山田 風太郎は1922年生まれ、伝奇小説、時代小説、推理小説など複数の分野を手がけ、戦後日本を代表する娯楽小説家です。東京医科大学卒業し医学士号を取得もしています。
「甲賀忍法帖」、「伊賀忍法帖」など、忍法帖シリーズなどの忍者小説で有名ですが、他にも作品は多数あります。その中からおすすめの小説を、読者アンケートをもとに紹介しますので、どの作品を読もうか考えるときの参考にしてください。
「魔界転生」7票
島原の乱に敗れ、幕府への復讐を誓う天草側の軍師、森宗意軒は死者再生の秘術「魔界転生」を編み出した。それは、人生に強い不満を抱く比類なき生命力の持ち主を、魂だけ魔物として現世に再誕させる超忍法だった。
次々と魔界から蘇る最強の武芸者集団。魔人たちを配下に得た森宗意軒は紀伊大納言頼宣をも引き込み、ついに柳生十兵衛へと魔の手を伸ばす……。
群を抜く着想と圧倒的スケールで繰り広げられる忍法帖の最高傑作!
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読者の声
魔界から復活したかつての剣豪達と柳生十兵衛が闘うという設定が斬新でした。(48歳 男性 パート・アルバイト)
魔界転生の作品を講読して奇想天外なアイデアを用意られてる。構成が独自の視点で捉えられていることが本作品を読んでイメージに残っています。(34歳 男性 学生)
最初に映画を見て興味をもちに小説を読んだのだが映画以上に引き込まれてしまった。(48歳 男性 会社員)
心をこの世に残しつつ死の際に立った男が愛する女と交ると、1ヵ月後にその女胎を裂いて男が再誕する。妖異凄絶の忍法「魔界転生」が描かれるそんな仰天な作品です。(44歳 男性 自営業)
まさに奇想天外。その良い意味でハチャメチャなストーリーは読むものを虜にします。(36歳 男性 自営業)
単なる時代小説とは違う空想サスペンス時代小説で同作家の忍法帳シリーズ最高傑作だからです。(52歳 男性 無職)
柳生十兵衛が蘇った剣士たちと戦うシーンは緊張感もあり、戦っている映像が浮かんできます。何度も映画化やドラマ化されていることからも、エンターテインメントあふれた作品で読み応えがあります(62歳 男性 会社員)
「青春探偵団」3票
北国の町はずれにある霧ガ城高校の男子寮・女子寮生徒6人で結成した「殺人クラブ」。会の名前は物騒だが、探偵小説の愛好家達で、読んだ小説の批評、殺人トリックの考案、気にくわぬ舎監や教師いじめの妙案等を模索し、厳しい舎監の目を盗み寮規を破るのを楽しみにしていた。が、いつもと違った事態が発生。「殺人クラブ」のメンバーはにわか探偵に変身。次々に起こる難事件を6つの個性が合致し見事に解決…。
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読者の声
少年探偵というジャンルの王道であるように思え、ミステリーも面白い。(25歳 男性 学生)
ミステリーもありますが登場する生徒達と教師達との面白おかしなやりとりが読んでいて愉快な気持ちにさせられます。(44歳 男性 会社員)
正義のヒーローとは少し違う、とってもユーモラスなキャラクターたちが魅力的です。(45歳 女性 自営業)
「甲賀忍法帖」3票
400年来の宿敵として対立してきた甲賀・伊賀の忍法二族。彼らは服部半蔵の約定によって、きわどい均衡を保っていた。だが慶長19年、家康によってついにその手綱が解かれる。三代将軍の選定をめぐる徳川家の紛争を、両里から選ばれた精鋭各10名に代理させようというのだ。
秘術の限りを尽くし、凄絶な血華を咲かせる忍者たち。だが、そこには流派を超え、恋し合う2人の名も含まれていた…。山風忍法帖の記念すべき第一作。
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読者の声
徳川家康の世嗣ぎ後継問題から端を発した伊賀と甲賀の精鋭忍者達の血で血を争うデスマッチが読み応えがある。(49歳 男性 会社員)
今までの忍者の概念を覆すほどの衝撃の内容で、想像力フル稼働で楽しく読めました。(46歳 男性 会社員)
主人公と恋人が戦わなければならない運命にありながらもお互いを想っている姿に胸を打たれました。(27歳 男性 自営業)
「同日同刻 太平洋戦争開戦の一日と終戦の十五日」2票
太平洋戦争中、人々は何を考えどう行動していたのか。敵味方の指導者、将軍、兵、民衆の姿を、著者の蒐集した膨大な資料を基に再現。開戦の日昭和16年12月8日と終戦にいたる昭和20年8月1日から15日までの、同日同刻の記録が戦争に翻弄された人間の狂気、悲劇、愚かしさを焙り出す。
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読者の声
太平洋戦争開戦から終戦までの人々の生活行動、思考が書かれています。ある種の洗脳により多くの国民が狂った思考に突き動かされている様子は戦争の恐ろしさを戦争を知らない世代にうまく伝えている作品(42歳 男性 会社員)
