荻原浩おすすめ小説15選【読書好き44人の声を集めました】

荻原浩は、人情のある、かつユーモアの溢れる作品を書く作家です。「誘拐ラプソディー」など題材としてはシリアスなのに、ユーモアがあって笑える文章を読むこともできます。

山本周五郎賞、山田風太郎賞などの文学賞を受賞した、ドラマや映画化された作品も多いです。

今回アンケートをとった結果をふまえて、荻原浩おすすめの小説をランキング形式で紹介します。

1位「噂」10票

「レインマンが出没して、女のコの足首を切っちゃうんだ。でもね、ミリエルをつけてると狙われないんだって」。香水の新ブランドを売り出すため、渋谷でモニターの女子高生がスカウトされた。

口コミを利用し、噂を広めるのが狙いだった。販売戦略どおり、噂は都市伝説化し、香水は大ヒットするが、やがて噂は現実となり、足首のない少女の遺体が発見された。衝撃の結末を迎えるサイコ・サスペンス。

「BOOK」データベース

読者の声

読みやすく、面白い。最後にあっと驚く小説が好きにはたまらないはず。(35歳 女性 会社員)

物語をひっくり返す破壊力を持った最後のセリフにつきます。それまで見ていた景色が一変します。(45歳 男性 無職)

ミステリー、サスペンスの作品としておすすめです。最後の章で作中のキャラクターの実はの本音がうまく出ています。(33歳 男性 自営業)

最後まで気を抜けないところが好きです。「噂」が人々に拡がり影響を与える、怖さを感じることが出来ます。(42歳 女性 会社員)

ストーリーが気になり、クライマックスまで一気に読破できる作品です。(39歳 男性 会社員)

確信もない情報が人伝いで次々と広まり、やがて事実になってしまう怖さを感じられる所です。そしてSNSが急激に発展してきている現実とマッチしており、噂とSNSの組み合わせがさらに恐怖です。(28歳 男性 会社員)

都市伝説のような噂から事件が発生していくということろがまず面白いです。そしてラストの典型的などんでん返しではない意外な終わり方もとても好きです。(30歳 女性 会社員)

一見普通の日常生活がある噂で変化していくのが見どころの好きな人が多い作品。(42歳 女性 無職)

多くのレビューに最後の一言が予想外とあるが、それまでのストーリーも商品を売るために作った嘘の口コミが現実になるというサスペンス小説でサクサク読める。(42歳 男性 会社員)

付属の帯にもよく書いてある煽り文句通りの「ラストの衝撃」がたまらない。(29歳 男性 会社員)

2位「海の見える理髪店」7票

店主の腕に惚れて、有名俳優や政財界の大物が通いつめたという伝説の理髪店。僕はある想いを胸に、予約をいれて海辺の店を訪れるが…「海の見える理髪店」。独自の美意識を押し付ける画家の母から逃れて十六年。弟に促され実家に戻った私が見た母は…「いつか来た道」。

人生に訪れる喪失と向き合い、希望を見出す人々を描く全6編。父と息子、母と娘など、儚く愛おしい家族小説集。直木賞受賞作。

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読者の声

名の知れた大物が通いつめる海が見える理髪店での特別な時間が、想像できる素敵な風景とともに流れていくところが好きです。(34歳 女性 主婦・主夫)

父と息子が、やっと心を通わせることができた素敵な時間が、淡々と描かれていて、その穏やかな時間が愛おしくて仕方がありませんでした。(45歳 女性 自営業)

伝えられなかった言葉や忘れられない後悔など、もしも「あの時」に戻ることができたらと考えさせられる小説となっています。そこがおススメです。..。(44歳 男性 自営業)

頭の中に美しく、時に悲しい情景を描きながら読み進められる素敵なお話ぞろいでした。(25歳 男性 会社員)

両親の離婚を経験した少女が、どんなふうに生きていこうとするのか、またその両親が彼女とどう接していくのか読んでいて感情を揺さぶられます。(19歳 女性 学生)

読み始めは何の変哲もない懺悔、ダメな男の話だなと読み進めていたけども最後の最後で涙腺が緩んでしまった。ほろりとしたい時に読みたい作品。(36歳 男性 会社員)

