「山月記」いつまでも胸に残る作品

「山月記」がどのような作品なのか、読者による小説のあらすじと感想です。


出典:https://www.amazon.co.jp

「山月記」を読んだきっかけ

高校生の時に、国語の教科書で習ったのは最初のきっかけです。

当時は、聞いたこともない地名や立場の名称、現代ではほとんど見ないような言い回しなどが多用されているこの作品にとっつきにくい印象を抱いていましたが、なぜかその後何年も、この話を忘れることができませんでした。

そしてついに「山月記をものすごく読み返したい!」と思うようになり、少し前に文庫本を購入しました。

「山月記」はどんな小説?

山月記は中島敦の代表的な作品のひとつで、国語の教科書に掲載されることも多い短編小説です。

また、中島敦のデビュー作でもあります。清朝の説話「人虎伝」を元にした作品で、人間が虎になってしまうという一見荒唐無稽なストーリーですが、読み込むほどに、この作品が人間という生き物を非常に冷静に分析したうえで作られていることが分かります。

「山月記」のあらすじ・ストーリー

主人公・李徴は非常に頭が良く、若くして地位のある役人になりましたが、自分の仕事や立場に不満を持っていました。そして、詩人として後世に名を残そうと考え、詩作に専念するために役人を辞めてしまうのです。

しかし、詩人として成功することはできず、結局、生活のために地方役人の職に就きます。その頃には、自分が見下していた同僚たちは自分よりずっと上の地位にいました。しばらくのち、李徴は発狂して表に飛び出し、行方不明になってしまいます。

翌年、袁傪という男が道すがら、一匹の虎に遭遇します。袁傪が虎の声を聞いて、「その声は、我が友、李徴子ではないか?」と尋ねると、虎は「いかにも」と答えました。

それから李徴は、自分がいかにして虎になったか、そして世に出せなかった自作の詩などを袁傪に語るのです。

「山月記」を読んだ感想

山月記を改めて読んでみて、私はどうしてこの作品のことが忘れられなかったのかが分かりました。この作品は、難しそうで取っつきにくいように見えますが、実は誰でも共感できる部分がある作品なのです。

特に私は、李徴が自分の臆病な自尊心・尊大な羞恥心によって、詩人としての才能を磨かなかったことを嘆くくだりには非常に身に覚えがあり、読んでいて身につまされる思いでした。

李徴が虎になったことは、言ってしまえば人間・李徴の死と同義です。また、自分の中の感情だけに姿形や行いさえも左右される、人間性を失った生き物ともいえます。

虎になる前の李徴と同じような気持ちにとらわれている人は、誰でも李徴と同じ目に遭う可能性があると思います。私はたびたびこの作品を読み返しては、自分がすべきことを確認したいです。

Amazonや楽天で購入して読むことができます。

中島敦の小説「山月記」と、ねこ助のイラストのコラボレーション作品もあります。小説としても画集としても楽しめる一冊です。

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