今回、読書家にアンケートをとり、高杉 良の作品のなかで一番好きな作品を選んでもらいました。感想とともに結果をランキング形式でお伝えします。
1位「金融腐蝕列島」8票
大手都銀・協立銀行の竹中治夫は、上層部からの特命を帯び、総会屋対策に奔走する。その過程で心ならずも不正融資に手を貸してしまう羽目に。組織と個人の狭間で葛藤しながら、闇の勢力との交渉に苦しむ。
ダーティな融資、預金者の信用を喪失する銀行の、泥まみれな実態に鋭いメスを入れ、衝撃を与えた力作。
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読者の声
銀行経営の暗部とその脆さを抉り出し、リアリティーを持って描写する筆致(56歳 男性 無職)
金融業界の闇が深いと分かり、裏社会はどれだけ根付いているか分かりました。(58歳 女性 会社員)
現場の話をリアルに描いてくれていりので、親近感がわきいいです。(41歳 女性 パート・アルバイト)
バブル期の銀行の苦悩と葛藤を見事に描いた作品です。銀行業界の厳しさを目の当たりにします。(40歳 男性 パート・アルバイト)
大口の融資焦げ付き先からの回収を命じられたサラリーマンを主役とする作品。(25歳 男性 会社員)
汚職まみれの世界で主人公竹中の奮闘する姿が読者を興奮させる。池井戸潤とは違う目線で金融の世界が描かれている。(31歳 男性 会社員)
銀行マンの奮闘が描かれていて面白かった。銀行員の大変さがわかったような気がしました。(39歳 男性 無職)
日本の金融業界の闇、そしてそれを正義感を持って正そうとする男たちのドラマが非常に熱い。(47歳 男性 会社員)
2位「小説ヤマト運輸」5票
今日送った荷物が、全国どこにでも、すぐに届く。宅急便。わたし達が享受する“当たり前のサービス”開発の裏には、壮絶な戦いがあった。
運輸省、郵政省という国家権力による妨害。金で政治家を取り込んだ競合他社。配送革命と称賛された「クロネコヤマトの宅急便」は、いかにして生み出されたのか―。新インフラ誕生の全貌を描いた、圧巻の経済小説。
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読者の声
事実をもとにしているのでヤマト運輸がどれだけすごいのかが良くわかる点です。(39歳 男性 パート・アルバイト)
馴染みあるヤマト運輸の裏側に隠されたものがこんなだったら……と思うと恐ろしくなる。(20歳 女性 無職)
クロネコヤマトの宅急便の誕生秘話が盛りだくさん。経済小説の力作。(65歳 男性 無職)
今日送った荷物が、全国どこにでも、すぐに届く。宅急便。わたし達が享受する“当たり前のサービス”開発の裏には、壮絶な戦いがあったお話です。(23歳 女性 団体職員)
新しいことを始めようという情熱と苦労、成功した時の感動は、自分にもやる気を与えてくれる。(44歳 男性 会社員)
3位「燃ゆるとき」4票
昭和28年、築地魚市場の片隈の六坪のバラックで、森和夫は水産会社を興した。机四つに電話二台、従業員はわずか5人。
大らかな人柄とバイタリティを武器に、大手商社の横暴、米国進出、特許係争など、多くの難問と格闘しつつ、約40年の間に、森は如何にして資本金175億、従業員2000名の一部上場企業に育てあげたのか。
理想とロマンの灯を高く掲げる経営者の実像を描く実名経済小説。
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読者の声
主人公がビジネスマンで成功をしているストーリーが描かれており、仕事などの勉強になります。(33歳 男性 会社員)
ベンチャー企業がいかにして生まれたのか、苦労や努力が魅力でした。(48歳 女性 主婦・主夫)
