佐藤愛子は1923年生まれ、戦後の1950年に「青い果実」でデビューをしました。小説だけでなくエッセイの作品も多い作家です。
長年かけて執筆をした長編小説、心霊体験にもとづいたオカルト的な作品、自身の体験談と考えを書いたエッセイなどなど、膨大な作品を世に送り出しています。
そんな佐藤愛子の作品から、読者アンケートでおすすめの小説を12冊を選びました。ランキング形式で紹介していくので、どの作品を読もうか考えるときの参考にしてください。
1位「九十歳。何がめでたい」9票
御年九十二歳、もはや満身創痍。ヘトヘトでしぼり出した怒りの書。全二十八編。
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読者の声
90歳にもなるともうすっかり落ち着いていそうなのに、佐藤愛子さんは変わらずとても正直にズバッとものを言うところ。(50歳 女性 パート・アルバイト)
長生きをした高齢者から見た内心を模写されています。人生について考える切欠を与えてくれます。(52歳 男性 会社員)
長生きしてきた作者ならではの日ごろ感じることや思いなどがよくわかる本です。(19歳 女性 学生)
92年間の生涯を生き抜いたのは凄いですが、それなりの苦労があったと思えば辛抱強いと感じました。(52歳 男性 会社員)
読むと前向きになれます!人生の大先輩の明るく大らかなエッセイです。(45歳 女性 パート・アルバイト)
長生きをすればするほど幸運だ楽しい人生だという価値観がひっくり返った。(50歳 女性 主婦・主夫)
年齢を重ねてさらに思ったことをズバリものいう佐藤愛子さんのエッセイは悩みやすい私にとって痛快です。(43歳 女性 主婦・主夫)
最近は犬の鳴き声や小さい子供がはしゃぐ音でさえも騒音だというけれどそれは町が活気に満ちている証拠だというところに感銘を受けました。(40歳 男性 パート・アルバイト)
佐藤愛子さんのずばっとおっしゃることが、読んでいてとても面白かったです。(26歳 女性 会社員)
2位「血脈」8票
物語は大正四年、人気作家・佐藤紅緑が妻子を捨て、新進女優の横田シナを狂おしく愛したことに始まる。父親への屈折した思いを胸に、散り散りになる八郎、節、弥、久の四人の息子たち。シナのつれなさに苦悩する紅緑が半ば別れを覚悟した矢先、シナの妊娠が判明。大正十二年、愛子の誕生で、二人は離れられぬ宿命を受け入れる。
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読者の声
佐藤家はまさに破天荒、波乱万丈という言葉が ぴったりきます。登場人物も多いのですが、そ れぞれの生き方を著者の巧みな表現力によりド ラマティックに描かれています。上・中・下3 巻もある大作ですが、いづれも迫力があり、飽 きることなく読破してしまいました。(27歳 女性 会社員)
大正の初めに人気作家の佐藤紅緑が妻子を捨て、新進女優の横田シナを愛するというストーリーの斬新さ。(49歳 男性 会社員)
まだまだ男性上位の時代、翻弄されながら生き抜く女性の姿が非常に印象的な作品。(47歳 男性 会社員)
女性ならではの人生の狂おしさと壮大さを描いている大河小説です。(39歳 女性 無職)
上・中・下巻、厚い3冊にわたる破天荒な佐藤家の長く波乱に満ちた人間の物語です。とにかく代々の家族が皆良くも悪くも曲者揃い溢れる活力、強力な個性が、旧き時代で四方八方躍動します。正に「まともに畳の上で死ぬ者がいない」。佐藤愛子の、人の悲しみをとぼけた笑いに包んで描く筆力を存分味わえます。(39歳 女性 パート・アルバイト)
佐藤愛子の父、佐藤紅緑から始まる佐藤家一族の荒ぶる血の記録。紅緑の他には、愛子の異母兄ハチローなど個性的な人物やエピソードが多く、長い話だけど楽しめます。(45歳 男性 自営業)
自伝的小説で、佐藤愛子のファンでエッセイを読んだことのある人ならすでに知っている内容が、彼女特有のユーモア抜きに純文学的に書かれている点が面白い。(40歳 女性 主婦・主夫)
意外とページ数がありましたが思ったよりもすらすら読むことができました。考えさせられます。(29歳 男性 会社員)
