「生徒会探偵キリカ」軽快なやり取りが小気味い学園ラブコメディ

「生徒会探偵キリカ」がどのような作品なのか、読者によるあらすじと感想です。


出典:https://www.amazon.co.jp

「生徒会探偵キリカ」を読んだきっかけ

この本を見つけたのは旅行の際、偶然立ち寄った本屋でのことでした。表紙のイラストが知っているイラストレーターのものだったため気になって手に取り、あらすじと最初の数ページを見て面白そうだったので購入しました。

どんな小説?

生徒会探偵キリカは講談社ラノベ文庫から出版されている小説で、著者・杉井光、イラストぽんかん⑧の学園ラブコメディです。キャラクター同士の軽快なやり取りがとても小気味よく、また主人公がときに無力感や劣等感に苛まれながらも自分なりのやり方で目標を達成する様はとても魅力的です。

あらすじ

優秀な姉ひなたへ劣等感を抱き実家での暮らしに居心地の悪さを感じていた主人公ひかげは、逃げるようにして私立白樹台学園へ進学し寮暮らしを始めます。

実家を出る以上の意味を見出せずに進学した白樹台でしたが、ひかげはそこで生徒会の会計を担当している少女キリカに出会います。キリカは無愛想で授業にもロクに出ない引きこもりがちな少女ですが、生徒数八千人を誇るマンモス学園白樹台の予算を適切に配分できる会計としての顔ともう一つ、学園で起きたトラブルを解決する探偵としての顔を持っていました。

そして、部費の盗難騒ぎが起こり犯人ではないかと疑われたひかげは、探偵としてのキリカに救われます。何をするつもりもなく入学した白樹台でしたがキリカに救われたことで彼女に借りを返したいと考えたひかげは生徒会に入り、探偵助手として働くことになりました。

ひかげが探偵助手になってから最初に遭遇した事件は音楽準備室で出どころ不明の二十二万円が発見されたというもので、この二十二万円を巡って所有権を主張する音楽系の部活動が対立します。キリカが調査を進めるうち、このお金は部活の分裂や方向性の違いによる衝突を繰り返す音楽系部活動の面々を見かねた先生が本来は別々に予約するはずのクリスマスコンサートの会場をまとめて一つの予約にしたことで余ったものだと判明します。

キリカはその事実をそのまま伝えようとしますが、ひかげは先生が今回の事件を起こした理由でもある部活同士の仲の改善を考え、前任の教師が音楽系部活動合同で演奏する第九の楽譜を買うために残したお金だと生徒たちに嘘をつきます。

それによって、部活同士は共通の目的を得て少しではありますが互いに歩み寄ることに成功したのでした。物語の終盤、キリカは学園の理事長である彼女の父親の手によって白樹台から父親の決めた学校へ転校させられそうになります。ひかげはそれを何とかしたいと考え、キリカを騙すことで彼女の会計としての能力を引き出し、株取引で父親が彼女を認めざるを得ないだけのお金を稼いでみせ転校を取りやめさせることができました。

読んだ感想

何の目標もなく、ただ姉への劣等感から逃げるためだけに白樹台学園へ進学したひかげの心情はとても人間らしく共感でき、またそこからがキリカたちと出会うことで自分がやりたいと思えることを見つける様は、ひかげが感情移入できる主人公であるからこそとても愉快なものでした。

また、キリカを筆頭にした彼の周りの人たちはそれぞれに得難い強さを持っており、読んでいるとひかげがそうであったように自分も彼女らに憧れ近づきたくなります。

ひかげがキリカたちと交わす会話はコメディ要素が多分に含まれてていつつも彼や彼女たちの心情を窺い知れるものであったため、単純にギャグとしての面白さがあるのはもちろんのこと言葉の裏に隠された意図などを想像することもとても楽しかったです。

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