「君のためなら千回でも」あらすじ・感想。中東アフガニスタンに生まれた少年の過酷な人生が描かれた小説

「君のためなら千回でも」がどのような作品なのか、読者によるあらすじと感想です。


出典:https://www.amazon.co.jp

「君のためなら千回でも」を読んだきっかけ

アメリカ留学時に、この本を読んでいた友人から感動的な物語だと聞いて読んでみたいと思いました。日本やアジア、欧米と違って、ニュースでしか知らない馴染みのない中東が舞台なのもあって、異国の文化や宗教観や価値観などの背景をもっと知れたらいいなと思って読み始めました。

どんな小説?

「君のためなら千回でも」は、アフガニスタン生まれのアメリカ人作家カレード・ホッセイニのデビュー作で、ベストセラーになり映画化もされたフィクション小説です。 不安定な情勢のアフガニスタンに生まれた少年の過酷な人生や、家族や友人関係のジレンマに苦悩する姿が描かれた作品です。

あらすじ

アフガニスタンの裕福な家庭に生まれた少年アミールは、ハザーラ人の召使いアリーの息子ハッサンと親友のように仲良くしていました。本が好きで争いごとが苦手なアミールは男らしさがないと父から認められずに父とはぎこちない関係でした。

アミールは物語を書くことに喜びをもっていましたが、父は無関心で、父の代わりに父の友人のラヒムが彼の本に対する想いを理解してくれました。 ある日、凧揚げ大会でハッサンとコンビを組んで優勝します。

しかし、打ち負かした凧を拾いに行ったハッサンはハザーラ人を差別するガキ大将のアセフに暴行を受け、その場を目撃したアミールはハッサンを助ける勇気が出ずに逃げ出してしまいます。大会の優勝を機に父との関係は打ち解けますが、親友を助けられなかったアミールはハッサンを見ると苦い気持ちになり、苦しみを取り除こうと、アリーとハッサンを家から追い出してハッサンとの関係を断ち切ることにします。

その後、ソ連の侵攻が始まり、アミールは父に連れられアフガニスタンからパキスタンへ亡命し、そこからアメリカに渡って新しい生活を始め、ハッサンとの思い出は心の奥深くに閉じ込めてしまいます。 アメリカの生活に慣れてきたアミールは、小説家になるために大学に通い、その後、妻のソラヤと出会います。父は病気で亡くなってしまいますが、アミールは作家として名声を上げ、妻と幸せな生活を送ります。

ある日突然、アミールが子供の頃慕っていたラヒムから電話が入り、病衰した彼に会いにパキスタンへ行くことになります。そこでアミールはラヒムから、苦い関係のまま別れたハッサンのその後の行方と父の秘密を知らされます。

死に際のラヒムの頼みで故郷のアフガニスタンに戻ることになったアミールは、危険を冒してタリバン政権下の不安定なアフガニスタンへ行き、過去を清算すべく、子供の頃に逃げ出してしまった闘いに遂に立ち向かうことになります。

読んだ感想

親友の笑顔を奪ってしまった出来事をきっかけに、主人公の胸のしこりが引きずったような暗さを帯びたまま展開されて重みのある物語ですが、テンポのよい展開で続きが気になってしまう面白みがあります。

こうしなければと思っても行動に移せなかったり、逆に行動してしまったことに対して後悔したり、主人公のジレンマや心理状況が繊細に描かれていて、主人公の心情がありありと伝わってくるので、主人公の心の葛藤に共感できて、さらに物語が展開する毎に共感が深まっていき、心が揺さぶられる場面ばかりでした。

中でも父親の秘密が明かされた場面や、ハッサンからの手紙を読む場面や逃げてきた決闘に立ち向かう場面では、自分のことのように思えるほど主人公の気持ちが伝わってきました。

また、情景描写もよく描かれていて、不安定なアフガニスタンの情勢が物語の緊迫感を増しながらも、裕福な主人公と違って亡命できない貧しい人々の居た堪れない様子を垣間見て心が苦しくなりました。

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