藤田 宜永おすすめ小説ランキング14選【読書好き29人の声を集めました】

藤田 宜永は、デビュー当初は犯罪小説や冒険小説を、以後は推理小説や恋愛小説の作品を中心に手がけ、多数の作品を残した作家です。

1986年に「野望のラビリンス」で作家デビューしました。その後は受賞歴も多く、1995年に「鋼鉄の騎士」で日本推理作家協会賞、2001年に「愛の領分」で直木賞を受賞しました。

今回、読書好きの方々にアンケートをとり、藤田 宜永の作品から1冊を選んで感想を書いてもらいました。その結果を人気の高い順に紹介します。

「愛の領分」7票

仕立屋の淳蔵は、かつての親友高瀬に招かれ、追われるように去った信州の故郷を35年ぶりに訪れる。高瀬の妻の美保子は昔、淳蔵が恋焦がれた相手だが、年月が彼女を変貌させていた。

佳世と出会った淳蔵は年齢差を超えて惹かれるが、過去の事実が二人の恋情をより秘密めいたものにしていくのだった。直木賞受賞作。

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読者の声

大人の恋愛をしっとりした気持ちで楽しめる作品で好きです。最初は静かな気持ちで楽しめて、あとで胸にじわじわとくるものがあります。(42歳 女性 パート・アルバイト)

重みのある大人の恋愛小説です。40になっても50を過ぎても、誰かを愛することが出来るって素敵なことです。(47歳 男性 自営業)

若い時とは違う、大人の生々しい情愛、嫉妬、欲望が描かれていて読み応えがあります。ぜひ中年の方に読んで貰いたいです。(50歳 女性 主婦・主夫)

年齢のいった男女4人の恋愛関係を、年相応の感情を表現している所に読者も納得できる所がお薦めです。(42歳 男性 会社員)

秘密に満ちた恋愛の泥沼にはまる男と女を描く物語で恋愛の美しさと恐ろしさを描いた作品です。(27歳 女性 主婦・主夫)

藤田吉永といえば恋愛小説のイメージがありその中でも自分の記憶に強く残っている作品はこの作品です。複雑な男女のすれ違いが展開していくなかで苦悩する大人の恋愛が感じられる作品です。(25歳 男性 パート・アルバイト)

大人の恋愛小説です。二組の夫婦、それぞれに関わりのある事情で織りなしていくストーリー。(68歳 女性 主婦・主夫)

「大雪物語」5票

多くの別荘地を抱え、避暑地として名高いK町が記録的な大雪に見舞われた。町民や観光客、仕事のため車で訪れた人々も動きがとれない。除雪作業も追いつかず、災害救助法が適用され、自衛隊の派遣を要請する事態に。

想定外の変化が引き起こした出会い、別れなどを描いた六つの物語。吉川英治文学賞受賞作。

「BOOK」データベース

読者の声

雪の中で起こる奇跡のようなお話を、温かく描いてます。冬の寒い日に読みたいですね。(28歳 女性 会社員)

99cmの観測史上初の大雪に見舞われた町で紡がれる6つのストーリーを描いた作品です。(25歳 男性 会社員)

大雪に閉じ込められた人々のストーリーで、どれもあたたかく、切ない小説です。(48歳 男性 会社員)

冬にとある街で、観測史上初の99センチという豪雪に見舞われる。そんな中の避難所を設ける花屋、車に閉じ込められた人たちの救済支援にあたる自衛隊員、独居老人を救った青年の過去など、一つ一つの点が線でつながる面白さがあります。(42歳 男性 会社員)

災害を引き起こした雪が人の奇跡的な出会いを引き起こしたのは、とても信じがたい内容でした。(42歳 女性 自営業)

「転々」5票

借金をかかえた青年・文哉の前に現れた無頼な風体の男。「百万円払うから一緒に散歩しろ」という奇妙な提案を受け、文哉は男と共に歩き出す。井の頭公園から出発し、東京を東へと横断してゆく二人。

現実の歩みはいつしか記憶の中の風景と重なり、文哉は今までの人生で失ったものを取り戻そうとするが、短い旅の終わりには衝撃の結末が。夢と孤独が交錯する哀愁ロード・ミステリー。

「BOOK」データベース

読者の声

大学生が主人公となっているので、大学生の自分にとって身近に感じた作品です。読んだ後は少し悲しさが残りますが、新しいことにチャレンジしてみようと思えたり少し勇気がもらえる内容になっています。(20歳 女性 学生)

