「かもめ食堂」フィンランドの首都ヘルシンキで開いた日本食レストラン

「かもめ食堂」がどのような作品なのか、読者によるあらすじと感想です。


出典:https://www.amazon.co.jp

「かもめ食堂」を読んだきっかけ

きっかけは家族からの勧めでした。以前書店でこの本の中に出てくる料理を紹介した、料理本を目にしたことがあった為読んでみる事にしました。もともと北欧の文化や暮らしぶり等に興味があり、北欧雑貨等を集める事も好きだった為、この本には北欧の魅力が詰まっていると聞き、読み始めたのがきっかけでした。

何より、大好きなキャラクターの、「ムーミン」の発祥の地を舞台にした話という事も大きなきっかけです。

どんな小説?

このお話は、フィンランドの首都ヘルシンキという所を舞台にしたお話しです。そこで出会う様々な境遇を背負った日本人とフィンランド人の関わりを通して、温かい気持ちや、悲しい気持ち等、人と人との関わりの中での、面白く、少し不思議なストーリーが楽しめる小説です。

また、劇中に登場する料理やデザート、コーヒー等がとても美味しそうに描かれていて、ゆっくりと大切に食を楽しむ、食べる楽しみが広がるような作品です。

あらすじ

フィンランドのヘルシンキという所で日本人の”さちえ”という人が日本食レストランを開いたのですが、そのお店はなかなかフィンランドの人には受け入れられず、客が入りません。そこに一人目の客として入ってきた日本語かぶれのフィンランド人、トンミ・ヒルトネンとの出会いをきっかけに、本やで出会ったみどりという日本人も一緒にかもめ食堂を手伝う事になります。

ですが、それでもなかなか客足は増えず、悩んだ二人はお店でシナモンロールを焼いてみる事にします。するとその香りに誘われて少しずつ客が入るようになります。

そんなある日店に訪れたのは、日本で親の介護を終え、フィンランドにやって来たまさこという日本人。まさこは、空港に降り立った時に、手荷物が紛失してしまったという事を理由に、かもめ食堂を手伝うことになり、いつの間にか、かもめ食堂の従業員は3人になります。客も少しずつ増え出し、様々な日本食を提供するようになります。

その中で、旦那さんに突然逃げられお酒に溺れてしまったフィンランド人や、以前かもめ食堂の店舗で、コーヒー屋を営んでいた店主等様々なエピソードが描かれていきますが、3人で力を合わせて解決に導いていくという心温まるストーリーです。

読んだ感想

読み終えて一番に感じた事は、こんな場所で、こんな風にゆっくりと時間を過ごし、食事を楽しめたら素敵だなと感じました。コーヒーを入れる様子、おにぎりを食べる様子がとても丁寧に描かれていて、食事の大切さを感じる事ができました。

ここに出てくる日本人は、3人とも観光でフィンランドに行くのではなく、日本での生活から離れて、フィンランドのゆったりとした時間の流れを感じようと癒されに行くような感覚でやって来る為、最初はどこか寂しげな様子が描かれていますが、少しずつ人と人との出会い、美味しい料理、美味しいコーヒーとの出会いを通して、心がほぐれていくような様子が描かれていて、読んでいる方も自然とほっと癒される感じがしました。

フィンランドのイメージは、時間の流れがのんびりとしていて、人も温かく幸せな気持ちに溢れているように思っていましたが、当然悲しみの感情も持っていて、どこの国に暮らしていても、人との関わりが大切なんだなという事を改めて感じます。不思議なエピソードに所々くすっと笑ってしまうようなユーモアもあり、何度も読み返してみたくなる一冊だと思います。

Amazonや楽天で購入して読むことができます。

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