太平洋戦争の開戦から終戦までを、様々な人からの目線で見た手記。戦争というものを考える一冊になります。(52歳 男性 会社員)
「明治断頭台」1票
明治の王政復古とともに復活した役所、弾正台。水干姿の優美な青年・香月経四郎と、同僚の川路利良は、その大巡察として役人の不正を糺す任に就いていた。とあるきっかけから、二人は弾正台に持ち込まれる謎めいた事件の解決を競うことに。
いずれ劣らぬ難事件解決の鍵になるのは巫女姿のフランス人美女、エスメラルダが口寄せで呼ぶ死者の証言で…!?明治ものにして本格推理小説。驚天動地のラストが待ち受ける異色作。
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読者の声
時代物であり本格推理ものでもある一作。その時代ならではのトリックが施され、歴史上の有名人も登場してきますので、歴史好きにはたまらない。複数の事件がラストに繋がるのもお見事な一作。(46歳 男性 会社員)
「風来忍法帖」1票
天正18年、時は秀吉が北条を呑み込もうとしていた時代、混乱の世などどこ吹く風の戦場荒らしの風来坊、7人の香具師がいた。気侭な香具師稼業で奔放に日々を送っていたが、北条方の美貌の麻也姫に見咎められ、痛い目に遭わされる。
復讐を誓い、麻也姫の貞操を狙う7人。だが、いつしか天真爛漫かつ気丈な彼女に惚れた彼らは、最強の忍者集団・風摩組を敵に死闘を挑む。機智と詐術の香具師忍法が繰り広げられる痛快奇抜な忍法帖。
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読者の声
今なお根強い人気を誇る『忍法帖シリーズ』。この「風来忍法帖」は、作者自身の評価もB判定という地味な位置づけながら山田風太郎という作家を最も体現している、ろくでなしな主人公たちの奮闘劇。物語の結末は、ともすれば長生きこそが人生の本懐という現代の風潮に対して、チクリと刺した作者の毒針が読者の胸にしみる。(32歳 男性 会社員)
「風太郎不戦日記」1票
山田誠也、のちに「忍法帖」シリーズでその地位を確立する大作家・山田風太郎は、昭和20年、医学生として東京にいた。時は太平洋戦争末期、同世代の若者は、みな戦地へ。
しかし体調不良で召集を見送られた誠也は、お国のために体を張れない葛藤を抱えながら、日々を送っていた。そんな彼が当時の世間を、そして日本をどう見ていたか。克明に綴られた日記を、令和の今だからこそ、コミカライズ。
個性派漫画家・勝田文がユーモアを交えて描く風太郎と昭和20年は、必読ものです!
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読者の声
戦中の生活日誌は、貴重な歴史的証戦時中の庶民の生活がわかって戦争の理不尽さ世相が手に取るように描かれています。(48歳 女性 主婦・主夫)
「忍法八犬伝」1票
安房里見家に代々伝わる家宝がスリかえられた!“忠孝悌仁義礼智信”の伏姫の珠に代わって残されたのは“淫戯乱盗狂惑悦弄”の偽珠。里見家取り潰しを目論む本多佐渡守の策謀であった。珠奪還に健気に奔走する村雨姫のため、甲賀卍谷で修行を積んだ八犬士の末裔たちは奮起する。
だが、服部半蔵麾下の妖婉なるくノ一衆8人が立ちはだかり…。その忍法、凄艶絢爛。その筋立て、壮烈無二。反・道徳的にして忍法帖史上屈指の大傑作。
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読者の声
この作品は歴史を知らなくても、読み進めるうちに歴史に詳しくもなれるのが魅力の内容です。(42歳 女性 無職)
「忍者月影抄」1票
君子然として倹約を強いる八代将軍・徳川吉宗。尾張藩主・宗春は甲賀忍者と尾張柳生を使って、かつて吉宗が寵した女たちを日本橋に晒し、その漁色ぶりを痛烈に揶揄する。これを阻止せんと吉宗は伊賀忍者と江戸柳生に秘命を下した!将軍の愛妾をめぐって忍者と剣士が入り乱れる大幻魔戦の結末は―。
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読者の声
アニメチックで奇想天外な対決シーンがおすすめのポイントです。(49歳 男性 自営業)
「誰にも出来る殺人/ 棺の中の悦楽」1票
「人間荘」に越してきた私が押入れの奥から見つけた1冊のノート。そこには歴代の住人たちの哀しくも恐ろしい人生の記録が記されていた―(「誰にも出来る殺人」)。彼女のため殺人まで犯すほど恋い続けた女性を失った。
絶望した男は、残された金で半年ごとに異なる6人の女との情事を愉しみ、死のうと決めるが…(「棺の中の悦楽」)。人間の欲望を見事にえぐり出したノワール・ミステリの傑作。
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読者の声
トリッキーなようで、誰にでも起こり得る恐怖を感じさせてくれる作品です。描写が独特に感じることもあり、好き嫌いが分かれそうですが、ラストのすっきりするようで、不思議な感覚に落ちる幕切れは、是非読んでみてほしい作品です。(34歳 女性 会社員)
「太陽黒点」1票
