宮尾 登美子おすすめ小説・エッセイ ランキング14選【読書好き40人の声を集めました】

宮尾 登美子は1926年生まれの作家。強くたくましく生きる女性の姿を描く作風。今回、読書好き46人に宮尾 登美子おすすめ作品を1冊選んでもらい、その結果をまとめました。小説だけでなくエッセイも合わせてランキング形式で紹介します。

1位「藏」9票

雪国新潟、旧家にして蔵元の田之内家に娘・烈は生まれた。父意造、母賀穂、叔母佐穂らに見守られ健やかに成長した烈には、失明という苛酷な運命が待っていた。烈と家族それぞれの、苦悩と愛憎の軌跡を刻む渾身の長篇。

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読者の声

生まれた境遇や、次々と起こる災難に、不満や戸惑いを抱きながらも、逃げることなく受け入れ立ち向かっていく、昭和の、芯の強い女性たちが印象的です。雪国の蔵元という設定が凛とした空気感を醸し、着物、方言などがさらに情景を掻き立てます。読み終わると背筋を伸ばしたくなる作品だと思います。(51歳 女性 主婦・主夫)

情景描写が素晴らしく、映像が頭に浮かんで来るのが印象的でした。(33歳 男性 自営業)

主人公が過酷な運命を背負いつつも自らの力で運命を開いていく姿に感動します。蔵元の娘として産まれながら実母が亡くなり自身は病気で失明し、父親の後妻との関係に悩むなど次々と問題が生じますが、その中で女性でありながら蔵を継ぎたいとの思いを胸にし蔵人と恋愛するなど、烈の姿が作品の中で強くかつ瑞々しい女性として描かれている所に、この作品の素晴らしさを感じます。(44歳 女性 主婦・主夫)

蔵で生きてきた少女が、自身の障害を乗り越え蔵を受け継ぎ、恋をかなえていくたくましさに感動しました。(60歳 女性 パート・アルバイト)

作品自体の結末より、盲目な烈が亮太に惹かれるところや姉の死後、佐穂が確信にも近いくらい意造との結婚を思い描いていたのに、意造が芸者と結婚してしまった時の流れや描写が記憶に残っています。(52歳 女性 主婦・主夫)

視覚障害となった烈が、障害に負けず自分の意思を貫き、杜氏の世界に踏み込んでいく。いろいろな言い訳をせず、思うところを突き進め、そう教えてくれた本です。宮尾登美子さんは好きなのですが、遊郭の話が多く、女性の立場が弱い話が多いのですが、この話は安心して読めました。(55歳 女性 自営業)

目の不自由な主人公が運命を受け入れて、強く生きていく姿に感動しました。(40歳 女性 会社員)

新潟の大酒蔵に生まれた主人公が、ハンディキャップを背負いながらも、強く賢く生きていく姿が見られます。(50歳 女性 パート・アルバイト)

ヒロインの名前が烈。その名のとおり、非常に激しい気性の女性です。盲目でありながら、好きな男のところへ単独で出ていくクライマックスはすばらしい。(64歳 男性 パート・アルバイト)

2位「天璋院篤姫」8票

薩摩島津家の分家に生まれた篤姫は、よい心ばえの学問好きな姫に成長し、藩主斉彬の養女となった。聡明な人柄を見込んだ斉彬は画策の末、篤姫を13代将軍家定の正室として江戸城に送りこんだ。大奥3千人を統べる見事な御台所として、病弱な夫との形ばかりの結婚に耐え、養父の秘命を果たそうと努める篤姫。

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読者の声

大河ドラマの原作となった本なので時代小説でも詠みやすくて感情移入ができます。(24歳 女性 会社員)

徳川末期の激動の時代を生きた強い女性に感銘します。大奥の華やかな生活も垣間見れます。(65歳 男性 無職)

大河ドラマの原作になっていて、篤姫の生涯を女性らしい柔らかな文体で綴っているところが読みやすく心に刺さります。(22歳 女性 会社員)

