「カエルの楽園」日本が世界政治的な立場をカエルやワシに例える【あらすじ・感想】

「カエルの楽園」がどのような作品なのか、読者によるあらすじと感想です。


出典:https://www.amazon.co.jp

「カエルの楽園」を読んだきっかけ

百田尚樹の作品は『モンスター』などを読んでいてとても気に入っており、今回はまるで絵本のようなタイトルだったので、美容院での暇つぶし用でしたが古本を買って読みました。

どんな小説?

日本が世界政治的にどのような立場であるのかを、カエルやワシに例えて表現しています。

また、もし日本がこのままの政策で行けば近い将来どうなるかを、作者である百田尚樹が警告しているかのように思えます。難しい政治論のはずなのに、カエルなどに例えることによって絵本のように読みやすくなっています。

あらすじ

祖国が他のカエルに侵略され、逃げ出した2匹のアマガエルは「ナパージュ」というツチガエルの国にたどり着きます。そこは、争いとは無縁の平和的国家でした。

「三戒」という法により、争うことや武器を持つことを禁じられています。近くの山にはスチームボートという名前のワシが棲息しています。

スチームボートは過去にナパージュを支配しましたが、ツチガエルたちに三戒を守るように言いつけ、それを守っている限り、スチームボートがナパージュを侵略者から守ると約束しています。

また、ナパージュにはエンエンという国のヌマガエルも住んでいるのですが、ヌマガエル同士が争ったためにエンエンという国は二分割されてしまい、片方の国はこっそりとナパージュにやってきて、若いツチガエルをさらっていくそうです。

しかし、さらわれたツチガエルを返してもらうには三戒の存在が厄介であり、なかなか返してもらえません。またナパージュとの境界を、ウシガエルが脅かし始め、ナパージュは大混乱に陥ります。

「三戒」こそ世界平和に必要と思うもの、今そこにある脅威に武器を捕らねば命が危ないというもの、いろんな考えが飛び交います。それを見ている2匹のアマガエルは私たち読者の代わりを務めて客観的に見ているようです。

この「ナパージュ」こそ日本であり、「スチームボート」がアメリカ、「エンエン」が朝鮮、と実際の国の政治的立場をそのまま絵本のように描写し、私たちは他の国家に侵略されたそのとき、「三戒」たる日本国憲法をいったいどのようにとらえるのか、考えさせられる作品です。

そしてその結末を作家の百田尚樹が「日本の将来」として予言しています。悲劇的な結末に、現在の日本国憲法の欠点を知らしめています。

読んだ感想

私は日本国憲法は、アメリカが理想とする国の憲法として作っただけあって、平和的な素晴らしい憲法だと思っていました。

しかし、それだけでは不十分ですし、特に拉致された方々を返してもらうのに今の憲法では難しい点があることが、自分にとっての「穴」でした。

幸い、日本は島国であり、ナパージュとはちがい隣国と一線で隔てられてはいません。だからと言って、安心してはいけない。

空に変な飛行物体が飛んでいてもぽかーんと見ているような平和ボケをしていてはいけないと思いました。百田尚樹は政治論が過激ですが、このように私たちに現状問題になっている政治論を簡単に考えさせてくれる風刺作品をもっと書いていただきたいと思いました。

Amazonや楽天で購入して読むことができます。

その他、「カエルの楽園」が読める電子書籍ストアはこちらです。

コミックシーモア  BOOK☆WALKER  ebookjapan  BookLive!  honto  ブックパス

タイトルとURLをコピーしました