「らせん」ジャパニーズホラー小説の金字塔リングの続編【あらすじ・感想】

「らせん」がどのような作品なのか、読者によるあらすじと感想です。


出典:https://www.amazon.co.jp

「らせん」を読んだきっかけ

「リング」シリーズは映像作品から知ったのですが、映画やドラマ版との違いが気になり読みました。 原作を基に映像化される作品は、多少脚色されることも多々ありますので、原作を読むことが作品を本当に理解することだと感じ、小説を読んでみました。

どんな小説?

本作は数々のホラー小説作家で知られる、鈴木光司による「リング」の後日談となる作品です。

前作の肝である、観た者が次々に変死を遂げる「呪いのビデオ」と「貞子」に纏わる謎の解明を、本作からの新たな主人公「安藤」を中心に展開され、それまでのオカルトホラー要素よりサスペンス色が強まった作風が特徴です。

あらすじ

K大学法医学講師と監察医を兼任している安藤満男は、実の息子を海難事故によって亡くし、失意のどん底で毎日を過ごしていました。

息子を亡くしたことによって妻との関係も悪化し、離婚に至り自責の毎日を送っていたある日、大学時代からの旧友・高山竜司が死亡した報せを聞き、司法解剖を担当することになります。

解剖の結果、高山は心臓付近の冠動脈に発生した腫瘍が原因で、心臓への血流が妨げられたことによって引き起こされた心不全によって死亡したことが判明します。 さらに、彼の胃の中から何やら暗号と思わしき数字が書き記された新聞紙が発見されます。

暗号の調査に乗り出した安藤は生前、高山が勤めていた大学にて助手を担っていた高野舞にコンタクトを取り、死亡するまでの間、高山の高校時代からの旧友で新聞記者の男・浅川和行と「見ると一週間後に死ぬ呪いのビデオ」の調査を行っていたことを知らされます。

安藤は、浅川が調査結果を遺した手記を基に、友人の宮下と共に高山の死の真相を探り始めます。 高山の遺体から天然痘に酷似した伝染性ウイルスが発見され、「呪いのビデオ」を観ることで一週間後に心不全を発症させることが判明し、網膜から感染するという感染ルートに安藤は驚愕します。

一方、行方不明になった高野が出産直後のような姿で死亡しているのが発見され、舞の身体を母胎に「呪いのビデオ」の元凶である山村貞子が復活します。

実は舞も「呪いのビデオ」を視聴しており、偶然彼女の排卵日と重なったことが原因で、復活した貞子の念はビデオテープだけに留まらず、様々な媒体から世に拡散されようとしています。 そして、貞子復活の影で高山が糸を引いていることを知るのでした。

読んだ感想

前作がホラー小説なら本作はSFサスペンスという趣で、ストーリーは続いていますが全く別作品と捉えるべきです。

前作の浅川と高山同様、安藤と宮下のコンビが謎を解き明かし、その過程で恐るべき事実が次々と判明する前作を踏襲した内容ですが、「リング」と同じような恐怖を期待していると興醒めしてしまうことでしょう。

シリーズの肝である「呪いのビデオ」が科学的見解で説明され、恐怖のシンボル・貞子が受肉によってこの世に復活するなど、前作と比較すると違和感が目立ち、特に貞子が普通に会話によるコミュニケーションを取ってくる点は、前作までの得体の知れない恐怖が薄れる原因となっています。

しかし、貞子が目立たなくなった分、高山や安藤らの登場人物の心情や背景が強調され、「リング」よりも深みが増した作品に感じました。

Amazonや楽天で購入して読むことができます。

その他、「らせん」が読める電子書籍ストアはこちらです。

コミックシーモア  BOOK☆WALKER  ebookjapan  BookLive!  honto  ブックパス

タイトルとURLをコピーしました