「屍人荘の殺人」ゾンビ系ミステリー。緻密なトリックと謎解き

「屍人荘の殺人」がどのような作品なのか、読者によるあらすじと感想です。


出典:https://www.amazon.co.jp

「屍人荘の殺人」を読んだきっかけ

最初に見たのはテレビの書籍売り上げランキングでした。もともとミステリが好きだったのと、「屍人荘」という独特の単語に興味を惹かれました。

その後もずっと本屋に平積みにされていて、見る度に気になっていましたが、映画化されると聞いたのが決定打となり、ついに手に取りました。

どんな小説?

ミステリとしてよくある、閉じ込められた環境で次々と起こる殺人事件、という題材。しかしこの小説が他と一線を画しているのは、外をゾンビに囲まれている、ということです。

外から襲ってくるゾンビと、中から襲ってくる殺人鬼の両方から身を守りつつ、生存しなければなりません。究極のサバイバルと推理が一緒になっているところがこの小説の面白いところです。

あらすじ

大学の映画研究会に脅迫状が届きます。その謎を確かめるため、主人公と明智、剣崎の三名が合宿に合同参加するところから物語は始まります。合宿中、突如として現れたゾンビの群れに襲われるメンバーたち。ここで明智がゾンビの群れに飲まれて死亡。

残りのメンバーたちは借り切っていたペンションに立てこもります。しかし今度はペンションの中でも殺人が起こり始めます。最初に殺されたのは進藤でした。密室の中、ゾンビに食い殺されていたのです。しかし進藤を食い殺したはずのゾンビの姿はありません。

次に殺されたのは立浪で、彼はエレベーターの中でゾンビに食い殺されていました。またしても犯人であるゾンビの姿はどこにもありません。最後に殺されたのは七宮でした。彼も密室状態の自室で死んでいました。

ペンションのバリケードは徐々にゾンビたちに突破され、メンバーが自由に動ける場所も減っていく中で、剣崎の推理が披露されます。

進藤を殺したのは彼の恋人の星川でした。ゾンビに襲われて傷を追った星川を進藤は隠れてこっそり看病していましたが、星川がゾンビ化して進藤を食い殺してしまったのです。その後ゾンビになった星川はベランダから転落し、ゾンビの群れの中に紛れてしまいました。

第二の被害者立浪殺しは、エレベーターの最大積載量を利用して行われました。エレベーターの中に立浪と、積載量ギリギリまでの銅像を乗せておきます。エレベーターをゾンビのいる一階に送って立浪を食わせます。

銅像のせいで、ゾンビがいる間エレベーターはブザーが鳴り続けてドアが閉まりません。ゾンビがうまい具合にいなくなると、エレベーターは戻ってきます。そして、三度目の殺人も起こります…。

読んだ感想

えっ、日本の小説でゾンビもの!? というのが最初の驚きでした。最近の海外のゾンビブームは知っていましたが、ついにここにも来たか、と。けれど最初のゾンビ襲来からペンションに立てこもるまでのハラハラ感はすごかったですし、その後殺人事件が起きて外からも中からも殺される緊迫感に満ちた展開にドキドキしました。

ホームズ役が二人にワトソン役が一人、という触れ込みだったと思うのですが、あっさり探偵役の一人が序盤に退場しました。この退場シーンが、仲間をゾンビから先に逃がしていたら自分が逃げ遅れてしまった、という熱い展開。最後にはゾンビとして再登場し、主人公と対峙するシーンが胸が痛かったです。

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