちを集め復讐を誓うが…。

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読者の声

ノスタルジックな前半部分と、そこからどんどん迫力が増して冒険活劇のようになっていくというストーリー展開が非常に面白い作品です。爽快感も味わえて、ラストの結末にも大満足できるというのがポイントです。(20歳 女性 学生)

迫力のある展開が読んでいてグイグイ引き込まれていきとても夢中になれます。(38歳 男性 会社員)

先の大戦で生き残り、後は枯れるのを待つだけだったじいちゃん達が、ある日良くしてくれた女性を手に掛けた暴力団と武器を手に取りバトルする。いろいろツッコミどころもありますが、じいちゃんたちが大暴れするのが楽しいです。(40歳 女性 パート・アルバイト)

4位「高層の死角」3票

東京の巨大ホテルの社長が堅牢な密室で刺殺された。捜査線上に浮かんだのは、事件の夜に刑事の平賀とベッドをともにしていた美しき社長秘書。状況証拠は秘書と事件の関係を示していたが、間もなく彼女も福岡で死体となって見つかった。

なぜ彼女は社長殺しを計画し、東京から遠く離れた福岡で殺されたのか。愛した女性の真実を求め、平賀の執念の捜査が始まる―。鮮やかなアリバイ崩しが光る、江戸川乱歩賞受賞の傑作。文庫書き下ろし短編収録!

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読者の声

突飛な推理ではなく、刑事たちによって地道に積み重ねられていくアリバイ崩しの過程がとても面白い傑作小説です。(55歳 男性 会社員)

ドラマ化もされた作品で、刑事が自分の刑事としたの職責と恋人への愛情の狭間でもがく物語で読み応えがある作品です。(48歳 男性 会社員)

ホテルで起こった殺人事件を捜査する刑事たちの苦闘を描いた推理小説で奥深い(39歳 男性 会社員)

5位「ファミリー」2票

最愛の恋人を不慮の交通事故で亡くした傷心の弓子は、数か月後、上司の薦めで見合いをし、結婚した。優しい夫と、理想的とも思える仲の良い家族関係。彼女はとても幸せだった。

だが、しばらくすると、少しずつ微妙な違和感を覚え始めた。家族間の円満さの裏側に異常を感じたのだ。そして、それは彼女の胸の中で次第に膨れ上がっていった…。

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読者の声

ミステリーとホラーのハーフ、というような物語がとても面白いです。ただの怖い系ホラー小説ではなくミステリーなので、しっかり最後に謎の答え合わせもあるのが満足度が高いです。(30歳 女性 主婦・主夫)

サスペンスと言うより、ホラーな作品です。ヒロインの女性にかかわっている人が次々と殺されていく。一つの小説の中で、何人の人が殺されたのか。まさしくホラーです。(68歳 女性 主婦・主夫)

6位「名探偵の挑戦状」1票

「名探偵」と呼ばれる人は少ない。ユニークなキャラクターと明晰な頭脳を兼ね備え、鋭い推理で事件をあざやかに解決へと導いていく。三毛猫ホームズ、浅見光彦、伊集院大介、牛尾刑事―現代を代表する四人の名探偵が難事件に挑戦!それぞれの探偵の持ち味を堪能できる、ミステリーファン待望の豪華アンソロジー。

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読者の声

名探偵に興味がある方にお勧めになるし、仕事の休憩時間に読むと元気をもらえます。(28歳 女性 会社員)

6位「地果て海尽きるまで」1票

「チンギス汗の覇道に終わりはない」―一一六二年秋、モンゴル高原で一人の男子が生を享けた。右手に血凝りを握り、“眼に火あり、顔に光あり”と言われる吉相を持っていた。後のチンギス汗である。

十三歳で父を敵に殺された彼は、家族を守るために孤独な闘いをはじめる。幾多の苦難を乗り越え、遂にモンゴルを統一した彼の目に映ったものとは…。チンギス汗の壮大な夢と不屈の魂を格調高く謳い上げる、著者渾身の一大叙事詩。

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読者の声

史上空前の大王国を作り上げたチンギス・ハーンを扱った映画。その版図はユーラシア大陸を駆け抜け、欧州にまで及んだ。よくぞ元寇で防げたものだ。(55歳 男性 会社員)

6位「青春の証明」1票

霧の中、公園でデート中のカップルが、暴漢に襲われた。二人を助けようとした警察官は、逆にナイフで刺殺されてしまう。そして、助かった二人もなぜか現場から逃げ去ってしまった。

数日後、男は女から別れを告げられた。「卑怯者!」という言葉を残して。男は自身の「罪」を償うために刑事に転職するが―。全てを懸けて意地を貫き徹した男を描く、白眉の“証明”シリーズ。

