「さよなら、シリアルキラー」全米を震撼させた殺人鬼の息子・ジャズの青春を描いた話【あらすじ・感想】

「さよなら、シリアルキラー」がどのような作品なのか、読者によるあらすじと感想です。


出典:https://www.amazon.co.jp

「さよなら、シリアルキラー」を読んだきっかけ

書店で平積みにされてたので気になって購入しました。創元推理文庫の夏の読書フェアで漫画家の天野明さんが表紙イラストを描いていたのにも惹かれました。

シリアルキラーの息子の苦悩を扱った切り口も斬新で、どんな話なんだろうと手が伸びました。

どんな小説?

「さよなら、シリアルキラー」は全米を震撼させた殺人鬼の息子として生まれた高校生・ジャズの、青春を描いた話です。

黒人のガールフレンドや血友病の親友とスクールライフを送りながら、街を脅かす事件に挑むジャズを応援したくなります。殺人鬼ビリーとジャズの鬼気迫る親子対決にも注目してください。

あらすじ

アメリカの田舎町ロボズ・ノットに住む高校生ジャズは、稀代の殺人鬼・ビリーの実の息子です。父親の逮捕後、彼は認知症の祖母の世話をしながら暮らしていました。

認知症の祖母は凄まじい人種差別主義者な上日常的に暴言を吐き、ジャズを悩ませます。黒人のガールフレンド・コニーや血友病の親友・ハウイーに支えられ、偏見に負けず日々を送るジャズですが、やがてロボズ・ノットで不審な遺体が発見されます。

指を切り取られた女性の遺体にロボズ・ノットの住民たちはビリーの再来かと騒然とし、ジャズに疑いの目を向けました。潔白を証明したいジャズはコニーやハウイーの協力を得て独自に事件を調べ始めますが、昔馴染みの保安官はこれに難色を示します。

実はジャズはビリーから殺人鬼の英才教育を受けており、その知識と経験からロボズ・ノットで起きている連続殺人を真っ先に把握したのでした。おぞましい過去の記憶やビリーの洗脳に抗いながら捜査を進めるジャズを、教師は演劇部に勧誘します。

一方でジャズはビリーが女性を標的に選んで嬲り殺したトラウマから、コニーと関係を進められず鬱屈していました。そんな中ハウイーが捜査中に怪我をして病院に運ばれ、ジャズは自分を強く責めます。

アドバイスを求めて面会したビリーはさらに息子を追い詰め、ジャズは情緒不安定に陥りました。そんな中演劇部の顧問や祖母の介護士が新たな犠牲者となります。

謎の殺人鬼の存在にロボズ・ノットの住民が戦々恐々とする中、遂にジャズは真犯人に辿り着きますが、その正体は誰もが予想だにしない人物でした。はたしてジャズは殺人鬼との対決を制し、ビリーの息子の呪縛から解き放たれ、ロボズ・ノットに平和を取り戻せるのでしょうか?

読んだ感想

「さよなら、シリアルキラー」は、特殊な生い立ちに悩める高校生ジャズの刺激的な日常を綴った極上の青春小説です。全米を震撼させた殺人鬼ビリーに英才教育を施されたジャズは、殺人のプロフェッショナル。

実際に殺人は犯してませんが、技術と知識は一流です。その才能を駆使して事件を解決に導く一方、常に暗黒面に落ちそうな危うさを漂わせてハラハラドキドキしました。

正義感が強いコニーとの初々しい恋愛模様やおバカでお調子者のハウイーとの友情など、他にも見所盛沢山です。

ミステリー小説としてのリーダビリティも高く、意外な犯人の正体には驚きました。また、ジャズの父親・ビリーのおぞましい存在感も特筆に値します。父親を憎んで忌み嫌い、同類になりたくないと抗いながらも愛情を断ち切れないジャズの葛藤が切ないです。

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