「海辺のカフカ」15歳の少年が冒険する物語【あらすじ・感想】

「海辺のカフカ」がどのような作品なのか、読者によるあらすじと感想です。


出典:https://www.amazon.co.jp

「海辺のカフカ」を読んだきっかけ

村上春樹作品の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」を読んで、独特な世界観と文体がとても気に入りました。そのことがきっかけで、他の村上春樹作品も読んでみたいと思い、手にとりました。

どんな小説?

「海辺のカフカ」は村上春樹が2002年に発表した10作目の長編小説です。15歳の少年が冒険する物語が中心ですが、それと平行してナカタさんというキャラクターが主人公のもう一つの世界の話も進んでいきます。

タイトルにあるカフカとは、世界的有名作家のフランツ・カフカのことで、彼の思想が小説に含まれていることを意味しています。

あらすじ

東京都中野区野方に住む少年田村カフカは、父と2人暮らしをしており、母親から捨てられたことで心に傷をおっていました。15歳の誕生日を迎えると、カラスと呼ばれる少年からアドバイスをもらいながら、家出をする準備を始めます。

その理由は、父親にかけられた「お前はいつか自分の手で父親を殺し、母と姉と交わるだろう」という呪いから逃れたいという思いがあるからです。カフカは東京発の深夜バスに乗りこみ、高松へ向かいます。

そのバスの中で一風変わった顔立ちだがスタイルのいい、さくらという名前の女性と知り合います。カフカはバスを降りた後、甲村記念図書館へ向かい、司書の大島さんや、館長の佐伯さんにあいさつをします。

それからカフカはホテルとジムと図書館に規則正しく通うようになります。しかしある日、目を覚ますと、森の中で血だらけで倒れている自分がいました。カフカは怖くなって、さくらに一晩泊めてもらい、その翌日からは図書館で寝泊まりするようになります。

同じく野方に住むナカタさんという老人は、読み書きなどが難しいといった知的障害を抱えており、東京都からの補助を受けながらつつましく生活しています。ナカタさんは猫と会話することができるため、近所の人から猫探しを頼まれていました。

ある日ジョニーウォーカーという猫殺しをしている謎の人物を発見し、殺害してしまいます。そのことがきっかけで、東京を離れて旅をするようになります。その中で、トラック運転手の星野と出会い、彼の助けを借りながら、「入り口の石」を探し始めます。

その頃、カフカはニュースを見て、父親が殺されたことを知ります。警察の捜査から逃れるために、大島さんの森の隠れ家に身を隠すことにします。

読んだ感想

全体的に社会と切り離されているような世界観が好きで、現実逃避したい時に読みたくなります。

「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」と同様に、二つのパラレルワールドが交互に描かれており、上巻では、カフカくんとナカタさんの話がどこでつながってくるのだろうと思いながら読み進めました。

さくらとカフカの会話に癒されます。カフカが図書館で暮らすというシーンを見ると、学校に通わずに知識は図書館の本から得て、あとは自由な時間を過ごすといった暮らしに憧れます。

大島さんの個性的なキャラクターも好きで、哲学的な話を聞かせてくれるところとかも個人的にツボです。読みやすい内容になっているので、初めて村上春樹作品を読む人におすすめしたい作品です。

Amazonや楽天で購入して読むことができます。

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