太宰治おすすめ小説ランキング10選【読書好き61人の声を集めました】

昭和初期の小説家・太宰治の作品は何十年も経った今でも人気が衰えることがありません。

太宰治の代表作であれば、誰しもがその作品名を見聞きしたことがあるでしょう。

この記事では、読書好き61人に聞いた太宰治おすすめの小説をランキング形式で紹介します。

1位「人間失格」25票

「恥の多い生涯を送って来ました。自分には、人間の生活というものが、見当つかないのです」青森の大地主の息子であり、廃人同様のモルヒネ中毒患者だった大庭葉蔵の手記を借りて、自己の生涯を壮絶な作品に昇華させた太宰文学の代表作品。「いまは自分には、幸福も不幸もありません。ただ、一さいは過ぎて行きます」

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読者の声

自虐的な作品ですが、世の中と自分との距離や温度差を考えたりする人にはおすすめの作品です。(56歳 男性 会社員)

学生の頃、これくらい読まなくては、と読みかけて内容がくだらない!と途中で終了。大人になって読み返すと、案外すらすらと入ってきました。人間の弱さ、だらしなさを許容といいますか、寛容になる年齢にならないとこの内容に共感はできないのだと感じました。色々な意味で、大人の本なのでしょう。(50歳 女性 主婦・主夫)

嫉妬や狡さといった人間の浅ましさ、そして罪悪感を体感されます。読み終わった後が本番です。自身を省みる良いきっかけになります。(27歳 男性 会社員)

あまりにも有名な作品だが、なぜ太宰が死へ向かったのが少しずつ理解できる恐さと私小説の奥深さの両方を味わえる快作です。(30歳 男性 会社員)

酒と煙草と薬と女に溺れていく、質実剛健等とは真逆の退廃的な破滅的な何ともしがたいところ。(53歳 女性 自営業)

タイトルのインパクト、生まれてきてごめんなさいというフレーズは強烈だった。作者自身の人生も垣間見えて興味深いからです。(52歳 男性 無職)

人間に本来の姿である性欲に溺れていく男性の姿が非常に印象的な作品。(47歳 男性 会社員)

構成から心理描写まで、外側も内側もとても良くねられていると思います。(29歳 女性 パート・アルバイト)

ダメ人間だと言われる太宰治にしか書けないストーリーだと思います。本当に人間失格の姿やあり方が真剣に書いてあったので痛かったです。(37歳 男性 会社員)

この時代の事はよく知らないですが普通に楽しめました。仕掛けや伏線があるような物では無いですが読み物として非常にレベルが高いと思います。するする文章が入って来ます。安易なハッピーエンドじゃないのが良い所が良い。(27歳 男性 会社員)

主人公の気が弱いところから、道化して生きていくことの共感がわきました。廃人同然の自分は、そこに真理があるというところに鳥肌が立ちました。(47歳 女性 主婦・主夫)

誰にでも人前で演技してしまうところがあり、主人公の気持ちが少しはわかる。とても身につまされる小説で面白いです。(39歳 男性 パート・アルバイト)

初めて読み切ったときは腹が立ちすぎて大嫌いでしたが、時間がたつとまた読みたくなる中毒性があるところがオススメです。(32歳 女性 自営業)

愚鈍だと思っていた竹一に自分の道化を見抜かれたと感じ、動揺するシーン。(53歳 男性 無職)

主人公が自らに人間失格の烙印を押すシーンは、この作品の最大の見どころです。(25歳 男性 会社員)

主人公が通常の人間の営みを理解出来ず、人との関わりに恐怖を覚え、お酒や女に溺れていく人間の悲哀を描いた小説で心の描写が面白いです。(43歳 男性 自営業)

はっきり言ってダメ人間の自伝なんですが、太宰治はどこまで主人公に自分を重ね合わせていたかを考えると、一気に物語が面白くなります。(38歳 男性 無職)

誰もが感じている、幼い頃の違和感や生きにくさの描写がすばらしい。(33歳 女性 会社員)

物語は葉蔵という男の日記から始まります。葉蔵は人間の底なしの闇(疑念、恐怖、欲望…)に沈んでいきます。葉蔵は太宰治なのか、果たして自分自身なのか。暗い内容ではありますが自身の闇を認められたような、読み終わると不思議と生きる力が湧いてくる作品です。(24歳 女性 会社員)

十代の頃に読み、まるで自分の気持ちがそのまま書かれているようで衝撃を受けました。自責、自己嫌悪中に読むと気持ちが可視化されているので少しすっきりするかもしれません。(46歳 女性 無職)

没落していく人間のあり様をこれでもかというほど深く描いた作品です。それなのに読んでいて暗い気持ちにならない不思議な小説です。(29歳 女性 会社員)

独特な人間たちの様子が描かれている。分かる部分があったり、なかったりするのが読めると思います。(47歳 女性 主婦・主夫)

人の憎しみ・不安・恐怖・愛等、本来人間の持っている感情を物語にした作品です。(39歳 女性 会社員)