大河ドラマの原作となっただけあり、読み応えがあります。篤姫の激動の人生を丁寧に描いた作品です。(48歳 男性 会社員)

大河ドラマの原作となった宮尾登美子の代表作。薩摩の武士の娘から将軍の御台所となった女性から見た幕末が生き生きと描かれている(30歳 女性 会社員)

篤姫の生涯が描かれていて面白く、ストーリーに惹き込まれる。篤姫はこういう女性だったのかと興味深く、分かりやすい歴史小説だった。(46歳 女性 主婦・主夫)

篤姫のことをあまりしらなかったけれどこの本を読んで強くいきるすがたに共感しました。(56歳 女性 会社員)

篤姫の波乱万丈の生涯が描かれているのが面白く、ストーリーも魅力的で惹き込まれた。時代物小説として最高の出来だった。(26歳 男性 パート・アルバイト)

3位「櫂」5票


櫂 (新潮文庫)

高知の下町に生れ育った喜和は、十五の歳に渡世人・岩伍に嫁いだ。芸妓紹介業を営み始めた夫は、商売にうちこみ家を顧みない。胸を病む長男と放縦な次男を抱え必死に生きる喜和。やがて岩伍が娘義太夫に生ませた綾子に深い愛をそそぐが…。大正から昭和戦前の高知を舞台に、強さと弱さを併せもつ女の哀切な半生を描き切る。作者自らの生家をモデルに、太宰治賞を受賞した名作。

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読者の声

改めて女性の強さを教えてくれますし、色々考えさせられた作品です。(38歳 男性 会社員)

ヤクザ者で売春の斡旋を行う一家に貢いだ女性の力強い生き様を描いた小説。(27歳 女性 主婦・主夫)

どんな苦労にも悲しみにもまけない主人公がとても好きで、何度読んでも感動します。(58歳 女性 会社員)

映画化もされた小説ですが、当時の日本社会、その中での女性の生きざまが、宮尾登美子さんの美しい文章でありありと表現されている。(50歳 女性 主婦・主夫)

時代が今とは違うので思わずうっとなってしまう作品です。ただこのような時代もあったんだと知見を広げる為になる作品です。(22歳 女性 学生)

3位「鬼龍院花子の生涯」5票

大正四年、土佐の高知に侠客業の看板を掲げた鬼龍院政五郎は、飛行機や相撲の興行、また労働争議の調停などで男をうる。政五郎・花子・養女松恵を中心に鬼政一族の浮沈や女たちの葛藤、鬼政一家をめぐる男達の世界を描く。土佐の一侠客を通し、今はうすれゆく仁侠道を浮き彫りにした傑作。

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読者の声

極道という世界の中で力強く生きていく主人公の花子の姿に力をもらう。(44歳 男性 会社員)

時代や職業の背景が非常に細かく描かれていて、面白かったから。また、花子の性格や振る舞いがあまりにお嬢様すぎてあわれを感じるほどだから。(49歳 女性 パート・アルバイト)

難解な描写が多いので一度読んだだけでは理解できないですが、読むたびに新しい発見があるから何度も読み返す人にはおすすめな作品です。(38歳 男性 会社員)

長編小説ですが、大正、昭和と生き抜いた波乱の人生を飽きさせず、集中して読めます。実話だという点も興味がわきます。映画化もされ、夏目雅子さんの「なめたらいかんぜよ!」と言う台詞とともにヒットしました。(51歳 女性 主婦・主夫)

大正昭和の時代背景がよく描かれていて興味深い。女衒や置家、侠客など人々の心情や生き方がダイナミックに書かれており長編ながら最後まで飽きずに読め、読み応えのある小説である。(46歳 女性 会社員)

4位「仁淀川」3票


仁淀川 (新潮文庫)

