「影が重なる時」がどのような作品なのか、読者によるあらすじと感想です。
「影が重なる時」を読んだきっかけ
霧が晴れた時が学校の教科書に載っていて、読んでみるととても面白かったのが作者について着目するきっかけになりました。
そして、本作も同じ小説に収録されており読んでみるとじわっと怖いものでした。
どんな小説?
主人公の周囲で自分の幽霊が見えると言い出す方が出て来て、その幽霊は本院しか見たりできないのです。
半信半疑の主人公もやがて自分の幽霊を見ることになります。突如起きたその現象の謎探る彼がたどり着く真実について。
SF・ホラー・謎解き要素が合わさった名作となります。
あらすじ
霧が晴れた時は収録短編のほとんどは戦争にかかわる内容の話で、実際会った戦争以外に、どこか違う異次元の日本の戦争か、これから先あるかもしれない戦争なのか。
日本のどこかの都市で突如ユーレイ騒ぎが起きます。ユーレイといっても死者の亡霊でなく、現れたのは当人たちです。いわゆるドッペルゲンガーです。
ですが、人だけでなく動物、ものも、車でさえも、その地方都市以外に待った現れないのですが。ドッペルゲンガーが出てきても他人に見えないです。触れられません。
当人だけは自分のドッペルゲンガーが見えて、見える以外にそれがいる空間には入れません。自宅トイレを自分のドッペルゲンガーに占拠された方はかわいそうです。
理由分からず、日々が過ぎます。それぞれのドッペルゲンガーはその影濃くしていき、うっすらしてた姿がはっきりしてきて、実在感を増します。様相がはっきりしてくにつれて、新聞記者の主人苦が気になってならないのは、自分のドッペルゲンガーの表情です。恐怖にとらえられた必死の形相に何か起きるのではと胸騒ぎがします。
知り合いの科学者が遠回しにしながら立てる予測もその胸騒ぎ増大させます。そして主人公のドッペルゲンガーが手にもつ新聞日付当日になって、主人公は気づきます。
ドッペルゲンガーがつけてる腕時計時刻、ゲンガーを照らす太陽の光の向きのずれ。この光は太陽ではなく、何の光なのか。
同じ日某国が核搭載したロケットを宇宙に飛ばす実験するニュースがあり、恐ろしい推測、これから起きる現実を知る主人公がその場から逃げようと走り出したときに、向かう先に毎日見てたドッペルゲンガーの影があり、これまで入れなかった空間に入って、影が重なるとき…。
読んだ感想
かなり昔世にも奇妙な物語でドラマ化されていたのを見たとき、幻想的な映像美に圧倒されました。そして、自分自身しか見えなくて触れない影の謎を主人公と一緒に追ってく展開に引きこまれてしまいました。
その真相もしっかり納得できて、影と自分の関係性判明してると同時に胸に切なさがこみ上げてきました。こわいというよりも、神秘性、いとしさ、終末的切なさのようなものを感じられました。
ドラマのほうはより感傷的な作りなんどすが、ドラマ、原作の小説も素晴らしいできだと思っています。
そして、最近の世情にも同じようなことがあって、なんとなく気になってしまう作品だと思います。わたしは私の影を見たくありません。これが来ないと信じていいのでしょうか。