「森に眠る魚」育児をしている母親達の感情を描いた小説【あらすじ・感想】

「森に眠る魚」がどのような作品なのか、読者によるあらすじと感想です。


出典:https://www.amazon.co.jp

「森に眠る魚」を読んだきっかけ

森に眠る魚を読んだきっかけ オードリー若林さんがテレビで紹介していました。内容は育児をしている母親を描いたもので、自分も子供を育てている母親として共感できるところも多く、面白いのではないかと思いました。

どんな小説?

森に眠る魚はどんな小説? 同じ年頃の子を持つ5人の母親たちを描いたものです。価値観や生活水準も違う5人のそれぞれの視点から、物語は描かれています。子育てという環境を共に乗り越える仲間として、とても信頼しあっていました。しかし些細な感情のすれ違いからその関係性は崩れていく。女の嫉妬や妬みなどの歪んだ感情や、専業主婦の孤独さを描いた作品です。

あらすじ

森に眠る魚のあらすじ・ストーリー 舞台は1996年東京の文京区地区の街です。人付き合いが苦手で思い込みが激しい久野容子。夫が会社経営者でゆとりある生活を送るが、仕事をせず子育てのみしていることに負い目を感じていた高原千花。夫が宗教団体の幹部で、摂食障害の過去を持つ小林瞳。ママ友作りに不安を抱えていた3人は、子供の幼稚園が一緒になり、仲良くなります。

産婦人科で出会った繁田繭子も加わり、4人は気の合うママ友ができたことを喜び、心強く思っていた。そしてママ友という一時的な繋がりではなくて、自分自身として長い付き合いができるものだと期待していました。

江田かおりは繭子に不倫しているところを目撃されるが、同じマンションに住んでいることから、知り合いになります。そしてある日、かおりから小学受験についての取材をお願いされます。かおりの元同僚がフリーライターで、今過熱しているお受験について本を出版したいというものでした。

容子と瞳はお受験をさせない方針で、有名小学校に入っても幸せになるとは限らないと熱く語りました。しかし、千花は子供が受験したいといえば準備すると言います。その発言に容子と瞳は驚き、3人の人間関係は少しずつ崩れていくことになります。

千花の言葉から焦りを感じた容子と瞳は、お受験のための幼児教室探しを始めます。結局3人のすれ違った気持ちが元に戻ることはなく、それぞれのやり方で小学受験をすることになります。

また、お金に困っていた繭子は、瞳の下の子(茜)のベビーシッターをしたいと提案。瞳もこの提案を承諾したが、茜が繭子の家で大けがをしたことから、2人の関係も壊れていきます。毎日の充実した生活に満足していたかおりは、自分の娘が精神的に問題を抱えていることに気付きます。

不倫をしていた生活を改め、かおりは娘と向き合おうとします。小学受験の結果、瞳の子供だけが受験に合格し、元の仲良い関係は戻ることなくそれぞれの小学校に進むことになります。自分の弱さを受け止め、5人それぞれが明るい未来を信じ前に進んでいきます。

読んだ感想

森に眠る魚を読んだ感想 容子は学生時代に華やかな人に対して劣等感を抱くが、人は人、私は私と言い聞かせ、その思いを乗り越えてきました。

しかし子供の受験を期に、その劣等感や嫉妬心は再び湧き上がってくるのです。他の子供と比較してしまう日々に、容子の苦しさを考えると胸を締め付けられる思いでした。

千花が妹を見返すために子供を難関校に受験させたように、有名校入学は子供の為でもあるが、親にも大きな自信や幸福をもたらすものだと感じました。しかし、子供が受験に合格しても、瞳の過食は止まりませんでした。

親に達成感はあっても、心を満たしてくれる家族の愛が足りていないのだと思いました。夫婦の愛や信頼しあえる仲間の存在、どんな自分でも認めてくれる居場所は、人の心を満たすのにとても重要なことなのだとこの5人から学びました。

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