西村 賢太おすすめ小説9選【読書好き35人の声を集めました】

西村 賢太は、作者自身の経験をもとにして書かれる小説である”私小説”を手がける作家です。

中学を出た後に肉体労働で生計を立てながら、古本屋に通い私小説に傾倒します。2004年に同人誌に「けがれなき酒のへど」を発表。2007年には「暗渠の宿」で野間文芸新人賞受賞、苦役列車で芥川賞を受賞しました。

今回、読書好きの方に西村 賢太おすすめの1冊を教えてもらいました。その結果を感想とともに紹介します。

「苦役列車」22票

劣等感とやり場のない怒りを溜め、埠頭の冷凍倉庫で日雇い仕事を続ける北町貫多、19歳。将来への希望もなく、厄介な自意識を抱えて生きる日々を、苦役の従事と見立てた貫多の明日は―。現代文学に私小説が逆襲を遂げた、第144回芥川賞受賞作。

後年私小説家となった貫多の、無名作家たる諦観と八方破れの覚悟を描いた「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」を併録。

「BOOK」データベース

読者の声

主人公の青年北町が中卒で日雇い労働から劣等感を抱いて泥臭く、もがく姿が印象的な作品です。(38歳 男性 会社員)

女性にとっては好ましくなさすぎる主人公がインパクトがある、西村賢太の私小説。(30歳 女性 会社員)

作者の個性があふれている青春小説になっています。主人公が創造力豊かで、読んでいて心地よさをも覚えてしまうほどです。(20歳 女性 学生)

何回な文言や読めない漢字が多いですが、内容が分かりやすいのでサクサク読み進める事が出来ました。内容は重いものの、考えさせられる事が多いので好きな小説です。(28歳 女性 会社員)

芥川賞を受賞した異例の自伝小説で、高度成長期に取り残された人間の悲哀を描く。(48歳 男性 自営業)

昭和時代における貧困層の人間の話でとある少年の青春ストーリー、少し淡くももどかしい心情が描かれていて、現代にはない価値観が興味深いです。(35歳 男性 会社員)

社会の底辺でその日暮らしをせざるを得ない。悲惨で希望がないトンネルの中に、いるような重苦しさが伝わってきます。(45歳 男性 会社員)

時折、この作品に登場する人間の吹き溜まりのような感覚に救われることがある。褒められたものでは決してないが、確かに存在している汚泥のような自分がいるのだと、自己を肯定させてくれる良書に思う。重ねていうが褒められたものではない。それでもある。(31歳 男性 自営業)

貧乏生活を送る若者のコンプレックスや、金を得ても充足されたない生き方をうまく表現している作品です。(48歳 男性 会社員)

父親が性犯罪を犯したことで家庭は崩壊したところから始まる人間考察の内容が深い(39歳 男性 会社員)

目先の欲にくらむ主人公が、労働を強いられてるのが鮮明に描かれている作品で、わかりやすい落ちがなく、貧困について考えさせられる作品なのでおすすめです。(44歳 男性 会社員)

幼少期に家庭崩壊し家を飛び出しその日暮らしで生計を立てる若者を描いた作品。(27歳 女性 主婦・主夫)

根が意志薄弱で目先の欲にくらみやすい青年が、労働を強いられる様子が少しばかり自分や知人の姿と重なってとても苦しい。だからこそ、読み進められる。(32歳 女性 主婦・主夫)

昭和後期という自分自身の生きてきたバブルで活気のある時代背景の中で主人公がもがいていく様子に共感できる。(44歳 男性 会社員)

知っているようで知らない日常。いろんなことに苛まれても希望を捨てずに、日々を生きていく。そういう強さ、著者の生きざま。(33歳 女性 自営業)

すさんだ青春と人生の不条理さを味わいのある文体で描写する秀作。(56歳 男性 無職)

主人公の北町がせっかく友達関係になったのに仲違いをして、また1人になってしまう心の葛藤の流れがグッときます。(42歳 女性 自営業)

