原田 宗典おすすめ小説・エッセイ ランキング12選【読書好き40人の声を集めました】

原田 宗典は1959年生まれの小説家。1984年に「おまえと暮らせない」で、すばる文学賞に佳作入選しました。その後、作家活動に専念し、小説だけでなく、面白いエッセイ作品も生み出しています。

今回、原田 宗典の作品についてアンケートをとった結果をふまえて、おすすめの小説をランキング形式で紹介します。

1位「スメル男」12票

彼女と一緒に犬探しに没頭した二日間、ぼくは自分の部屋へも戻らなかったかし、酒も飲まなかった。生活がいつもの単調さを失ったおかげで、アルコールの助けを借りなくても眠れたのだ。

たった一晩の禁酒で、ぼくの体は見違えるように軽くなった。いつもの朝、起き抜けに胃の腑から背中にべったりと張りついている泥。その汚れた重みが、ぱさぱさに乾いて剥げ落ちたような感じだった。

ところが実際にはぼくの体はひどく病んでいたのだ。本人であるぼくですら分からなかったのだが。もちろんマリノレイコも、ぼくの体の異常には気付かなかった。知っていたのは、犬だけだったのだ…。

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読者の声

主人公の体から東京全域に及ぶほどの悪臭が漂うという突飛な設定が面白く、スリリングな展開があるのも良かった。(26歳 男性 パート・アルバイト)

主人公の体から突然異臭が漂い始めるという奇抜な設定から、コミカルな場面や切ない場面もあり、何度も読み返したくなる作品です。(35歳 女性 主婦・主夫)

たった一人の体臭をきっかけに様々な事件に繋がっていくサスペンスやコメディを盛り込んだエンターテイメント性の高い作品。(34歳 男性 会社員)

大笑いするシーンがあったり、切なくなるシーンがあったり、読みながら感情がさまざまに動かされる点がおすすめです。(40歳 女性 会社員)

登場人物のキャラクターがそれぞれ非常に濃いため、飽きずに最後まで楽しめる面白い小説です。(20歳 女性 学生)

匂いのわからない主人公が世界を相手に戦っていく姿が面白いです。(23歳 男性 パート・アルバイト)

主人公は体臭が激烈で親の遺産でニートしている男。登場人物は皆どこか狂っていて終始笑えるコメディです。(25歳 男性 会社員)

スケールの大きさに壮大な展開が夢中になって読める作品でとても面白いです。(38歳 男性 会社員)

突然異臭がし始め、天才が仲間になる展開で青春ものの作品は間違い無し。(23歳 男性 無職)

わきの下の匂いがどんどんひどくなって行くという話。笑いながらドキドキが続くSF(?)小説です。(57歳 女性 主婦・主夫)

母親を亡くし、友人もなくした大学生が孤独な毎日を送っていましたが、3年後自分の体から強烈な異臭を放ってしまい、東京中を大混乱させ世界規模の組織を敵に回してしまいます。そこにヒーローが現れ救ってもらう、と言う小説です。(58歳 女性 主婦・主夫)

主人公の体から東京中に及ぶほどの異臭が漂うというぶっ飛んだ設定が魅力的ですし、ストーリー展開も惹き込まれるものがあって良い作品です。(26歳 男性 パート・アルバイト)

2位「メメント・モリ」9票

メメント・モリ、死を想え。生からの一瞬の暗転である、静かに確固たる死を。夢想だにしなかった出来事の連続である、かくも恥多き人生のただ中で…。

著者10年ぶりの復活を明かして、異彩を放つ長篇小説。

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読者の声

自己の破綻した生活ぶりとその苦悩を小説というスタイルでめんめんと綴る傑作。(56歳 男性 無職)

人は生から一瞬で死に暗転するという重たいテーマを描いた長編作品。(27歳 女性 主婦・主夫)

生きること、生きていることが大切であるということを思わせてくれる、ホッとするような作品です(39歳 男性 自営業)

人生とは一体何なのかというような事を投げかけててくれる読後感が独特な作品だから。(33歳 女性 主婦・主夫)

自身の体験をつづっているため非常にリアリティーがあって引き込まれる。(20歳 女性 無職)

物悲しいけど最後には希望を感じさせてくれる作品。原田ワールド全開。(32歳 女性 主婦・主夫)