3位「戦いすんで日が暮れて」6票
ボンクラ亭主が拵えた山のような借金。妻はそれを肩代わりして、憤りに燃えながらも休む間もなく奮闘する。瑞々しくユーモアとペーソスに溢れる、直木賞受賞作。表題作のほか、「ひとりぽっちの女史」「ああ男!」「田所女史の悲恋」など全八篇を収録。あらゆる世代を魅了する著者の代表作、待望の新装版化。
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読者の声
毒吐きまくり。ご自身の苦労したエピソードをユーモアたっぷりに吐き出し、ゲラゲラ笑ってしまう。読後は悲壮感なく、疾走感のみ。(52歳 女性 会社員)
夫が作った山のような借金を孤軍奮闘しながら返済していく妻の姿が思いのほかユーモラスで読みやすかったです。(48歳 男性 パート・アルバイト)
再婚した夫の会社が急に倒産し、膨大な借金を背負い込んだ妻(著者)を独特のユーモラスな筆致でペーソス豊かに描いた作品です。(59歳 男性 自営業)
なんとも情けない夫なのですが、なぜかほっとくことができない、不思議な魅力を持っているところです。(45歳 女性 自営業)
弱気な夫と強気な妻が戦う姿を描いていますが、悲しみの中にユーモアもあり、最後はほろりとする気持ちになれます。作者の日頃の言動からも推察できるところが面白いです。(62歳 男性 会社員)
戦後の人々の心境が、想像も絶する程、感慨深く、戦争を体験したことのない自分にとって、気付かされる面が多い点で、気に入っています。(28歳 男性 会社員)
4位「私の遺言」3票
北海道に山荘を建てたときからそれは始まった。屋根の上の足音、ラップ音、家具の移動をともなう様々な超常現象、激しい頭痛。私はあらゆる霊能者に相談してその原因を探った。そうせずにはいられなかった。
やがてわかった佐藤家の先祖とアイヌとの因縁。霊界の実相を正しく伝えることが私に与えられた使命だったのか。浄化のための30年に及ぶ苛烈な戦いを記した渾身のメッセージ。
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読者の声
タイトルからはとても想像出来ずにいた壮大なストーリーで、結末に驚かされる良い内容です。(42歳 女性 無職)
佐藤愛子さんが北海道の別荘に行ったときにラップ音などの様々な霊現象に悩まされ、美輪明宏さんなどに相談するとその答えから事実に基づく様々な因縁が明らかになってきて、本当に霊の世界はあるんだろうなと思わせてくれる内容です。(51歳 女性 主婦・主夫)
人生に悩んでいても、超常現象との闘いの中でユーモアたっぷり、さっぱり、達観とした佐藤さんの物事の捉え方に触れていると、何があっても乗り越えていける勇気をもらえます。亡くなった遠藤周作さんが出てきて佐藤さんと会話する場面が大好きです。お二人は作品を通して生き方のヒントをくれていたのだと思います。(50歳 女性 パート・アルバイト)
5位「冥途のお客」2票
岐阜の幽霊住宅で江原啓之氏が見たもの、狐霊に憑依された女性の奇妙な話、夜中に金縛りにあった初体験、父・紅緑の霊が語ったこと、霊能者の優劣…。「この世よりもあの世の友達の方が多くなってしまった」佐藤愛子さんの、怖くて切ない霊との交遊録、第二弾。安らかな死のためには、どう生きたらいいかを考える一冊です。
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読者の声
オカルトを断固として信じない方の怪談話。頑なに否定していたオカルトの世界を実体験してしまうギャップが却って読み応えありました。(55歳 女性 自営業)
独特のユーモア溢れるカラッとした文体で、鬼籍に入った小説家たちとの交遊録を書き上げた作品です。(50歳 女性 自営業)
5位「冥界からの電話」2票
ある日、死んだはずの少女から電話が掛かってきた。一度ならず、何度も。そして、生きていた頃と変わりのない声で会話を交わす。一体これは何なのだろう…。死は人生の終点ではない。肉体は消滅しても魂は滅びない。死はつづく世界への段階です。まだ続きがあるのです。著者が実体験から伝える渾身のメッセージ。
