「下妻物語」茨城県下妻市を舞台とした女子高校生の友情物語【あらすじ・感想】

「下妻物語」がどのような作品なのか、読者によるあらすじと感想です。


出典:https://www.amazon.co.jp

「下妻物語」を読んだきっかけ

友人と喧嘩をした際、先生からおすすめされた本です。この本をきっかけに、人に寄り添うことの大切さを痛感することができました。加えて、本書の舞台が実家と同じくらい田舎だった点にも惹かれました。

どんな小説?

「下妻物語」は、茨城県下妻市を舞台とした女子高校生の友情物語です。メインキャラクターの2人はまさに「水」と「油」で一見混ざり合うことのない存在です。ひょんなきっかけから2人はいつしか行動を共にすることが多くなり、いつしか友情が芽生えていきます。

あらすじ

主人公・竜ヶ崎桃子は茨城県下妻市の高校生です。しかし彼女は「普通」の女子高生とは少し変わっています。フリフリのフリルがついたブラウスに、パニエを仕込んだ上にスカート、ふわふわのヘッドドレス、いわゆるロリータファッション。「真のロリータはロココな精神を宿し、ロココな生活をしなければなりません」それが彼女の信条でした。

道徳や真実・倫理よりも、刹那の感情や京楽に溺れる美徳、そんなロココの精神を彼女は重んじ、生活様式に取り入れていきました。片田舎の田園地帯で、そんな彼女の存在は奇異でしかありません。彼女は欲しい洋服を買うために、ちょっとした個人販売を始めます。

そんなある日、ビジネスの顧客として現れたのがこれまた時代遅れのスケバンの格好をした女子高生・白百合イチコでした。爆音と共に姿を見せたのは三段シートやド派手なカウルを背負ったいかついバイク。短ランのブレザーにロングスカート、なびく金髪の中に真っ赤なルージュの口紅が覗く彼女は、確かにビジネスの「お客様」なのです。

2度と関わりたくないと思いながらも、ことあるごとに桃子はイチコと関わっていくこととなります。見た目も趣味も正反対、まるで「水」と「油」のような存在同士でありながらも、少しずつ二人の間に奇妙な友情が芽生え始めます。

そんな中、イチコは族には大切なチームの集会を桃子との予定で空けてしまい「ケジメ」をつけることになりました。群れなければ行動できないチーム、逃げてきた社会と同じようながんじがらめのチーム、イチコは自身の居場所を求めて対立することを決意します。

一人で戦おうとするイチコを助けようとする桃子は、家にあった祖母の原付に跨りアクセルをふかします。牛久大仏が見下ろすその集会場所で、2人はどうなってしまうのか。

読んだ感想

友情の大切さを痛感できる一冊です。ロリータとヤンキーという似ても似つかない、分かり合えるはずもないような存在同士の間で生まれる友情がなんとも温かく感じます。

それぞれが変わり者同士だから仲良くなったのではなく、確実に彼女たちの中で寄り添えるものがあり、読者もそれを感じ取ることができます。ひょんなことから始まった個人ビジネスから、とんでもない時代遅れのヤンキーが登場し、この物語はどうなってしまうのだろうかと最初はドキドキして読み進めることができました。

紆余曲折のたびに起こる笑いや、がさつながらもお互いの心に向き合おうとする不器用な切なさ、「友達っていいな」と感じられるような物語です。本書を読んだ後は、あなたの大切な友達に無性に会いたくなるはずです。

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