「ノルウェイの森」儚くてもろい、純愛ストーリー【あらすじ・感想】

「ノルウェイの森」がどのような作品なのか、読者によるあらすじと感想です。


出典:https://www.amazon.co.jp

「ノルウェイの森」を読んだきっかけ

友達が大学の講義で、ノルウェイの森を読んだうえで、直子を看病する立場になったときのレポートを書くという課題が与えられたらしく、本人は全く読む気がなかったので、私が代わりに読み感想を伝えるというきっかけで読みました。

どんな小説?

儚くてもろい、純愛ストーリーです。タイトルからは想像がつかないほど性表現を多く含みますが、その表現の仕方が文学作品そのもので、読んでいて全然不快に感じず、むしろ美しく感じる場面もありました。人と人との関係深さや命の儚さが繊細に描かれている作品です。

あらすじ

主人公、ワタナベの回想によって高校生、大学生のころそして現在といった風に話が進んでいきます。ワタナベは高校生のころ唯一の友達がいました。

名をキズキといい、ワタナベは彼のことを信頼し、彼もまたワタナベのことを信頼していました。そしてヒロイン役として登場する直子は、実は当時、キズキの恋人でした。ワタナベはキズキを通して直子と出会い、彼らは3人でよく遊んでいました。

突然、キズキは自殺してしまいます。遺書も遺言もない突然の彼の死の真相は最後まで明かされていません。そのことをきっかけにワタナベと直子は疎遠になりますが、1年後再会し、たびたびデートをするようになります。

そのころには直子は持病の精神障害を患っており、大学を休学して療養所に移ることになります。そのため、ワタナベは直子にほとんど会うことはなくなります。そしてその寂しさを紛らわすために大学寮で友達になったワタナベより2つ年上の永沢と仲良くなり、女遊びをするようになります。

しかし、大学の休みの日に1度直子に会いに行くとそれから直子のことを忘れられず、毎週手紙を送ったり、半年に1度遠い直子の元まで会いに行ったりと直子への思いにだんだん素直になってきます。

その一方でワタナベは大学の講義を通して緑という女の子と知り合います。彼女との関係はきっぱり友達と書かれていますが、二人の行動、言動から少しづつ男女の関係に発展していきます。そして緑はだんだんワタナベに思いを寄せていき、その気持ちも直接言葉に表していきます。

ワタナベは直子がいるからと断るのですが、その一方でやはり緑にひかれていってしまいます。ノルウェイの森は上巻、下巻と続きますが、上巻では主にワタナベが純愛に目覚めるまでを描いているといえます。

読んだ感想

高校のころに教科書で紹介され、この本のことを初めて知りましたが、こんなにも赤裸々に、そして大胆に若者たちの欲望や思いが書かれているとは思っておらず、衝撃を受けました。

あらすじを読んだだけでは主人公のワタナベは欲におぼれた人間のように思っていたけれど、上巻、下巻と読むうちに直子への思いに正直になり、だんだん純愛に変わっていくワタナベの様子に感動しました。

精神疾患になった直子を愛し、待ち続けるワタナベの姿はこの作品の見どころの一つです。また、この作品では多くの登場人物が亡くなります。

特にワタナベに近い存在の人が次々に自殺を選ぶのですが、このことから作者は命の儚さや、その存在価値について読者に印象付けているといえます。人の死はその周りの誰かに何かしら変化を与えるのだと学びました。

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