「出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと」がどのような作品なのか、読者によるあらすじと感想です。
出典：https://www.amazon.co.jp
読んだきっかけ
書店で本棚を眺めていると、ふとある本に目が止まりました。 タイトルは「出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと」でした。
「出会い系サイト」というワードが衝撃的で、「出会い系サイト」と聞けば何やら「あやしいのでは？」と思いましたが、丁度SNSとの 距離感に悩んでいた為「出会い系サイトで本をすすめる」というワードに興味を覚えました。SNSに関わるならぜひ読んでおきたいと思い購入しました。
どんな小説？
花田菜々子著。サブカル好きの33歳女性書店員が、仕事と旦那さんとの離婚について悩んでいた時に、「X」という怪しげな出会い系サイトに出会い、今までの人生で読んだ1万冊の本の知識をフルに活かして「出会い系サイト」「X」で初めて会って話をする人に、「その人にぴったりの本」を紹介する話です。
あらすじ
旦那さんとの関係と、仕事の間で悩む33歳本屋の店長菜々子が主人公です。菜々子は大型書店に勤めるサブカル好き・読書好きの書店員です。
思いきって家を飛び出してみたものの、これから先どうして行こうか悩む日々を過ごしていました。あるきっかけで、怪しげな出会い系サイト「X」の存在を知ります。
そこでプロフィール欄に個性を出すため、悩みに悩んで書いた一言は、「今のあなたにぴったりな本を一冊選んでおすすめさせていただきます」。「X」で出会う人々との人間模様は？という物語です。
出会い系サイトで会う条件は「あくまでも30分だけ」です。話す内容は自由、何でも聞きます、ただし会う時間は30分だけと実にユニークな設定です。
この「30分」と限られた時間に一線を超えない強い意志が感じられました。主役はあくまで大好きな本なのです。そこで菜々子は、今まで読んだ1万冊の本の知識から「その人にぴったり合った本」を紹介するというお話しです。
もちろん「出会い系サイト」なのでいわゆる「男女の出会いの場」と思い、露骨なお誘いもあります。しかしそこはさらっとかわして、あくまでもその「人となり」を観察して「その人」にぴったりの本を紹介します。
そんな活動が「X」の中でだんだんと注目されていき、「X」で色んな人と出会ううちに、菜々子の心に様々な変化が起きます。
菜々子が本を紹介することを通して自分にも他人にもとことん向き合い、新たな人生を切り開いていくストーリーです。大好きな本屋の店長としてどんな本を世の中に出したいのか？どんな人生にしたいのか？
菜々子は「X」を通じた出会いの中で、生き方に対する価値観が変化し、一人ひとりに真剣に本を紹介する中で、どのように自分を?つめ直し、どんな人生を歩む決断を選択するのでしょうか。
そして本に対する熱い思いがどんどんと菜々子を突き動かしていきます。そして菜々子の出した決断は果たしてどうなるのでしょうか、花田菜々子さんの実録私小説です。
読んだ感想
私自身、出会い系サイトについて偏見がありましたので、見ず知らずの人にいきなり会うのは危険なのでは？と正直思っていました。
出会い系サイトのイメージは、よくネットで騒ぎになっているので漠然と悪いものだと思ってました。
しかし、菜々子はそんな出会い系サイトで、初めて会った人に自分の人生を形作った本の中から、その人にぴったりの本をおすすめし、すすめられた人もその本を通して、今までの自分とは違った価値観を知ることになり、その本との出会いで成長していく姿に対して感慨深く感じました。
私自身、もし菜々子に出会えたら、ぜひ菜々子の視点で私にぴったりの本をおすすめしてほしいなと思いました。菜々子なら自分では選ばない本を紹介をしてくれるのではないか？
菜々子なら新しい世界を教えてくれるのではないか？と想像するとますます本が読みたくなりました。
Amazonや楽天で購入して読むことができます。
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