直木賞受賞作であり、家族をテーマにした短編集です。それぞれの話がどれも印象的で余韻が残ります。(43歳 女性 主婦・主夫)

3位「メリーゴーランド」6票

過労死続出の職場を辞め、Uターンしたのが9年前。啓一は田園都市の市役所勤務。

愛する妻に子供たち、あぁ毎日は平穏無事。…って、再建ですか、この俺が?あの超赤字テーマパークをどうやって?!でも、もう一人の自分が囁いたのだ。“やろうぜ。いっちまえ”。平凡なパパの孤軍奮闘は、ついに大成功を迎えるが―。

笑って怒って、時々しんみり。ニッポン中の勤め人の皆さん、必読。

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読者の声

役所(公務員)の中に民間の感覚を取り入れて立て直していく、時々みられるパターンですが、ストーリーの構成が的確で、最後まで飽きさせません。(61歳 男性 会社員)

テーマパーク再建の話で葛藤する登場人物たちが面白いのでオススメです。仕事の価値観や充実を考えさせられる内容もポイント。(29歳 男性 無職)

なんとなく仕事ってなんだろう?と疑問に思うミドルには共感される作品です。(47歳 男性 会社員)

公務員としての悲哀もありますが、ユーモアがある出来事が次々と起きるので、最後まで楽しめて、なぜかすがすがしい気持ちにさせてくれます。(62歳 男性 会社員)

公務員の現実を結構忠実に描写しているらしく、公務員の仕事がどのようなものか知ることが出来ました。(20歳 男性 学生)

激務の職場を辞めてUターンした主人公が新たに務めた先は郊外の市役所。家族と共に平穏無事な日々を過ごせるかと思いきや、テーマパークの再建と言う勤め人には悲しい事態に。(48歳 男性 会社員)

4位「誘拐ラプソディー」4票

伊達秀吉は、金ない家ない女いない、あるのは借金と前科だけのダメ人間。金持ちのガキ・伝助との出会いを「人生一発逆転のチャンス?」とばかりに張り切ったものの、誘拐に成功はなし。警察はおろか、ヤクザやチャイニーズマフィアにまで追われる羽目に。しかも伝助との間に友情まで芽生えてしまう―。

はたして、史上最低の誘拐犯・秀吉に明日はあるのか?たっぷり笑えてしみじみ泣ける、最高にキュートな誘拐物語。

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読者の声

誘拐というのがテーマであるものの、笑いもあり、暖かいストーリーです。(25歳 男性 学生)

誘拐と逃走というテーマなのにドタバタとしたユーモアが溢れている点。(48歳 男性 会社員)

いいところなんて一つもなくてあるのは借金と罪だけの男の生きざまがすごく面白くて笑えました。(40歳 男性 パート・アルバイト)

こんなはずではなかった、の典型的な内容で、読んでいて主人公に応援すらしたくなる感情を覚えました。(46歳 男性 会社員)

5位「コールドゲーム」3票

甲子園に届かなかった夏、中学時代のクラスメートに次々事件が降りかかる。切なすぎる結末。渾身の書下ろし長編小説。

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読者の声

いじめの加害者側から描かれているので当然ですが、どこまでも被害者が報われない内容です。 報復していたのも廣吉の両親であり、廣吉自身は復讐する度胸が持てずにそのまま亡くなってしまった弱者のままでした。 「いじめられているのに何もしなかったのは廣吉も同じだ」と光也が憤るシーンもありましたが、クラスの過半。(34歳 男性 会社員)

中学時代にいじめた同級生に復讐する話で、内容は重いのに続きが気になって一気に読んでしまいました。いじめについて深く考えさせられる作品です。(42歳 女性 パート・アルバイト)

いじめに関わった人間の、どろどろとした生々しい感情が心に焼き付いて離れない。誰でも明らかにわかる事件の異常さと、主人公たちが心の底に沈みこんでいた歪で不気味な人間の昏い感情という目に見えない異常さとの対比が印象的でした。(52歳 女性 自営業)

