「武器よさらば」がどのような作品なのか、読者によるあらすじと感想です。
「武器よさらば」を読んだきっかけ
ヘミングウェイの短編「キリマンジャロの雪」や「陽はまた昇る」を読んで、作品の独特なリズムや簡潔な文章にハマりました。そこで長編にも挑戦してみようと思い、本作を読みました。
どんな小説?
第一次世界大戦中のイタリアを舞台に、医療班として従軍するアメリカ人の青年フレデリックとイギリス人看護師キャサリンは愛し合うものの、激化する戦争によって離れ離れになってしまいます。
戦禍を脱して、二人はスイスへ向かうのですが。ヘミングウェイの長編の代表作です。
あらすじ
台は第一次世界大戦によって混乱が広がるイタリア。アメリカ人の青年フレデリック・ヘンリーは医者としてイタリア軍に従軍していました。
ある日、友人のリナルディと共に行った病院でフレデリックは美しいイギリス人看護師キャサリン・バークリーと出会います。婚約者を戦争で失い、悲嘆に暮れていた彼女とフレデリックは急速に惹かれあいました。
しかし、フレデリックが再び前線へと赴くこととなり、二人は離れ離れになってしまいます。 前線に到着したフレデリックですが、砲撃によって足を負傷してしまい、早々に戦線を離脱します。入院していた病院でフレデリックとキャサリンは再会します。結婚を約束するまで繋がりあったものの、フレデリックに再び出兵が命じられ、前線に戻ることになってしまいます。
別れ際にキャサリンはフレデリックに子供が出来たことを伝えました。再会を約束して、前線に戻ったフレデリックは部隊からはぐれ、仲間とともに戦地をさまよいます。
そこで見たのは戦争の現実でした。味方であるはずのイタリア兵からも銃撃を受け、仲間を失ったフレデリックは辛くも味方の陣地にたどり着くものの、英語の訛りを含んだイタリア語を聞き取った憲兵によって、スパイの疑いを掛けられてしまいました。
イタリア人は訛りのある兵をことごとく射殺していました。フレデリックは隙をみて、逃げ出して川を漂流し、電車に乗ってミラノにやってきました。ミラノでフレデリックとキャサリンは再会しました。二人は平穏な生活を楽しみますが、軍がフレデリックを逮捕しようとしていることを知り、隣国のスイスへむかいました。
モントレーで出産を待つ生活を送りながら、二人は将来の生活や夢について話し合いました。ある日の早朝に陣痛が始まり、二人は病院に向かいました。しかし出産はうまくいかず、胎児は死亡、キャサリンも後を追うように息を引き取りました。病室にはフレデリックだけが残されるのでした。
読んだ感想
ヘミングウェイの小説は簡潔な文章や乾いた雰囲気からハードボイルドの元祖といわれていますが、力強さに隠れた人の弱さが描かれているところが特徴です。
「武器よさらば」では戦争の現実と時代に翻弄される男女が描かれています。ヘミングウェイ自身が第一次世界大戦に従軍していたこともあって、極めてリアルな戦争描写は見どころの一つです。
簡潔な文章であるからこそ、戦争の現実が読者に迫力をもって伝わります。そしてフレデリックとキャサリン、二人の悲恋は醜い戦争の場面と対比的に描かれております。だからこそ後半の展開にはやるせなさを感じるとともに、それが刊行後長い年月が経ってもなお、世界中で愛読される所以なのではないかと思いました。
Amazonや楽天で購入して読むことができます。電子書籍はありません。
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