井の頭公園から霞ヶ関までの東京をめぐる旅の間、切羽詰まっているはずなのに、いつまでも続いてほしいような感覚に陥る。(19歳 男性 パート・アルバイト)

発刊された当時、私も主人公と同じ大学生だったので、サラ金に追われている主人公が東京を転々としている様子が、ハラハラドキドキします。(44歳 男性 会社員)

東京の西側を舞台に転々とする、奇妙な取り合わせの男達の物語が面白い。(36歳 女性 団体職員)

秘密を抱えた男たちの東京散歩というテーマが面白く、様々な展開が織り込まれたストーリーが好きなポイントです。(33歳 男性 会社員)

「還暦探偵」2票

還暦が腐れ縁を復活させ、かつてのマドンナを居酒屋に誘い出した二人組。杯を重ねるうち、マドンナは切り出した。「ねぇ、探偵を引き受けてくれないかしら」驚きが同情に変わり、ついでに好奇心が頭をもたげてくる。人生の表舞台から降りるには俺たちまだまだ早すぎる…。

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読者の声

高齢者がよんで、「しゅん」となるストーリーです。年をとっても男は「男として恋をする、女性に魅力を感じる」し、妻については別の意味で思い悩み続けます。そんな高齢者の恋にたいする生きざまを、リアルに描く内容です。人生いろいろあります。年をとればとるほど。仕事がないとき、家族がさるとき、おじさんは皆そんな境遇に出会う場面が訪れ、胸のうちを描きます。(54歳 男性 会社員)

還暦の恋愛小説ってなかなかないし、面白いのかな?と思いながら読みましたが、思いのほか読んでいて面白かったです。(39歳 女性 主婦・主夫)

「ダブル・スチール」1票

本多陽一郎、四十六歳。かつてプロ野球の名投手と謳われながら、賭博事件に巻きこまれ、八百長投手の汚名をきせられ球界を追われた男。妻の借金絡みの不祥事も公となって、逃れる様に日本を去って十八年。今ではパリのオペラ通りに日本料理店を構え、地味な生活を営む。

そんなとある日、本多は一人の少年と出逢う。ミッシェル寺井。アマ野球チームの剛腕投手。この時、本多の内に潜んでいた野球への熱き思いは野望へと形を変えた。本多は寺井をプロ投手として育てあげ、やがて日本へと導いてゆく。

汚辱と栄光の過去は時を超えて、東京の空に弾けた―。

「BOOK」データベース

読者の声

ハードボイルドや男のロマンが詰まっていて、凄く読み応えがある作品です。(38歳 男性 会社員)

「わかってください」1票

恋は、遠い日の花火なんかじゃない、今そこにあるもの。恋は、若者たちの特権なんかじゃない、熱い思いのストックなら、たんと持っている。恋の熾火にふと気づいて、掻き廻したくなるとき。たまさか出会った相手に、自分の過去を重ねてみるとき。直木賞作家の年季が物を言う短編集。

「BOOK」データベース

読者の声

金とお金に余裕のある60代男のロマンス小説。現代に生きる自分に置き換え、残りの人生どのような境地に立つことが出来るのかを感じて欲しい作品(53歳 男性 会社員)

「喜の行列 悲の行列」1票

宝福喜朗は、そのおめでたい名前とは裏腹に地味で平凡なサラリーマンだ。「福袋の行列に並んで欲しい」。家でのんびりと年を越すはずが、妻と娘にせがまれ、今年は寒空の下へ送り出されてしまった。

大晦日、デパート脇に並ぶ喜朗の顔は晴れない―行列する人々の運命が不思議な接点で結ばれていくことも知らず…。さまざまな人生が交錯する、初売りまでの48時間。

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読者の声

大晦日の夜の福袋ために並ぶ行列での話という設定で、ここまでの展開ができたのはさすがとしか言えない。そして、藤田さんが書く主人公の中で最も普通の人でコミカルさもあるので、彼の作品が初めての人に向いている。(41歳 男性 パート・アルバイト)

「血の弔旗」1票

金融会社社長が政界へ流す裏金11億円を、社長運転手の根津謙治が周到な計画の末、強奪する。事件への関与を疑われた謙治だが、アリバイ工作が奏功、逮捕に至らず、実業家として成功を収める。時効直前、かつての謙治の暴挙が綻びとして不穏な影を落とす。昭和の時代と風俗を克明に描く「戦後ノワール」巨編! 

