「狐笛のかなた」古き日本が舞台の和風ファンタジー【あらすじ・感想】

「狐笛のかなた」がどのような作品なのか、読者によるあらすじと感想です。


出典:https://www.amazon.co.jp

「狐笛のかなた」を読んだきっかけ

和風ファンタジーという世界観に惹き込まれ、思わず購入したことがきっかけでした。

この作品の作者の上橋菜穂子さんはファンタジー小説家としては代表的な人物なので、小説を書く趣味があるので参考にしたいと思いました。

どんな小説?

ジャンルは和風ファンタジーで、古き日本が舞台となっています。本作は野間児童文芸賞、経児童出版文化賞推薦を受賞されています。

劇団の「風ノ環~fu-ring~」による舞台化もされました。ファンタジー作家のプロとも言える上橋菜穂子さんの執筆された作品です。

あらすじ

主人公の小夜という12歳(のちに16歳になります)の少女は、ある晩に森で怪我を負ってしまいました。そこでは猟犬に追われる子狐を助けます。

しかし助けたのは、呪者に使い魔にされた霊狐だったのです。霊狐は、現世と神の世の狭間にある「あわい」と呼ばれる空間で生まれた霊獣。文字通り、生まれながらにして霊力を持ち、姿を人や狐火に変えることが出来ます。

しかし、これゆえに人間の呪者によって使い魔にされることがあるのです。霊狐である野火は、主の命令で要人暗殺を行いますが、深手の傷を負ってしまい、12歳の小夜と小春丸に助けられたのです。

森陰の屋敷に幽閉されている少年の小春丸と、小夜と、霊狐の野火は、やがてそのことから、隣り合うふたつの国の、過去の因縁と恐ろしい呪いの渦に巻きこまれていきます。

主要人物である小春丸の血縁の、春名ノ国を治める一族「有路(ゆうじ)ノ一族」と、湯来ノ国を統治する一族「湯来(ゆき)ノ一族」が争っていたのです。苛酷な運命の罠を逃れるために、<ヒトの世>と<カミの世>の<あわい>を駆け抜けていく、霊狐と娘の物語です。

火色の毛並みを光らせて、秋のススキ野を懸命に逃げてきた子狐の野火は、すぐれた<聞き耳>の才を有したふしぎな娘の小夜と出会ったのです。

呪者に使い魔にされた霊狐である、野火というミステリアスな少年と、主人公の小夜の純粋な淡い恋がとてもロマンチックで美しい物語です。

隣り合う二つの国の争いに巻き込まれてしまいますが、呪いを避けて、森陰屋敷に閉じ込められている少年である小春丸をめぐって、小夜と野火の、孤独でけなげな愛が燃え上がります。愛のために身を捨てたとき、もう恐ろしいものは何もなかった。

読んだ感想

霊狐である野火と、すぐれた<聞き耳>の才を有した不思議な少女の小夜。この二人の恋物語を鑑賞する感覚で読み進めていくと、とてつもない感動と涙と愛に溢れた物語をひしひしと感じることができます。

この作品には、小春丸という少年も主要人物として登場するのですが、森陰屋敷に10年間も幽閉されていた孤独な少年でした。彼は、春名ノ国の領主である、有路ノ春望の息子なのです。

非常に行動力があるので、度々、屋敷を抜け出していましたが、孤独感からの子どもらしい行動に感じます。

ある晩に小夜と一緒に野火を助けましたが、その事で脱走が従者に発覚し、それ以降、屋敷の外に出てくることはなかったのですが、4年後に小夜と再会しました。感動したシーンは、小春丸に大公が、「長い十年だったのう」と言ってあげるシーンが、心にジーンときて泣きました。

Amazonや楽天で購入して読むことができます。

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