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読者の声
読み進めていくうちに、死生観や常識の向こう側を見ることができたような感覚になりました。(46歳 男性 会社員)
亡くなっているはずの少女からの電話が全ての始まりで、死後の世界についての価値観が変わるかもしれない1作です。目に見えないものにも興味がある人必見です。(32歳 女性 自営業)
5位「人生は美しいことだけ憶えていればいい」2票
波乱の人生を元気に怒りながら生き、辿りついた真実。読むだけで元気が出る!痛快人生論。
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読者の声
言葉の重みが違います。一生懸命生きれば、それで良いんだと勇気づけられ共感と元気をいただきました。(48歳 女性 主婦・主夫)
とても読みやすく、元気と勇気をもらえるような内容の話でした。(29歳 女性 無職)
5位「それでもこの世は悪くなかった」2票
人から見れば悲劇かもしれない人生。しかし、正々堂々、力いっぱい生きた私はいま、満足だ―こんな佐藤愛子は、どうしてできた? 93歳、初の語り下ろし人生論。
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読者の声
生きる活力を与えてくれるし、長生きしている人だからこそ語れる事が多く書かれているので好きです。(31歳 男性 パート・アルバイト)
93歳の人が書いているということですかね。この本に書かれた「苦しいことが来た時にそこから逃げようと思うと、もっと苦しくなる」という、言葉が印象的でした。(20歳 男性 無職)
6位「凪の光景」1票
何の享楽も知らず、己の信念のために戦うことを生き甲斐とする元小学校校長・大庭丈太郎。謹厳実直な夫に仕えて40年。糟糠の妻・信子。庭続きには息子一家が住み、老夫婦は傍目には「幸福」そのものに写るのだが…。
ある日、信子は戦中戦後の苦闘の中に埋もれた青春の日々を何とか取り戻すのだと突然、丈太郎に「シルバー革命」を宣言し、次々と企てを起こし始めた…。
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読者の声
熟年離婚という問題を通して描かれる、人間という存在の危うさと悲しさそして愛おしさ(56歳 男性 無職)
6位「人生論 あなたは酢ダコが好きか嫌いか」1票
夫婦とは、愛とは、喧嘩とは、孤独とは、恋とは、生きるとは―いわば酢ダコのようなもの!?悩み、愚痴、怒り―年の差50歳の真剣勝負。
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読者の声
佐藤愛子さんと小島慶子さんの手紙の往復書簡集です。小島さんの悩みに対して答えがなるほどと思います。(50歳 女性 会社員)
6位「気がつけば、終着駅」1票
離婚を推奨した1960年代、簡単に結婚し別れる2020年。世の中が変われば、考えも変わる。初エッセイから55年。佐藤愛子、これでおしまい。
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読者の声
離婚を推奨した1960年代、簡単に結婚し別れる2020年。世の中が変われば考えも変わる。50年の間に「婦人公論」に掲載したエッセイなどをまとめたエッセイです。(44歳 男性 自営業)
6位「かくて老兵は消えてゆく」1票
楽隠居になるはずが――どうしてこうなる?
楽隠居を目指したはずが「楽」のつかないただのばあさんになったという佐藤愛子さん。3・11以後の世相を鋭く考察したエッセイ集。
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読者の声
自身の今後の隠居生活について、面白おかしく綴っています。楽に隠居したいと考えているようですが、そうもいかないだろうとあれこれ書いているのが面白い部分です。(47歳 男性 自営業)
まとめ
いかがでしたでしょうか。佐藤愛子のおすすめ小説をランキング形式で紹介しました。ぜひ作品を手に取って読んでみてください。