6位「明日の記憶」2票

「まずお歳を聞かせて下さい」「ここはどこですか」「次の三つの言葉を覚えて下さい。いいですか、あさがお、飛行機、いぬ」「今日は何曜日ですか」「さっきの三つの言葉を思い出して、言ってみてください」人ごとだと思っていたことが、我が身に起きてしまった。

最初は物忘れ程度に思っていたが、若年性アルツハイマーの初期症状と告げられた。身につまされる傑作長編小説。

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読者の声

映画化された感動作で、家族の愛に溢れた作品です。アルツハイマーで家族との思い出が消えていく主人公の不安と恐怖が繊細に描かれています。(36歳 女性 パート・アルバイト)

アルツハイマーになってしまった男の記憶が無くなっていく過程がリアルに伝わってきて居たたまれない気持ちになります。(62歳 男性 パート・アルバイト)

6位「神様からひと言」2票

大手広告代理店を辞め、「珠川(たまがわ)食品」に再就職した佐倉凉平(さくらりょうへい)。入社早々、販売会議でトラブルを起こし、リストラ要員収容所と恐れられる「お客様相談室」へ異動となった。クレーム処理に奔走する凉平。実は、プライベートでも半年前に女に逃げられていた。

ハードな日々を生きる彼の奮闘を、神様は見てくれているやいなや……。サラリーマンに元気をくれる傑作長編小説。

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読者の声

優しくて読みやすい文面、心があったかくなる内容が好きです。クスッと笑える内容もあり最後まで一気に読めます。(28歳 女性 パート・アルバイト)

うだつの上がらないサラリーマン話はごまんとあるがこの本は読み終えた後スカッとする痛快な話し。(50歳 女性 自営業)

6位「押入れのちよ」2票

失業中サラリーマンの恵太が引っ越した先は、家賃3万3千円の超お得な格安アパート。しかし一日目の夜玄関脇の押入れから「出て」きたのは、自称明治39年生れの14歳、推定身長130cm後半の、かわいらしい女の子だった(表題作「押入れのちよ」)。

ままならない世の中で、必死に生きざるをえない人間(と幽霊)の可笑しみや哀しみを見事に描いた、全9夜からなる傑作短編集。

「BOOK」データベース

読者の声

ホラー短編集ですが、中でも表題作の幽霊・ちよのチャーミングなこと!彼女のルーツを遡ると悲しい面も出てきますが、ちよならうちの押入れにもいて欲しいです。こんなに愛すべき幽霊は他にありません。くすっと笑えるもの、恐怖にじんわり包まれるもの、一作ごとの個性が際立つ読みやすい一冊です。(44歳 女性 会社員)

「怖い」と「笑い」が絶妙に入り混じったホラー短編集です。長編よりも、ぶつ切りで怖い話が楽しめるのがポイントです!(39歳 女性 主婦・主夫)

6位「愛しの座敷わらし」2票

父親の左遷で東北の片田舎に引っ越した高橋一家。

家に居場所のない夫、不平ばかりもらす妻、いじめにあっていた娘、気弱な息子、認知症の気配がある祖母……お互いを思う気持ちはあっても、すれ違いばかりでバラバラだった家族が、引っ越し先の古民家に棲みついていた「座敷わらし」との出会いをきっかけに、その絆を取り戻してゆく、心温まる希望と再生の物語。

「BOOK」データベース

読者の声

都市から田舎へ引っ越してきた家族。すれ違いばかりの壊れかけの一家に、座敷わらしとの出会いの中で、幸せになっていく心温まる物語。(48歳 女性 主婦・主夫)

話の節々でストーリーが登場人物の目線で変わっていって疑問に感じることもありましたが、とても思いやりのある人達でホッコリしました。(51歳 女性 主婦・主夫)

7位「冷蔵庫を抱きしめて」1票

幸せなはずの新婚生活で摂食障害がぶり返した。原因不明の病に、たった一人で向き合う直子を照らすのは(表題作)。DV男から幼い娘を守るため、平凡な母親がボクサーに。生きる力湧き上がる大人のスポ根小説(「ヒット・アンド・アウェイ」)。