人間の卑しさ浅ましさをとことん自虐的に描いており、まさに西村ワールドであると思います。人によっては嫌悪感する感じるかもしれませんが、自分はこの世界観が大好きです。(29歳 男性 自営業)

この小説家の自伝的青春小説です。社会の片隅で生きる苦しい日々を、素晴らしい文章で書いています。(65歳 男性 無職)

金もなく将来の明るい希望も見えない中での心理描写が読んでいて引き付けられる。(53歳 男性 無職)

港湾労働で生計を立てる十九歳の貫太の人生を見て、もの寂しい感じと思いました。(52歳 女性 団体職員)

地の文で何度も出てくる、「根が~な貫太は」という言い回しが読み進めるうちに確かにと思えてきて面白い。(28歳 女性 パート・アルバイト)

「小銭をかぞえる」4票

男女の間にある深い溝が、これほどまでに強烈に描き出されたことがあっただろうか?爆笑を誘うほどに悲惨な、二つのよるべない魂の彷徨。“私小説の救世主”が贈る、心に突きささる傑作。女にもてない「私」がようやくめぐりあい、相思相愛になった女。

しかし、「私」の生来の暴言、暴力によって、女との同棲生活は緊張をはらんだものになっていく。金をめぐる女との掛け合いが絶妙な芥川賞候補作「小銭をかぞえる」、女が溺愛するぬいぐるみが悲惨な結末をむかえる「焼却炉行き赤ん坊」の二篇を収録。

「BOOK」データベース

読者の声

表紙がホラーチックなところが好きです、女にもてない「私」がようやく女とめぐりあいのお話です。(30歳 男性 団体職員)

主人公の男がどうしようもないクズ男なのですが、逆にそれがクセになり、続きが気になる一冊でした。小説だから面白いと思えるストーリー。(39歳 女性 主婦・主夫)

『焼却炉行き赤ん坊』の登場人物には、貫太と秋恵の同棲生活を下敷きに描かれた作品。秋絵の行動言葉が貫太の神経を逆なでし悲惨な結末を向かえていますシナリオです。秋恵のしつこい抵抗感には尋常でない面もみれます。(54歳 男性 会社員)

女にモテない男がようやく作った彼女、しかし二人の生活はうまくいかず女に対して暴力を振るうことに男と女の間の緊張感のあるストーリーです。(25歳 男性 会社員)

「瓦礫の死角」2票

その逮捕を機に瓦解した家族。刑期を終えようとする父。出所後の夫の復讐に怯える母。家出し、消息不明となった姉。十七歳、無職の北町貫多は、如何なる行動に出るのか―。犯罪加害者家族の十字架を描く表題作と、その表裏をなすも“不”連作である「病院裏に埋める」の両篇に加え、快作「四冊目の『根津権現裏』」に、怪作「崩折れるにはまだ早い」(「乃東枯(なつかれくさかるる)」改題)の全四篇を収録。比類なき文学。

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読者の声

小説内で自分のみっともないエピソードを暴露され怒るのですが、当事者であれば当然かなと思うものです。(42歳 男性 会社員)

古本屋に足繁く通うデビュー当時から変わらない作者の様子が見られるところ。(23歳 女性 主婦・主夫)

「小説にすがりつきたい夜もある」2票

四面楚歌の状況下、すがりついた一冊の本―。爾来、藤澤清造の歿後弟子としての運命が拓ける。葛西善蔵論として卓越な「凶暴な自虐を支える狂い酒」、独得な筆致によるヰタ・セクスアリスの「色慾譚」など、無頼、型破りな私小説作家の知られざる文学的情熱が満載された、芥川賞受賞前後のエッセイ集。

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読者の声

どんな作家に影響されてきたかなどが描かれていて、とても勉強になります。(38歳 男性 会社員)