マルちゃんの創業者の経営者としての理念がぶれない強い心に感動します。(46歳 男性 会社員)
ビジネスマンの苦悩や葛藤の中から成り上がっていく様が面白く、おすすめです。(38歳 男性 会社員)
3位「青年社長」4票
幼い日、母の死と父の会社の倒産という悲しみを体験した渡辺美樹は、小学校の卒業アルバムに「社長になる」という夢を記した。大学卒業後、経理会社で経理を覚えた渡辺は、「大卒」と罵倒されながらも佐川急便のセールスドライバーとして働き、起業資金を稼いだ。
学生時代に創業の夢を誓った仲間たちと、居酒屋「つぼ八」のフランチャイズとして遂に会社設立にまでこぎつける。お好み焼きチェーンの立ち上げ、サントリー、日本製粉との提携というチャンスも訪れるが。
急成長を遂げたベンチャー、ワタミフードサービスの成功を実名で描くビジネス小説の傑作。
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読者の声
ワタミ社長についてのストーリーですが、どの業界でも通ずる話で面白いです。(26歳 女性 会社員)
ビジネスの急激な業績悪化が小説内で、どのように解決させるかが見どころです。(39歳 男性 会社員)
ワタミの渡辺社長など、実際の人物を例にあげて書き下ろしている部分が勉強になる。(49歳 男性 会社員)
居酒屋チェーン店ワタミの社長が紆余曲折ありながら会社を大きくしていくなかなか感動する話しです。(37歳 女性 主婦・主夫)
4位「辞令」3票
エコー・エレクトロニクス工業宣伝部副部長の広岡修平は、人事本部付で左遷された。広岡はそれまで、昇進レースで確実にトップ・グループにいた。そのことを特に意識することはなかったが、今度の異動で、挫折感と厳しい昇進レースをたっぷり味わわされることになった。
しかし、なぜ左遷されたのか?広岡はその事実関係を追求するが…。サラリーマンの命運を決する“辞令”のカラクリに迫る。
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読者の声
大手電気メーカーの花形広報部門で働く主人公にでた人事部付という辞令、サラリーマンの儚さを描いた作品。(27歳 女性 主婦・主夫)
昭和末期の時代背景の中、辞令に翻弄されるサラリーマンの姿がリアルに描かれています。(46歳 男性 会社員)
人生を変えてしまうほどの力をもつ辞令。会社とは、組織とは、働く意味について考えさせられる作品(45歳 女性 主婦・主夫)
4位「炎の経営者」3票
戦時中の大阪で小さな町工場を興した八谷泰造。
財界重鎮の永野重雄を口説いたり、旧満鉄技術者をスカウトするなど、持ち前の大胆さと粘り腰の八谷は、難題を乗り越え、会社を発展させ、ついには世界的な石油化学工業会社「日本触媒」を築きあげた―伝説の経営者を描く経済小説の第一人者、高杉良の名作が文春文庫に初登場。
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読者の声
日本触媒の八谷社長の人生をドキュメンタリーした小説で面白いです。(32歳 女性 自営業)
今の時代にそぐわないかもしれないけれど、タイトル通りの熱い男ぶりが描かれていて、小さな工場から大企業まで成長させる過程が素晴らしい。しかも実在のモデルがいるということ。主人公の行動力は圧巻で、出資を頼むシーンが好きです。(45歳 女性 主婦・主夫)
広島出身である経営者の方言で部下を叱咤激励している姿は人間味があり感動した。(42歳 男性 会社員)
5位「生命燃ゆ」2票
柿崎の健康状態への疑惑は、これまでとは筆跡が変わったレポートから始まった。昭栄化学工業では世界に先駆けて、大分にコンピュータ完全制御の石油化学コンビナートの建設を進めていた。
