「天璋院篤姫」NHK大河ドラマ「篤姫」の原作となった歴史小説【あらすじ・感想】

「天璋院篤姫」がどのような作品なのか、読者によるあらすじと感想です。


出典:https://www.amazon.co.jp

「天璋院篤姫」を読んだきっかけ

20年以上前、幕末がマイブームだった頃に勢いで買ったものの、読まないで放置していました。

数度の引っ越しの時に処分することもなく積読状態だったこの本を、ある時パラパラとめくってみたところ、主人公の理知的な人物像に興味をひかれ読んでみようと思いました。

どんな小説?

「天璋院篤姫」は宮尾登美子さんによる歴史小説で、宮﨑あおいさん主演の2008年NHK大河ドラマ「篤姫」の原作になりました。

島津家の分家に生まれた篤姫が第13代将軍・徳川家定の御台所となり、家定亡き後は大奥を預かる身として幕末の動乱のなか徳川家と大奥を守るために力を尽くす物語です。 ひとりの強い女性の波乱に満ちた生涯です。

あらすじ

薩摩藩島津家の分家に生まれた篤姫は、聡明さを見込まれ薩摩藩主・島津斉彬の養女になります。斉彬の目的は第13代将軍・徳川家定の正室として篤姫を入輿させることでした。一橋慶喜を次期将軍に推挙せよとの斉彬の密命を胸に篤姫は江戸城に輿入れします。

しかし婚儀は挙げたものの病弱な家定とは形だけの夫婦関係が続きます。 慶喜と次期将軍の座を争っていたのは紀州藩主で年少の徳川慶福でした。

慶喜と慶福に直接会ってみた篤姫は、慶喜には悪印象を、慶福には好印象を受けます。同時に、慶喜を高く評価した斉彬に対して疑念が生じます。家定は篤姫に、自身の後継は慶福とすること、篤姫に慶福の後見をしてほしいことを告げます。

消息の途絶えた家定を心配する篤姫のもとに養父・斉彬の訃報が届きます。篤姫は自分が斉彬の陰謀のために利用されたことを確信します。直後に家定は既に病死していたと知らされ、篤姫は落飾して以後天璋院と名乗ります。

第14代将軍となった家茂(慶福)の正室として天皇の妹である和宮の降嫁が決定します。篤姫は心を込めて和宮を迎える準備をしますが、その気持ちは和宮と周囲の人々には通じませんでした。これ以後大奥では江戸方と京方との、時には朝廷を巻き込んでの確執が続きます。

長州征伐の途上にあった家茂が若くして世を去ります。遺骸に対面した篤姫は、家茂は毒殺されたと考えます。一橋慶喜がその黒幕だと推理した篤姫は慶喜を新将軍にすることに反対しますが、最後には渋々同意します。

大政奉還を経て戊辰戦争が勃発し朝敵の汚名を着せられた慶喜は江戸に逃げ帰ります。官軍が江戸に迫っていると知った篤姫と和宮は徳川家存続のため力を尽くします。その甲斐あって江戸城総攻撃の中止と城の明け渡しが決定します。

篤姫は明け渡しに反対したものの幕臣たちに言いくるめられて江戸城を後にしました。 明治維新の後の篤姫は徳川宗家第16代当主の家達の養育に力を注ぎます。

紆余曲折を経て和宮とも親しくなりますが、ほどなく和宮は病死します。家達の結婚を見届けた後、篤姫は世を去り、夫・家定の隣に葬られました。

読んだ感想

御台所時代までの篤姫は冷静で思慮深い女性という印象でした。また家定との形だけの夫婦関係を嘆きつつも時には家定に甘えを見せるなど可愛らしい面も見受けられました。

しかし和宮の降嫁後の姑としての篤姫は考え方がいかにも姑の論理といった感じがします。特に二の丸に移ったエピソードは篤姫のワガママにしか見えず、和宮からの届け物を捨てさせるあたりは正直ただの嫌な姑です。

篤姫の立場からすれば、そういった態度も徳川家と大奥を守るためには必要だったのかも知れませんが。現代から見ると良くも悪くも「古いタイプの女性」という感じです。

面白かったシーンは、京方と衝突した江戸方の女中たちが集団で滝山のもとに押しかけるシーンです。シリアスなストーリーの中にあってその場面はドタバタコメディの様相を呈しており、情景を想像するとちょっと楽しいです。

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