「恥の多い人生を送ってきました。自分には、人間の生活というものが、見当つかないのです」というあまりにも有名な一文で始まる著者の自叙伝的小説です。(50歳 女性 自営業)

時代が違えど主人公の落ちぶれていか様子が生々しく感じられ、最後にゾッとします。(36歳 女性 自営業)

61人中26人もの人が「人間失格」をおすすめしています。

2位「走れメロス」14票

「邪智暴虐の王」への人質として差し出した友人・セリヌンティウスの信頼に報いるために、メロスがひたすら走り続けるという作品。信頼と友情の美しさを基本に描きつつ、そこに還元されない人間の葛藤をも描いた、日本文学における傑作のひとつ。

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読者の声

猜疑心や人間不信の塊であった王の心を揺り動かし、改心させたメロスとセリヌンティウスの真の友情に深く感動出来る。(45歳 男性 会社員)

親友を人質にし、時間内に帰らなければならない時に、困難な中、親友の元へと走って行くメロスの様々な思いを巡らせる心の動きは、教科書で読んだ時から、心を打ち、感動した本です。(58歳 女性 主婦・主夫)

小学生のときに読んだ作品ではあるが、衝撃的なインパクトを与える作品。(25歳 男性 学生)

処刑されるのを承知の上で友情を守ったメロスが、人の心を信じられない王に信頼することの尊さを悟らせるところ。(44歳 男性 会社員)

教科書に載るほど有名で、読みやすいです。人を信じることの素晴らしさが学べる点が一番良いです。(41歳 女性 会社員)

人を信じるのが正なのか、人は信じられないというのが真実なのか考えさせられる作品です。(48歳 男性 会社員)

保身欲に負けそうになりながらも、友達のために戻ってくるところです。お互いに信じあう気持ちにも心を打たれました。(48歳 女性 パート・アルバイト)

走れメロスは学校の国語の教科書に一部載っていました。自分を信じて人質になってくれた友人を救うために走り続け、それは自分のいのちをなくすということながら、逃げることなく、王様に認めてもらうという、義理というか意地みたいなところが好きです。(59歳 男性 会社員)

学生の時に教科書で初めて太宰治を知った作品です。誰でも読みやすくわかりやすい作品です。(50歳 女性 会社員)

いわゆる友情モノであると同時に、色々と考えさせられる部分もあり、教材としても優れている作品だと思います。(47歳 男性 自営業)

友のために命をかける、もうだめだと思っても諦めないことなど、現代においても教えになることが多い作品。(45歳 女性 パート・アルバイト)

すごく前向きになれる話で、信じること、友情を大切にすること、希望などをうまく表現している素晴らしい作品で大好きです。(42歳 女性 主婦・主夫)

メロスと親友のセリヌンティウスの友情が素晴らしく、暴君であった王の冷たい心を見事に溶かしたシーンはいつ読んでも感動します。(62歳 男性 会社員)

友人を取るか自分を取るか、人間の葛藤・美しさを描いた素晴らしい作品です。(36歳 男性 経営者・会社役員)

3位「斜陽」9票

敗戦直後の没落貴族の家庭にあって、恋と革命に生きようとする娘かず子、「最後の貴婦人」の気品をたもつ母、破滅にむかって突き進む弟直治。滅びゆくものの哀しくも美しい姿を描いた『斜陽』は、昭和22年発表されるや爆発的人気を呼び、「斜陽族」という言葉さえ生み出した。

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読者の声

戦後の混乱した時代に、一人の女性が自我を持ちたくましく独立していく姿に心を打たれます。(44歳 女性 主婦・主夫)

戦後の価値観の大変革の中で没落していく貴族家庭の4人それぞれの滅びの美学を描いた点が素晴らしい。(71歳 男性 無職)

没落していく貴族の話ですがただ大人しくすごしていてあまりあまり悲壮感がなく、登場人物の女性たちがかわいらしい印象でした。(35歳 女性 自営業)

元ネタになったのが女性の日記であるところに興味を持って読み始めました。落ちていく感じがなんとも言えず良い。(45歳 女性 主婦・主夫)

「人間は恋と革命のために産まれてくるのだ」という文章がとても心に残りました。(45歳 女性 会社員)

敗戦後、どうせ没落するなら華麗に滅びていきたいと願う人々を流麗な筆致で描いた太宰治の代表作の一つです。(59歳 男性 自営業)

4人の登場人物がみんな苦しみを持ち、滅んでいく姿を丁寧に描いた傑作です。特に直治の遺書は彼のそれまでのイメージが覆り、より好きな作品となりました。(32歳 女性 自営業)

太宰治だから描ける女性の持つ可愛らしさ、美しさ、そして愛情表現が溢れた作品です。決して主人公は幸せになったとは言えませんが、1人の女性の人生が詰まっています。(33歳 男性 公務員)

没落していく家族をめぐる物語が丁寧に綴られています。真の貴族であるとする母親の食事の仕方、テーブルマナーについての冒頭の描写が秀逸です。(35歳 女性 自営業)