柿崎はその主要なエチレンプラントの計装部門の実質上の責任者だった。何故筆跡が違うのか、誰が代筆したのか。45歳の若さで逝った技術者の、最後の美しい完全燃焼を感動的に描く長編経済小説。
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読者の声
昭和電工の大分石油コンビナートエチレンプラント建設に尽力し、若くして病に倒れこの世を去ったひとりのエンジニアの実話で感動する(39歳 男性 会社員)
主人公が、家族、上司、同僚と共に助け合い、仕事、人生に立ち向かう所。(45歳 男性 会社員)
6位「乱気流」1票
東京経済産業新聞・証券部の倉本は豪腕記者萩原を中心にした取材チームで、バブル崩壊を象徴するイトセン事件をスクープした。が、その初公判で「東経産内の協力者に一千万が支払われた」と検察が冒頭陳述をして社内は騒然となる。
日本経済をリードしてきたと自負する経済紙の驕りをえぐり出す力作長編。
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読者の声
大手新聞記者のエリート役が主人公です。新聞会社だけに限りませんが組織上層部とは体裁ばかり良く中身は闇組織です。新聞社も同様ですが、この体質を改善するには平社員では組織を変えること無理。方法は上層部の不正を告発し、不正を露出させ科組織を改善するしかない。保身をするための上等手段です。これによる社内組織は混乱します。乱気流はそんな面を映し出します。(54歳 男性 会社員)
6位「明日はわが身」1票
トーヨー製薬の若手社員・小田切健吾は、海外駐在を任される将来を嘱されたエリートだった。だが、派閥抗争に巻き込まれ営業部門へと左遷されてしまう。営業先で目の当たりにする横暴な医師や歪んだ医療現場。
そして、自らも健康を害して、病気休職を余儀なくされる。サラリーマンに救いはあるのか。組織の非情さがいかに個人を蝕むかをあますところなく描いた渾身の長編経済小説。
著者は、本作の主人公と同じ病気だった!自らの病気休職とサラリーマン人生、作家デビュー当時を語る、巻末付録・著者インタビュー「その頃の“わが身”」を収録。
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読者の声
トーヨー製薬の若手社員・小田切健吾は、海外駐在を任される将来を嘱されたエリートだった。だが、派閥抗争に巻き込まれ営業部門へと左遷されてしまう。営業先で目の当たりにする横暴な医師や歪んだ医療現場。(51歳 男性 自営業)
6位「小説会社再建 太陽を、つかむ男」1票
経営危機に直面した佐世保重工(SSK)は、銀行団と大株主間の思惑、利害が複雑に絡み合い、再建計画は漂流を続けていた。更には地元自治体、及び福田政権をも巻き込んで救済策が模索されていた。
経済界の重鎮永野重雄は、来島どっくグループの社長坪内寿夫にSSKの再建を要請する。苦悩の末、要請をうけた坪内は、私財280億円を投入、ドロ沼の労使対決から見事にSSKを蘇らせる。迫真の実名経済小説。
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読者の声
経営危機に瀕した企業を立て直そうとする経営者が、自己犠牲を払いながらも懸命に努力する様子がお勧めポイントです。(56歳 男性 会社員)
6位「創業社長死す」1票
東邦食品工業の創業者で相談役の小林貢太郎が急死した。絶大な権力とカリスマ性で会社を掌握してきた小林の死に、社内は揺れる。大株主でもある小林の妻・晶子の支持を得た社長の筒井節は、周囲を蹴落とし次第にワンマン体制を築きあげていくのだが…。
大手総合食品メーカーの創業経営者の突然の死と後継者争いを描き、今日、多くの企業が直面する経営承継問題の本質に鋭く切り込む、著者真骨頂のビジネス小説!
