「罪と罰」身の過ちに気づき人間として正しい生き方を学ぶが大学生【あらすじ・感想】

「罪と罰」がどのような作品なのか、読者によるあらすじと感想です。


出典:https://www.amazon.co.jp

「罪と罰」を読んだきっかけ

中学の頃、兄の影響を受けて「世界文学全集」を読み漁っていました。中でもロシアには素晴らしい作家が多いことを知り、ドストエフスキーの入門的小説として読み始めました。

どんな小説?

貧しい元大学生ラスコーリニコフが、「選ばれた非凡人は、新たな世の中の成長のためなら、社会道徳を踏み外す権利を持つ」という独善的理論をもとに、金貸しの強欲狡猾な老婆を殺害するストーリーです。

彼の理論は、老婆から奪った金で世の中のために尽くそうということですが、殺したことによる苦悩に追い込まれます。

しかし、娼婦との出会いから、自身の過ちに気づき人間として正しい生き方を学ぶ話です。

あらすじ

帝政ロシアの首都サンクトペテルブルクで起きた事件です。貧乏な青年ラスコーリニコフは、それでも自分は「選ばれた非凡人」との意識を持っていました。

彼は新たな世の中のためならと、悪徳高利貸しの老婆を殺害し、その金を社会のために役立てようと一人計画を立てます。そして計画どおり老婆を斧で殺害し、金を奪おうとするが、老婆の義妹にその場面を見られたため殺してしまう。

それからはラスコーリニコフは、罪の意識に襲われ苦しむことになります。次の日、ラスコーリニコフは、警察に呼ばれたので出向くと、借金の返済の督促でした。

しかし、警察で昨夜の老婆殺しの話を聞いて失神してしまいます。その後、郷里から母と妹が来ていたが、彼はまた罪の意識のためにその場に倒れてしまうのです。

予審判事のポルフィーリは、ラスコーリニコフが2ヶ月前雑誌に発表した論文の「選ばれた未来の支配者たる者は古い法を乗り越えることができる」という文章は殺人の肯定であり、実行したのではないかと質問してきた。なんとかポルフィーリの追及をかわしたが、下宿の前で見知らぬ男から「人殺し」と言われ立ちすくんでしまう。

しかし、それは幻想であった。ラスコーリニコフは娼婦であるソーニャのところへ行き、聖書の朗読を頼んだり、君と僕は同類だと言ってソーニャを不安がらせました。

ソーニャは同じアパートに逗留していた男のおかげで金銭泥棒に陥れられますが、周囲の証言によりその男の狂言であることがわかりました。

しかし、ソーニャはその場を飛び出してしまいます。ラスコーリニコフは彼女を追いかけ、ついに彼女の部屋で殺人の罪を告白したのでした。ポルフィーリが三度現れてペンキ屋でなくお前が犯人だと主張し、罪が軽くなるので自首することを勧めるのでした。

とうとう罪の意識に耐えられなくなったラスコーリニコフは、母に別れを告げます。ラスコーリニコフは自殺を考えていたが、ソーニャの力を借りてついに自首します。

ラスコーリニコフへの罰は幸いシベリア流刑8年という寛刑になりました。ラスコーリニコフを追ってソーニャもシベリアに移住してきたので彼女の愛を確信するのでした。

読んだ感想

ドストエフスキーの名作は数え切れないほどあるのですが、彼の作品のなかでこれほど大衆的で読みやすい作品はないと思います。

個人的にはカラマーゾフの兄弟と白痴についで好きなのがこの罪と罰です。ラスコーリニコフの性格はカラマーゾフの兄弟の作品の中では一番の理論派である次男と似たような思考を持つ人間です。

いわば正義のためには悪人を成敗しても悪にはならないという思想の持ち主です。例えば戦争時代であれば、ナポレオンが侵略征伐して勝利すれば善なりますが、負けた方は悪になります。

そのナポレオンと同じく自分は正義を行い正しいことをするのだから罪にならないという、屁理屈でした。しかしそんな男も実際の犯罪に苦悩し自殺しようとするのですが、信仰心の強い素敵なソーニャによって救われるのです。理性に感情が勝つのです。素晴らしい小説です。

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