死生観を今一度考えさせられる作品です。途中読んでいて辛くなりますがぜひ最後まで読んで欲しい作品です。(22歳 女性 学生)

原田先生の久々の新作であるとともに、原田宗典の作品の中でも特異な位置を占める傑作だと思います。(34歳 男性 会社員)

生きている今を大いに楽しみなさいと思える優しく温かくなれるエッセイ(48歳 女性 主婦・主夫)

3位「醜い花」4票


醜い花 新装版

さて大陸のまんなかに、うす紫の湖があって、そのほとりには一輪、見たことも聞いたこともない花が、恥かしそうに控え目にこっそり咲いておりました。「醜い花」というのがその花に冠せられた名前でした―。

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読者の声

何のために生きているのか、まるで存在意義を説いているような原理的な要素が感じられる花に例えたきれい詩の世界が儚くも美しく映し出した作品です。(35歳 男性 会社員)

醜いと美しいとは客観的に、普遍てに決められるものではない。相対的で、見る人各々の中にある基準による。(46歳 男性 会社員)

美しく、とても幻想的に一冊です。強いメッセージ性の込められた、素晴らしい作品ですので、心を落ち着かせたい方へオススメです。(45歳 男性 自営業)

とてもメッセージ性が強く、心に響く内容でした。自分を見つめる意味で読んでもらいたいです。(39歳 男性 会社員)

4位「優しくって少しばか」4票

男は、いけない。女もいけない。いけない二人が一諸にいるから、なおいけない。けれど一人じゃいられない。答えは出ないと知りながら、次から次へと問題提起。

重なったり、離れたり。擦れ違ったり、傷つけたり。危うい男と女の関係を縒り合わせて編んだ、問題の多い六つの中短編。原田宗典の第一作品集。

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読者の声

男女間のたわいもない事柄がぞっとするような異質な雰囲気で描かれています。(58歳 女性 会社員)

男女間の微妙な価値観の違いを独特な表現で描かれているのが面白いです。(38歳 男性 会社員)

邦画の、柔らかくて生々しい静かな雰囲気が好きな方におすすめです。表題作は風邪を引いた男女が寝ているだけのお話なのですが、風邪でぼ~っとしたとき特融の、だらだらととりとめのない文体がおもしろい。起承転結よりも文体そのものを楽しむような、映像ではなく小説を読むことの喜びを感じる短編集です。(28歳 女性 会社員)

タイトルで買った。エッセイかな?とおもって読んだらお洒落な短編集でした。(51歳 女性 パート・アルバイト)

5位「平成トムソーヤー」2票


平成トム・ソーヤー (集英社文庫)

一見、どこにでもいそうな高校生ノムラノブオの指先には、超能力とも呼ぶべき力が秘められていた。鋭敏な感覚を生かした、神業のようなスリの手腕である。

そんな彼の力に目をつけた同級生スウガクと、可憐な女子高生キクチ。三人は自らの未来を賭けた、大それた計画を企てるのだが…。大都会の暗部を軽やかに疾走する、新世代の冒険小説。

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読者の声

スリの天才的才能がある青年が仲間と試験問題を手に入れようとする、ドキドキする物語。青春の甘酸っぱさ、ほろ苦さも描かれています。(40歳 女性 パート・アルバイト)

すごくハラハラする小説で、また文章がすらすら読みやすかったです。(28歳 女性 主婦・主夫)

5位「十七歳だった!」2票

家出、バイク、エッチ、恋…。初体験が巻き起こす、恥ずかしくもおもしろい勘違いの数々。高校時代の期待と憂鬱をいきいきと描いた大爆笑エッセイ集。

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読者の声

高校時代、自分自身と重ね合わせながら読みました。エロ本や不良に興味を持ちながらも、小心者ゆえに巻き起こすエピソードがおかしくて笑えたり、好きな女の子や親との関係性にしみじみさせられたり、面白い一冊です。(44歳 男性 会社員)

エッセイですが、すごくおもしろいです。私は学生時代、電車で読んでいて吹き出しました。人前で読むには危険です。でも、話が全部想像できて、実際ありそうで、本当に面白いです。(40歳 女性 主婦・主夫)