「人もいない春」1票

小さいころから執念深く、生来の根がまるで歪み根性にできている北町貫多。中卒で家を飛びだして以来、流転の日々を送る貫多は、長い年月を経てても人とうまく付き合うことができない。アルバイト先の上司やそこで出会った大学生、一方的に見初めたウエイトレス、そして唯一同棲をした秋恵……。

一時の交情を覆し、自ら関係破壊を繰り返す貫多の孤独。芥川賞受賞作『苦役列車』へと連なる破滅型私小説集、待望の文庫化。

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読者の声

リアリティー満載で実際に情景が浮かんでくる。短編6作、そのどれもが不思議と味わい深さを感じられる。(20歳 女性 無職)

「一私小説書きの日乗 新起の章」1票


一私小説書きの日乗 新起の章

異端な作家の無頼な日常

昼に起き、サウナで身を清め、新作の執筆にいそしむ。行きつけの酒場で酒を呑み、編集者と打ち合わせ、宝焼酎で晩酌をする。編集者との衝突・軋轢、友とのいさかい。時に怒り、時に後悔する。

愚直にして含羞の作家・西村賢太が2016年6月から2018年5月までの二年の日々をつづる平成最後の私日記。『一私小説書きの日乗』『一私小説書きの日乗 憤怒の章』『一私小説書きの日乗 野性の章』『一私小説書きの日乗 遥道の章』『一私小説書きの日乗 不屈の章』に続く第6弾。現代に暮らす“文豪”の日々。

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読者の声

作家の日常が味わえる作品で、作家自身の私生活(特に食生活がひどい)がとても面白いのでおすすめです。(27歳 男性 会社員)

「やまいだれの歌」1票

中卒で家出しその日暮らしをしていた北町貫多は、十九歳にして心機一転を図ろうとした。横浜で新しい仕事を得、片恋する相手も見つけ、人生の軌道修正も図れるかと思いきや、ほどなく激しい失意が訪れる。そのとき彼の心の援軍となったのは、或る私小説家の本だった―。暗い青春の軌道を描く長篇私小説。

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読者の声

何もかもダメダメな主人公が希望を見出していく描写が読んでいてのめりこめる作品です(43歳 女性 主婦・主夫)

「どうで死ぬ身の一踊り」1票

非運の長期に散った、大正期の私小説家・藤澤清造。その作品と人物像に魅かれ、すがりつく男の現世における魂の彷徨は、惨めながらも強靱な捨て身の意志を伴うものであった。―同人誌時代の処女作「墓前生活」、商業誌初登場作の「一夜」を併録した、問題の第一創作集。

賛否と好悪が明確に分かれる本書には、現代私小説の旗手・西村賢太の文学的原点があまねく指し示されている。

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読者の声

初めて読んだときは衝撃でした。作品全体を覆う雰囲気、パンク精神を感じる文体、魅力的な破天荒なストーリー。どれも好きです、私は。(36歳 男性 自営業)

「蠕動で渉れ、汚泥の川を」1票


蠕動で渉れ、汚泥の川を (角川文庫)

こんな青春も、存在する―。17歳。中卒。日雇い。人品、性格に難あり。しかし北町貫多は今日も生きる―。無気力、無目的に流浪の日々を送っていた貫多は、下町の洋食屋に住み込みで働き始めた。

案外の居心地の良さに、このまま料理人の道を目指す思いも芽生えるが、やがて持ち前の無軌道な性格から、自らその希望を潰す行為に奔りだす―。善だの悪だのを超越した、負の青春の肖像。渾身の長篇私小説!

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読者の声

西村氏の小説の中で多くとりあげられる主人公、北町貫太のシリーズの一作です。北町貫太シリーズでは珍しく長編となっており、長く働いた場所での出来事となっています。それだけでも読む価値があります。(32歳 男性 無職)

まとめ

いかがでしたでしょうか。西村 賢太のおすすめ小説を紹介しました。ぜひ作品を手に取って読んでみてください。

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