「アルジャーノンに花束を」がどのような作品なのか、読者によるあらすじと感想です。
「アルジャーノンに花束を」を読んだきっかけ
私が「アルジャーノンに花束を」を読んだきっかけは非常にシンプルで、”本を読むからには歴史的名作と呼ばれているものは読まなきゃいけないと思ったから”です。よって最初は”名作である”という漠然とした印象しかありませんでした。
どんな小説?
「アルジャーノンに花束を」は心理学士の作者ダニエル・キイスが書いた作品で、非常に様々なことを考えさせてくれるメッセージ性の強い作品です。
メインのメッセージとしては、”知能がどれだけ優れていても優しさや誠実さがないと人は幸せになれないのではないか”というような印象を受けますが、幸せの感じ方などだけでなく、そもそも”生きる”ということはどういうことなのかを考えさせてくれます。
あらすじ
小説の文章は全て主人公のチャーリイ・ゴードンの日記のような形で進められます。知能に問題のあるチャーリイ・ゴードンの最初の日記は非常にたどたどしく、しかし誠実で真面目に様々なことを考えます。
そんなチャーリイ・ゴードンは先進的な手術により一般人を遥かにしのぐ知能になりますが、どんどん日記の内容が傲慢さや高慢さを感じさせるものとなっていきます。自身のことを助けてくれた教授に対しても偉そうな態度を取るようになり、”誠実さは社会において無価値”と取れるような言動をします。
しかしこれは知能が高くなったのが原因ではなく、チャーリイ・ゴードンがそれまで信じていた職場の仲間がいかに彼のことを常日頃から侮辱していたか、そして自分はいかに親から酷い扱いを受けていたかがわかったのが主な原因です。
但し実際に作中で描写されますが、チャーリイ・ゴードンの母親は彼のためにかなりの労力を費やし、様々な病院に行かせもしました。誠実さのある状態の彼でしたらそのことに深く感謝していたでしょうが、知能が異常に高くなり傲慢になってしまったチャーリイ・ゴードンは自身の親に対して格別感謝を抱くような描写は殆どありません。
ただひたすら自身のことばかり考え、”研究される側”から”研究する側”となり殆どの人間を下に見ています。またチャーリイ・ゴードンは恋愛もしますが、自身の精神年齢なども仇となりかなりの苦労をします。
しかしチャーリイ・ゴードンを何よりも苦しめたのが、チャーリイ・ゴードンと同じ手術を受けて高度な知能を得たネズミのアルジャーノンが徐々に暴力的になり、知能が下がっていくという事実でした。
絶望的な状況で彼の書く日記は徐々にたどたどしいものに戻っていきますが、彼の中の誠実さも徐々に戻っていきます。
読んだ感想
「アルジャーノンに花束を」を読んで私が感じたのは”本当の幸せというのはなんだろうか”、”本当に残酷なこととは一体なんだろうか”ということでした。
人には誰でも夢や目標があると思いますが、それが達成されたとき、その人は本当に幸せになれるのでしょうか。
勿論目標が達成されてそのまま幸せになれる人もたくさんいると思いますが、私の知り合いでも”目標を達成したことにより傲慢になり、周囲の人間から嫌われるようになった人”というのがいます。
その人が人間的に問題があるとか、その人が幸せでないと言うつもりはありませんが、少なくとも私がその人と同じ状況になったとしたら、私はあまり自分のことを幸せだと感じないのではないかと思います。
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