4位「女生徒」4票

「幸福は一夜おくれて来る。幸福は、―」。女性読者から送られてきた日記をもとに、ある女の子の、多感で透明な心情を綴った表題作。

名声を得ることで破局を迎えた画家夫婦の内面を、妻の告白を通して語る「きりぎりす」、情死した夫を引き取りに行く妻を描いた「おさん」など、太宰がもっとも得意とする女性の告白体小説の手法で書かれた秀作計14篇を収録。作家の折々の心情が色濃く投影された、女の物語。

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読者の声

決してリアルではありませんが、夢見がちな思春期の女子生徒の叙情的なエッセンスだけを煮詰めたような小説です。(31歳 女性 会社員)

アラサーの男が描いた女生徒の心情なのに共感できてしまい、悔しく思えるところです。(50歳 女性 主婦・主夫)

14歳の少女のもつ自意識が、恥ずかしさときらめきをもって迫ってきます。文体が最高です。(44歳 女性 会社員)

本当に女生徒が書いているのではと錯覚するようなお話。引き込まれるお話です。(44歳 女性 主婦・主夫)

5位「津軽」2票

昭和十九年五月、津軽風土記の執筆依頼を受けた太宰は、三週間かけて津軽地方を一周した。生家と義絶して以来、帰るのを憚っていた故郷―。懐かしい風土と素朴な人柄に触れ、自らにも流れる津軽人気質を発見する旅は、「忘れ得ぬ人たち」との交歓の日々でもあった。やがて、旅の最後に、子守・たけと三十年ぶりに再会を果たし…。自己を見つめ直し、宿命の地・津軽への思いを素直に綴った名紀行文。

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読者の声

正確には、小説とは言えないのかもしれないが、自分をはぐくんできた津軽の土地に対しての太宰の愛情を感じられるから。(58歳 女性 パート・アルバイト)

太宰治の故郷、津軽について書いた随筆です。小説とはまた少し違ったイメージの太宰治が垣間見れます。(28歳 女性 会社員)

5位「駆込み訴え」2票

読者の声

小説のラストで、駆込み訴えを行った人物が何者なのか分かるのですが、それが大変意外な人物だったのが印象深かったです。(26歳 女性 会社員)

独白の形式で書かれた作品。「あの人」の悪口を並べ立て、疾走するように文章が運ばれ、その世界に引き込まれます。そして最後には、意外な展開が。太宰治の構成力の確かさを再認識させられる作品です。(61歳 男性 経営者・会社役員)

5位「お伽草紙」2票

ムカシ ムカシノオ話ヨ。アルヒ アサカラ ヨイテンキ ヤマヘ ユキマス シバカリニ。瘤取りじいさん、浦島太郎、カチカチ山、舌切雀…。太宰があの古典・フォークロアの名作を下敷きに空想・批評を造型した、大人を唸らす残酷民話集。

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読者の声

誰もが知っているお馴染みのおとぎ話を、太宰治ならではの暗くてシニカルな視点で再構成しているのが、ユニークで面白いです。元の作品とずいぶん違うものもあるけど、これはこれで面白いと思います。(46歳 女性 会社員)

カチカチ山や浦島太郎などおなじみのおとぎ話が、太宰治にかかると現代人の心理ドラマになっていくところが面白いです。(36歳 女性 会社員)

6位「花火」1票

メーデー日和のからっと晴れた日、花火を合図に広場へと集まることになっていると告げる「僕」が、花火にまつわる思い出を語る話。作品の前後に記される労働運動や兄の獣欲の犠牲となる小間使いには、階級意識に根付いた告発の姿勢がある。

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読者の声

この作品は、最終部の文章ために全てが書かれていたのだと思う作品です。読みがいがあります。(25歳 女性 会社員)

6位「パンドラの匣 」1票

なぜ人生に勉強は必要なのか――、70年前の太宰治が熱弁をふるう「正義と微笑」(本書収録)。

「勉強は何の役に立つのか?」

「勉強しないと、どんな人間になってしまうのか?」

「勉強の訓練の底に残るひとつかみの砂金」とは?

令和日本によみがえる、太宰の熱いメッセージ!

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読者の声

映画化されると注目するミーハー魂をそそられ、手にした作品です。作品より映画の方がよかった話です。(43歳 男性 自営業)

6位「ヴィヨンの妻」1票

傷つきやすい心をごまかすように、金も無いのに飲んだくれる詩人の動静を、妻が奇妙な明るさで語る「ヴィヨンの妻」、戦後第1作として書かれた、風変わりな結核療養所で闘病生活を送る少年を描く「パンドラの匣」、13回分の連載で中絶した未完の絶筆「グッド・バイ」、戦後の虚無的な精神状態を“音”で表現した「トカトントン」、飲み屋で出会った少女の哀しさを描く「眉山」の5篇を収録。最晩年の傑作集。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。太宰治のおすすめ小説をランキング形式で紹介しました。ぜひ作品を手に取って読んでみてください。

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