「ラメルノエリキサ」通学路で通り魔に被害に遭った女子中学生が自力で犯人を捜し復讐を企てる【あらすじ・感想】

「ラメルノエリキサ」がどのような作品なのか、読者によるあらすじと感想です。


出典:https://www.amazon.co.jp

「ラメルノエリキサ」を読んだきっかけ

書店に立ち寄ったよりに腕組み仁王立ちしてるドヤ顔少女のポップな表紙に惹かれて購入しました。復讐に生きる女子中学生のあらすじもキャッチャーで興味をそそられました。

どんな小説?

唯我独尊我が道を行くマザコン女子中学生が通学路で通り魔に被害に遭い、自力で犯人を捜し復讐を企てるノンストップ復讐小説です。

復讐がテーマの小説にありがちな重苦しさや一切なく、突き抜けた爽やかささえ感じさせる青春ストーリーでした。主人公・小峰りなの一人称語りがとても軽快でライブ感に満ちており、あっというまに読み終えてしまいます。舞城王太郎「阿修羅ガール」が好きな人におすすめしたいです。

あらすじ

主人公の女子高生・小峰りなは完璧な母親に複雑な感情を抱く16歳。ある日大好きな音楽を聴きながら気持ちよく下校していたところ、背後から忍び寄った通り魔にナイフで切り付けられます。目を覚ますと病院におり母が号泣していました。

幸い命には別状なかったものの、怒り狂ったりなは犯人に復讐を誓います。唯一の手掛かりは犯人が逃げる間際に残した謎の言葉、「ラメルノエリキサ」。

頼りにならない警察と頭がお花畑の母親を見限ったりなは、ドライな同級生や姉のぶっとんだアドバイスを得て犯人捜しに邁進します。ところがこれが難航し、犯人の行方は一向に掴めません。りなが復讐にこだわるのにはある理由がありました。

8歳の時、りなは母が開いていたピアノ教室の生徒に飼い猫の腕を折られています。その際も生徒を階段から突き落とし、きっちり復讐を果たしました。自分や自分の大事なものを害する人間に復讐を成し遂げることは小峰りなにとって絶対譲れない人生哲学なのです。

りなの姉はそんな妹を止めるどころか最大の理解者として応援してくれます。ですが母は典型的な自分の見たいものしか見ない人種で、りなの性格をちっとも理解していません。

そんな母に愛憎紙一重の反発を抱きながら捜査を続けるうち、りなは同級生の男子が事件に関与していることを見抜きます。なんとラメルノエリキサとは錬金術に関係する単語だったのです。

やがて男子の家にやってきたりなは、そこで通り魔の衝撃的な正体を知ることになります。復讐を人生の第一義に掲げる暴走JKりなは通り魔に見事仕返しをし、無防備に音楽を聴きながら通学路をぶらぶらする、平和な日々を取り戻せるのでしょうか?そして母との関係を改善できるのでしょうか?

読んだ感想

主人公・小峰りなのキャラクターがとにかく痛快で最高でした!宮部みゆきが絶賛しただけあり、初っ端一人称語りから飛ばしまくってます。

復讐とは自分がスッキリするためのもの、その大前提を譲らずどこまでもゴーイングマイウェイに突っ走るのが気持ちいいです。彼女の姉や同級生もとてもいいキャラクターをしており、倫理観がおかしいのに愛着が湧きます。

類型的な常識人は一人も出てこず皆ぶっ壊れてます。母娘の確執にも比重を割いており、完璧な母親にコンプレックスを抱く女子高生のモヤモヤがリアルに表現されていました。

復讐の在り方やその是非を斬新な切り口で書いているのもポイントが高いです。通り魔や痴漢に怯えてやりたいことを我慢するのは通り魔に遭わずして害されてるという発想には、同じ女性として目を開かされる思いでした。

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