夏目漱石「こころ」の感想

「こころ」がどのような作品なのか、読者による小説のあらすじと感想です。


出典:https://www.amazon.co.jp

「こころ」を読んだきっかけ

「こころ」は高校の教科書に載っていました。現代文の課題図書だったかもしれません。教科書では一部しか載っていませんでしたが、本当は長い話なので、全部読んでみたくなったのだと思います。

「こころ」はどんな小説?

『こころ』は、私に言わせると、BL小説です。海外でも、ゲイ小説だと思われているとか。でも、高校の授業では、友情か恋かで悩む青年の葛藤を描いたものとして読まれています。教科書では一部抜粋なので、そうなります。また明治の時代の終焉を描いた作品でもあります。

「こころ」のあらすじ・ストーリー

「こころ」のほとんどは長い手紙でできています。ずいぶん分厚い封筒だったんだろうなあとツッコミを入れたくなります。そういうトンデモ構成です。

主人公は、青年に「先生」と慕われる人。しかし、青年の視点で話は始まります。後半の先生からの手紙は、もちろん「先生」視点です。最初は、青年と先生の出会いから始まります。鎌倉の海。外国人と泳いでいる先生の姿を目にとめます。

青年は次の日もでかけ、先生と知り合いになり、いっしょに泳ぎます。ここの描写からしてゲイ小説な感じです。青年は、先生が気になって仕方がありません。それで家におしかけます。青年は、先生といっしょに墓参りをします。先生は、いつも一人で墓参りをするのが習慣なのに青年についてこられて迷惑そう。

そんな秘密めいた先生にますます魅かれる青年。先生は、親友の墓参りをしていたのでした。親友は、若くして亡くなってしまったのです。同郷の友人だったのですが、お金に困って先生の下宿に転がり込んできます。そして、先生と友人と下宿のお嬢さんの三角関係になります。この部分が教科書にのっています。

明治の頃のいろいろな事情があります。そもそも先生がひねくれたのは、叔父に財産をだまし取られたからです。友人も明治時代の家制度に縛られた結果の悩みがありました。

「こころ」を読んだ感想

明治時代の家制度の中の青年の苦しみが描かれています。私も、親から似たような話を聞いたことがあります。親より一代前の話です。明治時代の家制度では、長男が後を継ぐという家父長制が強く、そのためにいろいろな悲劇が生まれました。先生や友人は、その犠牲者といっていいでしょう。

彼らは東京に出て、学問をして新しい考え方を知った。しかし、地方では古い時代のままの考えが続いていた。その後も明治時代の考えは現実に長く残っている。地方では特にそうだ。法律も明治時代のままのものが多くある。

それが改正されるのは、平成や令和だ。法律が改正されて、もう明治時代のように考えなくてもよいのに、まだ地方では特に、明治時代の考え方を持っている人たちが根強くいる。それに縛られて自由になれない。この小説の登場人物たちのような葛藤があるかもしれない。

この小説は、明治や大正のような古い時代に、当時のことを描いた古い小説のように思われるかもしれない。だが、現在でも十分に読まれる価値のある小説。

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