「白夜行」両親を殺害し周囲を振り回し続ける物語【あらすじ・感想】

「白夜行」がどのような作品なのか、読者によるあらすじと感想です。


出典:https://www.amazon.co.jp

「白夜行」を読んだきっかけ

東野圭吾さんの作品は単なるミステリーではなく分かりやすさと、それに加えて魅力的なキャラクターが多く登場します。この作品以外にも読んでいますが、その中でも特にこの作品はとても特徴的なミステリーでひとつの事件をきっかけに被害者と加害者という立場で全く別々の人生を歩んでいるように見えた2人が実は繋がっていたという衝撃的な内容。

お互いのことを思っていながらも他人の振りをしながら生きていく二人の人生に凄く考えさせられる小説でした。

どんな小説?

彼女のために自分の父親を殺害しその罪を隠すために自分の母親を殺害し、その時効を迎えるまで19年にもわたり他人の振りをし続けます。

周囲を振り回し続けながら歩んで行く物語で、その二人を怪しいと思い事件の真相を解明しようとする刑事の笹垣。決定的な証拠が無く捜査は難航しますが後々二人の事件を解明することが彼の生きる理由になっていきます。

あらすじ

廃ビル桐の中である男の死体が発見され男の名前は桐原洋介と判明し、笹垣潤一という刑事が調査に当たります。

疑われたのは西本文代という女性で雪穂という娘がいて。西本は事件のことは知らないと否定し数日後に自ら自殺をします。その後笹垣達は被害者遺族の家に聞き込みに行きます。

家には洋介の妻の弥生子と桐原家で質屋を切り盛している松浦勇と小学生の洋介の息子の亮司がいました。笹垣は一応事件との関連性がないか聞きますが事件があった時間帯には家にいたと証言され事件は事故ということになります。

しかしその証言に矛盾を感じ何かがおかしいと笹垣は疑います。そして数十年がたち青年になった亮司は、仲間の友彦と共に自分の会社を立ち上げます。そして丁度同じ頃亮司は昔の知り合いの松浦勇と再開します。

その時に仲間の友彦は初めて松浦から亮司の過去を知らされ父親が殺されたことそしてその殺害後に刑事が来て亮司と母親と松浦で嘘のアリバイを作った等いろいろ聞かされます。

そんな中亮司達の会社である不祥事が起きニュース沙汰になり、自分達にも捜査の手が及ぶ可能性があると感じた亮司と松浦はどこかに姿をけしてしまいます。そして数日前急に失踪した亮司が気になっていた友彦の元に刑事の笹垣が現れ、友彦は笹垣に松浦から聞かされたことを話し笹垣はそれをきっかけに捜査を一から洗い直します。

そして笹垣は捜査を一から洗い直す事で加害者の娘の雪穂と被害者の息子の亮司に繋がりがあるんじゃないかと確信します。そしてそれを明らかにする証拠をつかむために雪穂の周辺を監視します。

すると雪穂の留守の間雪穂の実家の庭を調べていると何と松浦の白骨化された遺体が発見されます。笹垣はすぐに雪穂の働いているお店に向かいお店の近くでお客の勧誘をしている雪穂の様子を伺っているとサンタに扮装した亮司を発見します。

逃げた亮司を笹垣が追うと追い詰められた亮司は歩道橋の上から飛び降りてしまい丁度雪穂のお店の近くに落ちます。何か周囲に違和感を感じた雪穂は人混みをかき分けざわついている方へ向かうと血だらけの亮司が倒れておりすぐに駆け寄ろうとしますがすぐに振り返りその場を去っていくのでした。

読んだ感想

この作品を全部読み終えたあと雪穂のその後の人生を考えると、果たして二人は幸せだったのかって考えさせられるところに、この作品の魅力が現れていると思います。

たった一つの事件によりたった1人の人間のために、どんどん罪を重ねていく亮司は客観的に見たら不幸で哀れな人間で、残酷としかいいようのない人生。しかし、それでも亮司は雪穂に尽くすことに生きがいを持って幸せだったのかもしれません。

一方で尽くされる側の雪穂の立場にしてもわずかな希望を感じることができて幸せだったのかもしれません。二人のそういう生き方がそれを物語っているように感じました。そして今までたくさんの小説を読んできましたが自分がここまで共感した小説は本当に初めてでした。

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