昭和30年代後半の東京。才気に満ちた美貌の苦学生・鏑木明は、アルバイト先の屋敷で社長令嬢・多賀恵美子と出会い、偶然にも特権階級への足掛かりを手にする。献身的だが平凡な恋人・容子を捨て、明は金持ち連中への復讐を企て始める。
それが全ての悲劇の序章だとは知らず…。“誰カガ罰セラレネバナラヌ”―静かに育まれた狂気が花聞く時、未曾有の結末が訪れる。戦争を経験した著者だからこそ書けた、奇跡のミステリ長編。
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読者の声
甘く切ない恋愛小説風の流れをある独白によって 一転させ、物語の真の構図を浮かび上がらせる手 腕が見事。そこに込められた戦後日本への怨念も 戦中派の著者ならでは。(27歳 女性 会社員)
「人間臨終図鑑1」1票
戦後を代表する大衆小説の大家・山田風太郎が、歴史に名を残す著名人(英雄、武将、政治家、作家、芸術家、芸能人、犯罪者など)の死に様を切り取った、稀代の名著。読みやすくなって新装版で登場。
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読者の声
歴史に興味のある人なら知っている人物の死に際について描かれていてある意味おもしろい本。(50歳 女性 自営業)
「江戸忍法帖」1票
吸盤のような足で屋根裏をつたい歩く無気味な忍者。その逆さ斬りの凶刃が悠太郎めがけて一閃した。瞬間、跳上った悠太郎は振り子のようにからだを移動すると相手を唐竹割りに斬りあげた!
徳川五代将軍綱吉の時代。権勢をふるう老中柳沢吉保は、前将軍家綱の遺児葵悠太郎の出現に驚愕した。彼はただちに、えり抜きの忍者「甲賀七忍」に命じ、悠太郎暗殺を謀った……。
恐ろしい忍法を駆使する七人の甲賀忍者と一刀流の達人悠太郎の対決は? 山田風太郎が描く会心の忍法小説。
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読者の声
時代小説でありながらも少し創作もあり、ファンタジーなところも感じる作品。(47歳 男性 会社員)
「警視庁草紙」1票
明治6年、征韓論に敗れた西郷隆盛は薩摩へ。明治政府は大久保利通を中心に動きだし、警察組織もまた、大警視・川路利良によって近代的な警視庁へと変貌を遂げようとしていた。片や、そんな世の動きを好まない元同心・千羽兵四郎と元岡っ引・冷酒かん八。
2人は元江戸南町奉行・駒井相模守の人脈と知恵を借り、警視庁に対決を挑んでゆくのだが…。開化期の明治を舞台に俊傑たちが東京を疾走する時代活劇譚。
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読者の声
明治政府初期の警察組織と対立する集団との暗闘を描いた伝奇小説の傑作。(56歳 男性 無職)
「虚像淫楽」1票
晩春の夜更け、聖ミカエル病院に瀕死の女性が担ぎこまれた。女はかつて病院で看護師を務めていた森弓子で、昇汞を呑んでしまったという。千明医学士は手当てを始めるが、弓子の肢体に数条のみみず張れを発見する。直後、弓子の夫が同じく昇汞を呑んで自殺。
夫婦に何が起こったのか?刻一刻と弓子の様態が悪化する中、驚愕の真相が明らかになる…(『虚像淫楽』)。探偵作家クラブ賞受賞の表題作を含む初期ミステリー傑作選。
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読者の声
初期のミステリー短編集です。探偵作家クラブ賞を受賞した表題作は勿論、淫靡さと変態性に満ちた「蝋人」が素晴らしいと思います。(50歳 女性 自営業)
「くノ一忍法帖」1票
大坂城を攻め滅ぼし、天下を手にしたはずの家康を驚愕させる情報がもたらされた。真田幸村の秘策により、信濃忍法を駆使した5人のくノ一が秀頼の子を身ごもった。しかもその女たちは愛孫・千姫の侍女の中に潜んでいるという。
禍根を断つべく、家康は伊賀忍者の精鋭5人を呼び寄せ、隠密裡にくノ一たちを葬るよう命ずる。性の極致で繰り広げられる凄艶奇抜な忍法合戦。千姫と家康、勝つはのいずれの執念か。忍法帖の究極作。
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読者の声
エロスと怪奇に包まれた艶色の時代劇にドキドキしてしまいます。(39歳 女性 無職)
「あと千回の晩飯」1票
「いろいろな徴候から、晩飯を食うのもあと1000回くらいなものだろうと思う」―飄々とした書き出しから始まり、端倪すべからざる死生観を開陳した表題作ほか、「アル中ハイマーの1日」「少年時代の読書」「昭和の番付」などを収録。巧まざるユーモア、独創と卓見にあふれた随筆集。
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読者の声
人生の晩年に差し掛かった著者の老いや生死についてのユーモラス且つ独創的なエッセイ集です。(59歳 男性 自営業)
まとめ
いかがでしたでしょうか。山田 風太郎のおすすめ小説を紹介しました。ぜひ作品を手に取って読んでみてください。