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読者の声
東洋水産の森和夫社長、会長そして相談役として君臨したモデル作品。人間のエゴも垣間見えます。(42歳 男性 会社員)
6位「小説 ザ・外資」1票
東邦長期信用銀行を辞め、外資系金融機関に飛び込んだ西田健雄は信じられない不正の数々を目の当たりにする。合併の大型案件で他人のアイデアを横取りするのは序の口、違法なリベートや詐欺的商法まで横行する。
強大な力の前には不良債権に喘ぐ邦銀などひとたまりもなく―。圧倒的な迫力が光る経済小説。
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読者の声
日本の国内が弱体化しているときに、外資がやってきて良いようにされてしまう。外資の怖さがわかります。(58歳 男性 会社員)
6位「銀行大統合」1票
三行統合なら生き残れる!第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行の各トップは世界でも例のない大再編に向け猛スピードで走り出した。困難な調整や会談の内幕など、最後の決断までの日々を圧倒的な情報量とリアリティで描いた実名企業小説。
その後の迷走と再生のドラマも収録した完全版でついに文庫化。
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読者の声
実際の話に基づいており、ひきこまれた。よくここまで調べられたなと感心した(29歳 男性 会社員)
6位「金融腐蝕列島 呪縛」1票
思いもかけなかった検察による大手都銀への強制捜査。朝日中央銀行企画部次長の北野浩は崩壊の危機に直面し、志を同じくする役員、上司、同期のMOF(大蔵省)担らと共に銀行の健全化のために立ち上がる。
派閥問題をめぐる上層部の葛藤、外部勢力の圧力、マスコミによる糾弾が続くなか、北野たちは闇社会や組織の呪縛と闘っていく。新執行部のもとで頭取秘書役に抜擢された北野は、行内の軋轢と外圧にさらなる闘いを挑む。
ビジネスマン誰もが感じる大組織の閉塞感からいかにして脱却していくかを、一人の管理職の生き方を通して活写する問題作。
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読者の声
銀行の企業体質の中身がリアルに描かれており、読んでいて非常に引き込まれる作品だったから。(44歳 男性 会社員)
6位「管理職の本分」1票
竹山総理銘柄として強引な営業で業績を伸ばした名門・東都生命は、不良債権問題の風評などで経営が悪化。合併間近の東亜銀行の融資も得られず、更生特例法で外資系生保が受け皿に。
管財人室長に抜擢されたエースの友部陽平は、全社員の処遇に心を砕き、関連会社などの売却をめぐって管財人団と対決する。
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読者の声
政治と銀行と外資の論理に立ち向かうミドルの葛藤が見もの。最近また同じように政治の裏で学者の動きが出てきたので、これを読めば理解が深まります。(63歳 男性 無職)
6位「王国の崩壊」1票
創業三百年老舗中の老舗、丸越百貨店で、新社長の凄まじい独断専横がはじまった。旧体制派の左遷、私情による役員人事、愛人との癒着、多額のリベート要求、偽秘宝展、果ては公取委の勧告さえもはねつけ…。
悪魔の王国と化した丸越は甦るのか。実際の事件を題材に「悪のカリスマ」の滅びゆく様をリアルに描いた傑作経済長編。巻末に佐高信氏との対談「カリスマ失墜の条件」を収録。
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読者の声
某老舗百貨店の大物社長のことを参考に辛辣に描いています。社長の傍若無人なふるまいを描いています。今の時代と比較もおもしろいと思います。(57歳 男性 会社員)
6位「めぐみ園の夏」1票
昭和二十五年夏。十一歳の亮平は孤児の施設「めぐみ園」に放り込まれた。母親の心ない仕打ちや妹との突然の別れ。情けなさも辛さも悔し涙も、歯を食いしばって乗り越え、亮平は生来の明るさと要領のよさで生き抜いていく。
園長夫妻の理不尽な扱いやその息子の暴力にも正義感で立ち向かい、保母や先生にも愛されるのだが、思わぬ岐路が…。作家としての原風景を描き万感こもる自伝的長編。
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読者の声
園長夫妻の理不尽な扱いやその息子の暴力にも正義感で立ち向かい、保母や先生にも愛されるのだが、思わぬ岐路が訪れます。(36歳 女性 団体職員)
6位「トヨトミの野望 小説・巨大自動車企業」1票
“日本の救世主”は、ハズレ社員だった。創業家vs.左遷サラリーマン!血が勝つか、汗が勝つか―気鋭の経済記者が覆面作家となって挑むメディア禁制・28兆円のタブー!!
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読者の声
巨大企業の真実がリアルに描かれている作品で、深く日本経済についげ考えさせられるような小説です。(20歳 女性 学生)
まとめ
いかがでしたでしょうか。高杉 良のおすすめ小説をランキング形式で紹介しました。ぜひ作品を手に取って読んでみてください。