「罪の声」がどのような作品なのか、読者によるあらすじと感想です。
「罪の声」を読んだきっかけ
元々推理小説を読むのが好きで、よく電車通勤の時に読んでいました。そんなある時、ふと電車の広告をみていたら、とあるミステリー小説の国内部門で1位になっているこの作品を知りました。
どんな小説?
実際にあったグリコ・森永事件をモチーフにしていて、その当時のビデオ音声の言葉を使っていたり、どんな捜査がされていたのかがリアルに描かれています。
その事件に仮の登場人物を作り出し、実際にこんなことがあったのではないかと、想像を膨らましてくれる作品です。
あらすじ
ある日、京都でテーラーを営む曽根俊也は体調を崩して倒れた母親の代わりに、頼まれたアルバムを探していた。そんな時、父の遺品の中からカセットテープと黒革のノートを見つけた。
そのノートには英文がたくさん書かれていた。そんな中に製菓メーカーの「ギンガ」と「萬堂」の文字が。カセットテープを再生してみると、そこには自分の幼いころの声が入っていた。
よく聞いていると、31年前に発生した未解決のままの「ギン萬事件」で恐喝に使われた録音テープだったのだ。新聞記者の阿久津は、特集記事を作る関係で未解決事件の調査を上司に依頼されていた。その中で目をつけたのが「ギン蔓事件」だ。
はじめは上司に無理矢理やらされているからやる気が出ない阿久津であった。当時のことを覚えている人自体少ない。もう31年も経っているのだから記憶も曖昧である。だが1つ1つピースを組み合わせていくことで事件の真相に近づいていく阿久津。
そうなると新聞記者として特ダネをみすみす手放すわけにはいかなくなり、阿久津は捜査の範囲を拡大していく。一方の俊也は自分の父親がまさか未解決事件の真相を知る人間なのではないかと知り、居ても立っても居られない状況になっていた。
そこで父の幼馴染であり、テーラーの常連である堀田を訪ねることに。堀田から俊也の父の兄である”曽根達雄”の存在を知らされた俊也。
その背景を追っていく内に、新聞記者の阿久津も同じく曽根達雄について調べていたのだった。そして2人は出会い、さらに物語は進んでいく。
リアルタイムで進行しているような緊張感の中で俊也の心境の複雑さや、阿久津の新聞記者としての意地が描かれている。果たして事件の真相に辿り着くことはできるのか。
読んだ感想
ミステリー小説が大好きで、広告を見た後すぐに書店に探しに行きました。実際に読み始めると過去の話を追っている物語ではあるのに、阿久津と俊也の動きがリアルタイムで動いてるのではないかと感じてしまうくらい、緊張感がしっかりと描かれていました。
そのせいもあってか、あっという間に読破してしまいました。所々視点が変わり、読みにくく感じてしまう方もいらっしゃると思います。
話の繋がりは物語の中盤から一気に加速します。阿久津と俊也は全く違う所から、「ギン蔓事件」について調べ始めますが、俊也の叔父がキーマンとなり2人が交わっていきます。1人は調べていくうちに、もうこれ以上知りたくないとなってしまいます。
もう1人はこの真実をきちんと伝えないといけないと感じ始めます。この2人のギャップが物語としての面白さでもあり、複雑さを表しています。映画にもなったこの作品を是非小説でも感じてみてください。
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