「BOOK」データベース

読者の声

仲間と協力して大金を盗んだり、人を殺したりとドキドキハラハラするところが良かったです。(33歳 女性 パート・アルバイト)

「鋼鉄の騎士」1票

第二次大戦直前、世界中にキナ臭い空気が漂う1935年。左翼運動に挫折しパリにやって来た、子爵家出身の日本人青年がいた。偶然、目にしたトリポリ・グラン・プリに魅せられ、青年はレーサーを目指す。ナチスの足音、スターリンの影に震える欧州で、国際諜報戦に巻き込まれつつも疾走する熱い青春―。

冒険小説の枠を超えた面白さで圧倒する超大作2500枚。’95年、日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会特別賞受賞。

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読者の声

モータースポーツが好きなので、歴史の波に飲み込まれる時代直前のレースの話しにひかれました。歴史小説、スパイ小説的要素も堪能でき、とても面白かったです。(37歳 女性 会社員)

「左腕の猫」1票

乳ガンの手術から快復した妻に突然別居を切り出された夫。移ろう人の気持ちに、いつも同じ場所でまどろむ猫には永遠を感じるが―。飼い猫へ深い愛情を示す以外は無味乾燥な生活を送る女に、男は居心地の良さを覚えてゆく―。

儚くも温かい表題作を含め、猫をテーマに男女の微妙な関係を鮮やかに描く六篇。

「BOOK」データベース

読者の声

猫をテーマにしているのが面白く、どの短編も大人の恋愛が描かれていて良かった。泣ける話があるのも良くて素晴らしい作品だった。(46歳 女性 主婦・主夫)

「女系の総督」1票

森川家に棲まうのは、母、姉はもちろん、子供たちから二匹の猫まで女だらけ。崇徳にとって、女は知れば知るほど理解できない摩訶不思議な生き物だった。

彼女たちの“秘密”を垣間見た時…女難と恋が押し寄せる!父親に必要なのは、愛と努力と少しの秘密…家族、仕事、恋、健康―人生のすべてが詰まった直木賞作家の集大成!

「BOOK」データベース

読者の声

監督になりたい方やお仕事でリーダーを行っている方にお勧めになります。(28歳 女性 会社員)

「戦力外通告」1票

55歳リストラされた。新しい人生は、そこから始まった。戦う男たちを救うのは、仕事? 妻? 恋? 子供? 友情? リストラの恐怖、夫婦の危機、家族の崩壊、肉体の衰え…。

悩みは山ほどあるが、まだ未来は開けているはずだ。転換期を迎えた男たちの、心の惑いを描く、渾身の長編小説。

「BOOK」データベース

読者の声

社長の突然の死去によって、会社から「戦力外通告」を受け人生が激変する大人な小説。(39歳 男性 会社員)

「奈緒と私の楽園」1票

50歳の音楽プロデューサー、塩原達也のもとを突然訪ねてきた29歳の川原奈緒。セックスは苦手と言いながら、年上の俳優と不倫経験があり、男友達と二人で旅行にも出かけてしまう。理解できない奈緒の言動に達也は心を奪われるが、それは禁断の世界の入り口に過ぎなかった…。

全裸で絵本を読み聞かせ子守唄を歌う不思議な女。禁断のプレイにはまった男を待つのは天国か、地獄か。あなたを子供に戻してあげたい。男が絶対に認めたくない欲望を直視した衝撃作。

「BOOK」データベース

読者の声

一風変わった世界観で読んでいる途中も読後も不思議な感覚にとらわれる。(20歳 女性 無職)

「老猿」1票

定年を目前に妻子と別れ、ひとり軽井沢の陋屋に移り住んだ中里太郎。寂寞に包まれた生活が揺れ動きだしたのは、向かいに暮らす変わった年寄りを「老猿」と名付けたときからだった。

老猿、そして瀟洒な別荘で愛人生活を送る中国女の正体は。奇妙な隣人と共にいつしか日常を逸脱した中里は、思わぬ地へと向かう。

「BOOK」データベース

読者の声

離婚し、軽井沢で隠居生活を始めた元ホテルマンが主人公。隣家に暮らす気難しい老人や、突然現れた謎の中国人美女との恋愛沙汰など、3人の人生や暮らしが描かれている。雪に閉ざされた冬の軽井沢の美しさの描写に、うっとりする感じ。(45歳 女性 会社員)

まとめ

いかがでしたでしょうか。藤田 宜永のおすすめ小説を紹介しました。ぜひ作品を手に取って読んでみてください。

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