満州で敗戦を迎え、夫と幼い娘と共に必死に引揚げてきた二十歳の綾子は、故郷高知県の仁淀川のほとりにある夫の生家に身を落ち着ける。農家の嫁として生活に疲れ果てて結核を発病した綾子に、さらに降りかかる最愛の母・喜和と父・岩伍の死。絶望の底で、せめて愛娘に文章を遺そうと思い立った綾子の胸に「書くことの熱い喜び」がほとばしる。作家への遙かな道のりが、いま始まった―。

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読者の声

満州で敗戦を迎えてから作家になるまでの道のりが書かれていて、努力を感じさせる内容でした。(44歳 女性 団体職員)

太平洋戦争の終戦を満州で迎えた主人公は、夫と幼い娘と3人で必死に日本に引き上げました。夫の実家で農業に従事しますが結核になり、更に両親を亡くし絶望します。せめて娘には自分に思いを残そうとします。文章を書く喜びが自身の小説家としての道を考え出すようになります。(58歳 女性 主婦・主夫)

作者の自伝的小説で、戦時中に満州へ移住し、戦後日本へ引き上げてくるまでを実際の悲惨な経験をもとに描かれているところが胸に迫る思いがしました。(65歳 女性 主婦・主夫)

5位「きものがたり」2票


きものがたり (文春文庫)

幼い頃から着物になじんできた著者が箪笥の中身を大公開。苦労多かった母親が残した泥大島、直木賞授賞式に着た山茶花の訪問着など着物にまつわる思い出と歴史を綴ったエッセイは、著者が歩んできた人生をも物語っている。一月から順に並べられた着物のカラー写真は着物歳時記。和装の参考書にも適している。

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読者の声

きものの悲しみ、きものの思い出を書いていますが、内容は私自身の好みとは違いますが、とても勉強になります。(42歳 男性 会社員)

6位「東福門院和子の涙」1票


レジェンド歴史時代小説 東福門院和子の涙(上) (講談社文庫)

将軍家から朝廷に嫁いだ和子は、宮廷の女たちの巧妙な妨害により、帝と心を通わすことがなかなかできずにいた。周囲のはからいでようやく二人の仲が深まったのは、入内から二年四ヵ月後であった。和子はあまたの子をもうけ国母となるも、幸福は長続きしない…。愛と哀しみに翻弄された生涯を描く大作、感動の結末へ!

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読者の声

徳川二代将軍・秀忠の末娘・和子は、武家から朝廷へ嫁いだ初めての女性であり、その人生の葛藤を描いた深い内容。(39歳 男性 会社員)

6位「生きてゆく力」1票


生きてゆく力 (新潮文庫)

貧しい家の少女たちを妓楼に斡旋することを生業としていた父への怨みと憤り。姉妹のように育った「仕込みっ子」たちの、芸妓、娼妓となってからの哀しい末路。幼子を抱え結核を患いながらも、農家の嫁として家事をこなした日々。満州で夜空の満月を仰いでは想いを馳せた、故郷の豊かな川。

創作の原動力となった心に突き刺さる思い出を、万感の想いを込めて綴った自伝的エッセイ。

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読者の声

自伝エッセイです。自分の父親の職業(身売り斡旋)に嫌悪感を抱きながらも生きてきた。それゆえ宮尾登美子の作品には遊郭の話が多いのです。(68歳 女性 主婦・主夫)

6位「春燈」1票


春燈 (新潮文庫)

土佐の高知で芸妓娼妓紹介業を営む家に生まれ育ち、複雑な家庭事情のもと、多感な少女期を送る綾子。育ての母喜和と、実父岩伍の離縁という破局の中にあって、若くみずみずしい心は激しく葛藤し、やがて束の間の淡い青春を迎える…。

両親の側から生家の事情を克明に描いた名作『櫂』と、戦時下の満州での苦難の結婚生活に焦点を当てた『朱夏』を架橋する、著者渾身の自伝小説。

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読者の声

主人公綾子と育ての母の貴和との関係が好きでした。綾子が登場する作品は何作かありますが、この作品が一番自分自身の感情が入りやすかったです。(48歳 女性 会社員)

6位「朱夏」1票


朱夏(上) (集英社文庫)