5位「十九、二十」2票

僕は今十九歳で、あと数週間で二十歳になる―。父が借金を作った。ガールフレンドにはフラれた。せめて帰省の電車賃だけでも稼ごうとバイトを探したが、見つかったのはエロ本専門の出版社だった。

岡山から東京に出てきて暮らす大学生、山崎の十代最後の夏は実にさえない夏だった。大人の入口で父の挫折を目にし、とまどう青年の宙ぶらりんで曖昧な時を描く青春小説。

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読者の声

うだつの上がらない主人公のほろ苦い日々を描いた、ある意味大人の洗礼を浴びるとも言える青春群像記。(43歳 女性 無職)

この位の年齢の頃の感性や悩み等が、当時の自分を思い起こさせるため。(49歳 男性 会社員)

6位「平凡なんてありえない」1票

学生時代に、三十種類をこえるアルバイトに従事した原田青年。ビル掃除、レストランの洗い場、製本所、給油所の洗車係など、肉体的にはキツくてカッチョわるかったけれど、身体を酷使してお金を稼ぐ甲斐性のある時代だった…。

セキララなバイト体験に、赤面の若気のいたり。初恋、初の一人旅、初めてパパになった日など、原田青年の初体験の連続に爆笑。合間に思わずホロリとなる傑作エッセイ集。

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読者の声

学生時代に30種類以上のバイトを経験したのは本当に精神が強いと思いました。(41歳 女性 会社員)

6位「百人の王様・わがまま王」1票

百人の王様 わがまま王
出典:https://www.amazon.co.jp

昔々ある国に百人の王様がおりました。全部で百人しかいない国なのに百人全部が王様なので何だかみんな暮らしにくくてかないません…。かつて子供だった大人のための寓話「百人の王様」「わがまま王」を著者の挿画入りで収録。

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読者の声

1話目の「百人の王様」は百人の王様がいるという設定が面白く、どこかほっこりするストーリーだった。また2話目の「わがままな王様」の方はゾクリとする感じで、対象的な話なのが良かった。(46歳 女性 主婦・主夫)

6位「何の印象もない女」1票

グレゴール・ザムザは困っていました。ついにこの間朝起きてみたら一匹の虫に変身していて往生したばかりなのに、今度は一台の顕微鏡に変身していたのです(「顕微鏡になった男」より)。

魔法使いが売った呪文に始まり、神様の悩みや同情するロボットまで、出会いから出会いへ、九つのおとぎ話が一つにつながった奇跡的傑作「九つの物語」や書き下ろし作品「僕の国」を含むオリジナル短篇集。

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読者の声

特徴のない平々凡々として生きてきた女の一生の中にも、ドラマはあるということを描く深い作品。(39歳 男性 会社員)

6位「はたらく青年」1票

はたらくことが青春だッ、笑って汗を流すのだ!昨日もバイト今日もバイト、明日もあさってもアルバイト。時給300円のガソリンスタンドから、呑み屋店員、ビル清掃、エロ本配達などなど…バイトの王様・原田宗典がトホホでムフフな遍歴を語る、汗だく勤労エッセイ。

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読者の声

原田さんが若かかりし時に出くわした仕事の数々を軽妙洒脱な文章で面白おかしく紹介してくれます。単純に笑えて元気になれるし、時々は郷愁のような切なさを感じられるのでおすすめです!(37歳 女性 会社員)

6位「しょうがない人」1票

バイクの無免許運転で捕まった父を交番に引受けに向うぼく。豪胆を気取っていても本心は気弱で家族にやっかいばかりかける、しょうがない人―。そんな父親をうとましく思う反面、胸底には深い愛情を抱く息子のアンビヴァレンスな気持ちを軽快に描く表題作。

「非のうちどころのない球形」のメロンをもとめて街を彷徨するぼくの、交錯する現在と過去の物語「メロンを買いに」。繊細で豊かな傑作作品集。

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読者の声

表題作の、幼い頃誇らしく思っていた父の転落ぶりに嫌悪を感じながらも突き放せない主人公の葛藤は、齢を重ねるごとにぐっと胸にくるものがあります。原田さんはエッセイもおすすめですが、短編小説集ではこれが一番好きです。(49歳 女性 自営業)

まとめ

いかがでしたでしょうか。原田 宗典のおすすめ小説やエッセイをランキング形式で紹介しました。ぜひ作品を手に取って読んでみてください。

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