「リアル鬼ごっこ」がどのような作品なのか、読者によるあらすじと感想です。
「リアル鬼ごっこ」を読んだきっかけ
学生時代、ミステリー系や少しホラー要素のある小説が好きで読み漁っていた時にこの本に辿り着きました。山田悠介さんの作品で面白いものはないかと友人に聞いて紹介されたのがこの本です。
どんな小説?
少しホラー要素のある作品です。主人公が色んな人に出会って別れて守って守られてホラー要素があるのに少し泣けるお話です。
自分勝手な王様に振り回される国民視点や追われる側の視点など色々な視点で描かれているのでとても読んでて緊迫感のある物語でした。
あらすじ
日本において王様が自分と同じ苗字の国民が1番多いことが気に入らなく、排除していきます。その方法が鬼ごっこです。国民はICチップを埋め込まれており、隠れ切ることはできません。
名前、生年月日、住所など偽ることはできないのです。鬼側はそのICチップを元に王様と同じ苗字の人を片っ端から捕まえていきます。
女性、子ども、老人関係ありません。捕まれば殺されてしまいます。捕まえる側もノルマがあり、1日何人捕まえないといけない、という命令があり、それが達成できなければ殺されてしまいます。王様と同じ苗字の人はとにかく一定期間、逃げ切らなければなりません。
一定期間逃げ切れば生存権が与えられます。主人公も王様と同じ苗字で逃げていくのですがその途中で友人、妹、さまざまな人と出会い、その多くが主人公を庇い捕まって殺されてしまいます。残り1日となった時にはもう主人公しか残ってる人がいませんでした。
王様は何としてもその主人公を捕まえたくたくさんの人を動員します。沢山の追っ手に追われるなか、今まで捕まり殺されていった人たちのこと、王様の横暴、感情が入り乱れるシーンが繊細に描かれています。最後は捕まってしまうのですがなんと、その追手の方達が見逃してくれます。
自分たちも王様の横暴には耐えられなかった、王様を止められるのは君しかいないと伝えられます。最終的に逃げ切ったのは主人公1人、王様から生存権を与えられる場において主人公は王様を射殺します。もちろん、タダで済むわけではなく主人公は王様の護衛の人に射殺されてしまいます。
結果王様と同じ苗字の人は王様の弟1人となり日本という国から王様と同じ苗字『佐藤』が1人だけとなってしまいます。そのような物語です。
読んだ感想
権力を持つものがそれを振りかざして横暴に生きることは周りを巻き込みたくさんの人を不幸にさせ償いきれないものを背負うということが鮮明に描かれています。
名前なんて自分が望んでつけたものでないことが多いです。それで差別され捕らえられ殺されるというのは何とも無慈悲で主人公も何度も何度も後悔していました。
あの時自分が庇ってやれば、あの時こうしていればとたくさんの後悔がありましたがそれでも最終的に王様と一騎討ちになりみんなの仇を取るという意味では主人公が逃げ切った意味があったのかなと私は思います。確かに、人を殺すことはいけないことです。
しかしその相手を殺してまで仇を撃たなければならないという使命感が主人公にはあったのかなと思いました。初めて殺すという表現に良かったと思ってしまった作品でありそんな自分を少し怖いと思った作品でもありました。
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