綾子、19歳。土佐の開拓団の子弟教育のため、夫の要の満州(現、中国東北部)行が決まると、大陸での生活を夢み、生後50日目の美耶を抱え、故郷を旅立った。広野での生活は不便さ半分、楽しさ半分だったが、戦局は悪化し、やがて日本の敗戦が知らされた…。宮尾文学の原点、自伝的長篇小説。

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読者の声

開拓団の子弟教育のため満州に向かった夫。主人公綾子は生後まもない子とともについていきますが、その地で終戦を迎え大変困窮することになります。遠い地での戦禍を知れる本です。(60歳 女性 主婦・主夫)

6位「湿地帯」1票

東京から高知県庁へと赴任した薬事課長・小杉。地元薬品業界の悪質な官民癒着に立ち向かう彼を、利害で結ばれた濃密な人間関係の壁が阻む。一方で美貌の人妻・晃子との秘密の恋が、小杉をのみこむ。南国の熱気、情念に満ちた女たち、闇を抱えた男たち、そして突然の死──。

高知を舞台にした後年の自伝小説群に連なる、情感あふれる筆致が冴える。著者若き日の、謎を孕んだ恋愛小説。

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読者の声

官民癒着な性質と恋愛体質な赤裸々な世界に面白さがあります。(35歳 男性 会社員)

6位「寒椿」1票

高知の芸妓子方屋「松崎」で、揃って修業を積んだ澄子、民江、貞子、妙子。姉妹のように睦みあって育った娘たちも、花柳界に身を投じる時を迎える。男と金が相手の鉄火な稼業を、自らの才覚と意地で凌いでゆく四人に、さらに襲いかかる戦争の嵐―。

運命の荒波に揉まれ、いつか明暗を分けてゆくそれぞれの人生を、「松崎」の娘・悦子の目から愛惜をこめて描き、生きることへの瑞々しい希望を呼び起こす傑作連作集。

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読者の声

牡丹を巡り、たくさんの人々を巻き込んで深みを帯びていく2人の争い。(20歳 女性 無職)

6位「クレオパトラ」1票


クレオパトラ〈上〉 (新潮文庫)

紀元前1世紀のエジプトに降臨した美しき星・クレオパトラ。神に導かれ、弱冠18歳で女王として民のために生きる決意を固めたクレオパトラは、エジプトを脅かすローマ将軍達との危うい駆け引きの中で、運命の人シーザーと巡り合う―。

宿命を背負いながら靱く生きる女性を描いて圧倒的な共感を得てきた著者が、古代地中海世界を彩った古の魂と呼応して生み出した、壮大で華麗な物語。

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読者の声

クレオパトラを題材した小説は多いが、宮尾さん特有の美しい言葉の運びが続いていて、当時のエジプトとの政治情勢とクレオパトラ本人の情熱が相まっている様子をうまく叙述していると思うから。(34歳 女性 パート・アルバイト)

6位「きのね」1票


きのね(上) (新潮文庫)

上野の口入れ屋の周旋だった。行徳の塩焚きの家に生れた光乃は、当代一の誉れ高い歌舞伎役者の大所帯へ奉公にあがった。昭和八年、実科女学校を出たての光乃、十八歳。やがて、世渡り下手の不器用者、病癒えて舞台復帰後間もない当家の長男、雪雄付きとなる。使いに行った歌舞伎座の楽屋で耳にした、幕開けを知らす拍子木の、鋭く冴えた響き。天からの合図を、光乃は聞いた…。

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読者の声

市川海老蔵さんが好きで読み始めた小説ですが、市川海老蔵のお祖母さんにあたる方である11代目市川團十郎の後妻「堀越千代」をモデルにした小説になります。当時の結構の掟などが書かれており大変勉強になる小説です。(25歳 男性 会社員)

まとめ

いかがでしたでしょうか。宮尾 登美子のおすすめ作品をランキング形式で紹介しました。ぜひ作品を手に取って読んでみてください。

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