「蒼穹の昴」中国・清朝末期の激動の時代を描いた小説【あらすじ・感想】

「蒼穹の昴」がどのような作品なのか、読者によるあらすじと感想です。


出典:https://www.amazon.co.jp

「蒼穹の昴」を読んだきっかけ

蒼穹の昴を読んだきっかけは、鉄道員(ぽっぽや)で浅田次郎先生が有名になった時に、他にはどんな小説があるのか気になって図書館に通っていた時に見つけて、読んでみようと思ったからです。

どんな小説?

蒼穹の昴は中国、清朝末期の激動の時代を描いた小説です。主人公である貧民の子である春児が、自分の頭を使い体を張って激動の時代を生き残り、成功をおさめていくいわゆるサクセスストーリーです。時代の節目をしぶとく生き残るためのノウハウがつめこまれた小説です。

あらすじ

蒼穹の昴の主人公は清朝末期の貧しい中国で、貧しい暮らしをしている李春雲(春児)という架空の人物です。貧しい生活をしている春児は占い師の老婆に昴の星がついているので、将来は西太后のそばに使えるだろうと予言されます。

ある時、義兄弟である粱文秀の科挙の試験にお供として都についていき、宦官になる場所を見学します。幼い妹を守るためにも、予言を実行させるためには宦官になるしか無いと考えた春児は生き残るために、自ら人の手を借りずに死ぬ思いをして宦官となり、上り詰めて西太后の側近となります。

もう1人の主人公である粱文秀(こちらも架空の人物です)は科挙を優秀な成績(状元)で合格し、官僚として活躍し光緒帝に使えることとなります。 清朝は光緒帝の時代ですが、政治の実権を握っているのは悪名高い西太后です。

王朝内は、保守派の西太后派閥と改革派の光緒帝の親政派閥に分かれています。宦官となった春児は西太后派閥、粱文秀は親政派閥とライバルになってしまうのです。

改革派派から見たら政治を思いのままにしている西太后ですが、好きで思いのままにしているわけではなく、時代を見極め、列強に清朝が飲み込まれないように立ち回っているのです。

西太后は人前では尊大な態度をとりますが、1人になるとなぜか幽霊として現れる清朝6代皇帝乾隆帝の前では少女のように駄々をこね、乾隆帝に相談しながら清朝を支えていきます。その西太后を支える春児は朝廷でライバル派閥になっている義兄弟の粱文秀と出会いショックを受けます。

お互いに尊敬し合っているのに、道が分かれてしまった2人はそれぞれの道で立場で国を支えます。しかし時代の流れは止められません。光緒帝は幽閉され、西太后は改革派をを処刑していきます。粱文秀は春児の助けで日本へ亡命するのです。

読んだ感想

ものすごく壮大なストーリーで登場人物も多々出てきます。中国が舞台なのでなかなか見慣れない漢字や言葉も多いですが、浅田次郎先生の文章力で、ぐいぐいとストーリーに引き込まれていき、漢字の多さなど全く気にならなくなります。

日本では悪名高い西太后ですが、蒼穹の昴ではとても優しくキュートな女性として描かれており、大きな魅力の一つです。春児の類い稀な覚悟と努力には心の底から関心しますし、その頑張りに勇気をもらえます。

春児と西太后は沈みゆく清朝を見届ける役を請け負い、未来を残せる文秀とその妻となった妹の亡命を手助けするところには胸を打たれます。一緒に亡命して、日本で3人で幸せに暮らしたらいいのに‥と何度思ったことかわかりません。

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