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読者の声

主人公のぶっきらぼうな性格が自分に似ていて、感情移入しながら読み進めました。「証明三部作」の他の作品も読んでみたいです。(28歳 女性 会社員)

6位「深海の寓話」1票

元刑事の鯨井義信は、電車内で黒服の男たちに囲まれた女性を共に救った同世代の紳士たちと親交を深める。彼らは戦場カメラマンや新聞記者など、社会の第一線で戦いながらも、己の信念によって職を退いた者たちだった。

現役時代の知識と技術を活かし、黒服集団の謎に迫る鯨井たち。そこには悪辣な政財界の思惑がうごめいていた―。リタイアしてなお正義の実現を目指す男たちを描く、巨匠・森村誠一、渾身の長編ミステリー。

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読者の声

リタイヤ後の男性を主人公にしているのがこれまでにない設定のミステリーなのでおすすめです。(38歳 男性 会社員)

6位「新幹線殺人事件」1票

新大阪発〈ひかり66号〉が終着の東京に近づいたころ、関西随一の芸能プロダクションの実力者が刺殺死体で発見された。芸能界という虚飾の城の中で二人の女社長の孤独な闘いが繰り広げられていく。独創的なダイヤトリックとアリバイ崩しを中心とした傑作!

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読者の声

色々な業界の裏側を知れたような気がする作品です。トリックも素晴らしい。(43歳 女性 主婦・主夫)

6位「黒魔術の女」1票

「エコ、エコ、ザラワク、エコ、サワラク」幼いころ、無気味な呪文を聞きながら、黒魔術の洗礼を受けた記憶をもつ中道鴾子。ある事件に巻きこまれた過去を秘めたまま、エリート社員と結婚したが、異様な視線に脅かされる。そして、夫の出張中、ついに殺人事件が…。オカルティズムと現実性を融合した、戦慄の怪奇ミステリー力作。

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読者の声

この作品は、殺し方が残忍であるが、そこに至るまでの動機が切ない。ネタバレになりますが、犯人が女性なんですが、その理由が…。ここからは読んでからのお楽しみ。(54歳 男性 自営業)

6位「結婚の条件」1票

サラリーマンの妻から一転、市長夫人、そしてベストセラー作家になった・彩。自立した彩にとって結婚とは、安定を求める契約に過ぎなかった―。時の人となった彩に、過去の忌まわしい男たちが訪れ…。

森村誠一が問う、男女の絆を描いた問題作。第7回日本ミステリ文学大賞受賞、森村誠一作家生活40周年記念作品。

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読者の声

サスペンス物なのにミステリアスな部分もあって結婚への打算や過去の男性達との関わりなど人間臭さが凄くあるのにシンプルに読み易い作品なので好きです。(57歳 女性 無職)

6位「虚構の空路」1票

旅行会社の社員が相次いで死亡した。女子社員が新幹線内で変死し、さらに男性社員がホテル内で刺殺。容疑者の海外トラベルエージェントの営業部長には鉄壁のアリバイがあった。空港を舞台に仕組まれた巧妙なトリック。意表をつく展開を見せる本格推理の傑作。

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読者の声

殺人の容疑者が上がってきているのになかなかアリバイを崩せなくて追い詰めることができないでいるシーンがヤキモキしますがその後の展開が気になり好きな場面です。(42歳 女性 自営業)

6位「悪魔の飽食」1票

日本陸軍が生んだ“悪魔の部隊”とは何か?世界で最大規模の細菌戦部隊(通称石井部隊)は日本全国の優秀な医師や科学者を集め、ロシア人・中国人など三千人余の捕虜を対象に、非人道的な数々の実験を行った。歴史の空白を埋める日本細菌戦部隊の恐るべき実像。

本書は極限状況における集団の狂気とその元凶たる“戦争”に対する痛烈な告発の書である。

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読者の声

衝撃的な内容だった。国家権力が信じられない。事実であろうがなかろうが人間はこのくらい残酷になれることを知ることができる。(32歳 女性 主婦・主夫)

6位「ラストファミリー」1票

八十歳に近い高齢で、死を待つだけになった老婆・横尾こう。こうには先に死んでしまった息子と娘の、嫁と夫に財産を残したくないという憎悪があった。こうの死の床に立ったのは、あろうことか死へのお迎えでなく、家に忍び込んだ泥棒だった。

泥棒に再び怨念の火をつけられたこうは、復讐のために死の床から蘇える…。表題作をはじめ、不思議な出来事が奇妙な世界へと誘う「異次元の夜」、いつもついてない男を描いた「無責任な恐怖」を収録した傑作集。

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読者の声

短編集なので気軽に読めるし、とても読みやすかったです。財産があると色々大変だなと思いました。(39歳 女性 主婦・主夫)

まとめ

いかがでしたでしょうか。森村誠一のおすすめ小説を紹介しました。ぜひ作品を手に取って読んでみてください。

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