「ZOO」ファンタジー、ミステリー、ホラー、いろいろなジャンル、内容で楽しめる短編集

「ZOO」がどのような作品なのか、読者によるあらすじと感想です。


出典:https://www.amazon.co.jp

「ZOO」を読んだきっかけ

この本を読んだきっかけは、読書初心者の私が何か小説を読みたいなと思い、ネットなどでおすすめ紹介される本なので読んでみようと思いました。

全6話の短編作品で、この(神の言葉)は50ページほどなので読書初心者でも、大変読みやすく、引き込まれました。

どんな小説?

本全体の内容は「世にも奇妙な物語」とお伝えするとしっくりくるかと思います。ファンタジー要素の強いものから、ミステリー、ホラー、いろいろなジャンル、内容で楽しめます。

乙一の作品の凄さでもありますが全体を通して【孤独】、【絶望】などの後味の悪さやモヤモヤとした感じが私には堪りませんでした。

あらすじ

ストーリーは、周りからよく思われたいと思って生きている八方美人な高校生の「僕」。弟がいるのですが、自分とは真逆の性格で
友達も多く、対人関係も上手くこなし、弟にさえ劣等感を感じ自分自身がさらけ出せず生きづらさを感じながら生活をしていました。

そんな主人公には、ある能力がありました。

それは心で強く念じたことを【言葉】にすると、現実に起こってしまうこと、生物にしか通用しないこと。また、その言葉の能力を使ってしまったことは、もう元には戻せないことです。

最初は、同級生のアサガオが自分のものより綺麗だったので、主人公は【言葉】を使い枯らせてしまいます。枯らせたことにより自分のアサガオが一番になり、優越感に浸っていましたが、次第にこの【言葉】はエスカレートしていき、植物から動物、ついには人間にまで能力を使っていってしまいます。

ある日、主人公は厳しかった父に隠れゲーム機を購入しました。しかし父に見つかり、取り上げられてしまいました。主人公は「どうして僕だけなんだ!」と怒りを父にぶつけ、能力を使い父の指を切り落としてしまいました。

周りから見れば当たり前の日常が、主人公には生きづらく、自分の笑顔も作り笑いでいつも心の中は空っぽでした。ゆういつの楽しみは「他人から自分が見えないようにならないか…」と考えている時が至福の時間でした。

日常生活で弟は兄の隠した心に知りながらあざ笑っていました。弟に嫌気がさした主人公は、寝ている弟に【言葉】をかけますが寝ているままです。不思議に思い自室に戻ると何やら見慣れないカセットテープがありました。

再生してみると、録音された自分の声を聞くことになりました…。

読んだ感想

ここで物語は終わりなのですが、私自身この主人公に共感する場面が多く、なんでもない日常ほど「好かれたい」や「笑っていないと」といった思いは今でも首を縦に振りたいほど激しく共感してしまう場面でした。

例えば、上司のつまらない会話に作り笑顔をするときや、つまらない見栄を張ってしまう自分心の奥は全然違う自分がいるときにこの能力が私にもあったら、どうなってしまうのだろう…と

人から感じる劣等感も生きてく上で煩わしさもあり、自分が今ここにいないなぁと思うことすらあります。それでも私たちにはそんな【言葉】の能力はなく、住みやすい世界もなく他人という生き物を尊重し、互いが同じ世界を共有して、心に思う【生の言葉】を伝えて生きていかなければいけないなと強く感じた小説でした。

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