「イニシエーション・ラブ」青春恋愛小説のようなミステリ小説に気持ちよく騙される

「イニシエーション・ラブ」がどのような作品なのか、読者によるあらすじと感想です。


出典:https://www.amazon.co.jp

「イニシエーション・ラブ」を読んだきっかけ

ミステリ小説が好きで、読みながらいつも謎解きを楽しんでいました。あるとき、レビューで最後までわからなかったとか、絶対に騙されるなどと紹介されている小説に出会いました。絶対に騙されずにその謎を解いてやると意気込んで手に取ったのが本作です。

どんな小説?

青春恋愛小説のようなミステリ小説です。大学生の「僕」がマユという女の子と合コンで出会うところから二人の恋が始まります。

時代背景は1980年代。ところどころに当時の流行りものが出てきて、その時代を過ごした人なら懐かしくなると思います。二人の恋の行方を見守りながら、いったい最後はどうなるのかと手に汗を握りページをめくらずにはいられない、そんな物語です。

あらすじ

大学生の「僕」は友人に誘われて参加した合コンで、二つ年下の女の子に出会います 彼女の名前は成岡繭子。仲間からはマユと呼ばれています。ショートカットで小柄な体型、そして愛嬌のある笑顔が素敵な彼女。一目みて「僕」はマユに好意を抱きます。

「僕」は地味で真面目そうな見た目から、合コンに参加してる女性陣に「NHKの(アナウンサーみたいな)鈴木さん」といじられます。マユのことが気になりつつも、見た目だけでなく奥手な性格の「僕」は、彼女の連絡先を聞き出せるわけもなく会話を交わすだけで終わってしまいます。それから数日後、今度は友人に誘われて海に行くことになります。

合コンに参加していた女子グループも一緒に行くとのことでした。そのグループにはマユも入っていました。海でマユと二人っきりになったとき、マユから電話番号を教えてもらいます。海から帰ってきた「僕」は、その一週間後に勇気をだしてマユに電話します。そしてデートに誘います。マユは「僕」からデートに誘って欲しかったようで、二人は遊びに行く約束を交わしました。

初デートの後から、「僕」とマユは何度か二人っきりで遊びに行き、距離が少しずつ縮まっていきます。「僕」はマユに服装のことを指摘されて新しい服を買ったり、眼鏡からコンタクトレンズに替えたりします。またマユが喜んでくれるからという理由で車の免許をとるために教習所に通うことになります。

二人はより親密になり、お互いの呼び方も「たっくん」「マユちゃん」と親しみのあるあだ名で呼びあえるようになりました。やがて「僕」は自分のマユへの気持ちが抑えきれなくなり、電話で彼女に想いを伝えます。マユも「僕」に好意を寄せていたみたいでした。こうして二人は付き合うことになります。恋愛に慣れていなくて不器用な「僕」とどこか不思議な女の子マユ。果たして二人の恋はどのように進んで行くのでしょうか?

読んだ感想

注意深く読み進めたのに完全に騙されました。もちろんいい意味で、です。ここまで完全に騙されるとは思っていなかったので、悔しいというよりも気持ちがよかったです。

そしてこれは恋愛小説でなくて、ミステリ小説として読まなければいけないと感じました。「イニシエーション」は通過儀礼という意味だそうですが、この物語のようなイニシエーションは受けたくないと心の底から思ったからです。なので、精神衛生上ミステリ小説だと意識して読んだほうがいいです。

最後に、身近にいる小説好きの人で、まだ読んでいない人がいたら是非薦めてください 。そして読み終わったら、にやにやしながら聞いてみてください。「騙された?」と。ほとんどの人が首を縦に振るでしょう。

Amazonや楽天で購入して読むことができます。

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