短編小説の名手が、ありふれた日常に訪れる奇跡のような一瞬を描く。名付けようのない苦しみを抱えた現代人の心を解き放つ、花も実もある8つのエール。

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読者の声

短編集で、さくっと読めるので時間がない方におすすめです。人間らしい感情がうまくひょうげんされていて好きです。(30歳 女性 会社員)

7位「海馬の尻尾」1票

二度目の原発事故でどん底に落ちた社会―。三年前に懲役を終えたばかりの及川頼也は、若頭に「アル中を治せ」と命じられ、とある大学病院の精神科を訪れる。検査によると、及川の脳には「良心がない」のだという。

医者らを拒絶する及川だが、ウィリアムズ症候群の少女が懐くようになり…。人間の脳は変われるのか。ハードボイルドの筆致で描く、脳科学サスペンス! 

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読者の声

服役を終えた主人公・及川頼也の「良心のない脳」に焦点を当てた脳科学サスペンスの傑作です。(59歳 男性 自営業)

7位「ひまわり事件」1票

実行犯は、ジジババと幼稚園児?隣接する有料老人ホーム「ひまわり苑」と「ひまわり幼稚園」。老人とガキどもの不思議な交流、やがて起こるカゲキな「事件」とは?荻原浩渾身の熱血幼老小説!―。

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読者の声

幼稚園児の悪戯や純粋さ、それに高齢者の恋愛や社会問題が絡み合ったエンターテイメントです。思わず笑ってしまう中にもしみじみとさせられる場面がある上級娯楽だと思います。(58歳 男性 主婦・主夫)

7位「ハードボイルド・エッグ」1票

私の名は最上俊平。私立探偵だ。フィリップ・マーロウを敬愛する私は、ハードボイルドに生きると決めているが、持ちこまれるのはなぜかペットの捜索依頼ばかり。正直、役不足である。そろそろ私は変わろうと思う。しかるべき探偵、しかるべき男に―。

手始めに、美人秘書を雇うことを決意したが、やってきたのはなんとも達者な女性で…。心優しき私立探偵とダイナマイト・ボディ(?)の秘書が巻きこまれた殺人事件。くすりと笑えてほろりと泣けるハードボイルドの傑作、待望の新装版。

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読者の声

れの探偵を目指している私立探偵の物語。普段は捜索願の仕事ばかり。その中で殺人事件に巻き込まれていくる様子を、コミカルに表現しているところがポイントです。(52歳 男性 会社員)

7位「それでも空は青い」1票

バーテンダーの僕は、骨折で入院した先の看護師の彼女に恋をした。退院後、何度かバーを訪ねてくれたものの、バツイチ7歳年上の彼女との距離はなかなか縮まらない。なぜなら彼女は“牛男”と暮らしているようで……(「僕と彼女と牛男のレシピ」)。

人間関係に正解なんてない――

人づきあいに悩む背中をそっと押してくれる7つの物語。

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読者の声

人生なんて苦しいことや辛いことの連続だけど、偶には良いこともあるということ教えてくれる本です。(50歳 女性 自営業)

7位「オイアウエ漂流記」1票

塚本賢司、28歳。接待出張で乗り合わせた飛行機が遭難し、なんと、流れ着いたのは水も火もないポリネシアの孤島!!賢司をコキ使う上司たち、スポンサー企業の御曹司、挙動不審な新婚カップル、小学生とそのじっちゃん、怪しいガイジン。

あり得ないメンバー10人での毎日は、黒~い本音も秘密の過去も、隠しきれない生活だけど…。

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読者の声

著者の荻原浩は大好きです。好きな作品はほかにもたくさんありますが、なぜかこの作品を選んでしまいました。無人島に漂流したことにより、人間の本質みたいなものがみえてくるところの面白さと、憧れの上司の女性との恋の成り行きみたいなものがとても面白く、印象深く残っています。(59歳 男性 会社員)

まとめ

いかがでしたでしょうか。荻原浩のおすすめ小説を紹介しました。ぜひ作品を手に取って読んでみてください。

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