過労死が題材の「風は西から」働き方を考えさせられる小説 【あらすじ・感想】

「風は西から」がどのような作品なのか、読者による小説のあらすじと感想です。


出典:https://www.amazon.co.jp

「風は西から」を読んだきっかけ

何か面白い本はないかと本屋に立ち寄った時、この「風は西から」を見つけました。私事ですが昨年末に正社員をやめ、次はどうしようかと働き方そして人生に対する生き方とは何か?と模索しているところなので興味を惹かれました。

「風は西から」はどんな小説?

広島からでてきた若者が大手企業チェーン居酒屋店に就職。そして過酷な労働時間そして過度のストレスによる過労自死に至ってしまいました。

実家の料理店を継ぐために飲食店について学びたいと一生懸命仕事に打ち込んでいた若者。その若者を死まで追い込ませた会社に対して家族そして恋人は彼の名誉を回復するために大企業に対してこれまでの勤務実績などを調べ、社長の謝罪を求め挑んでいく物語です。

「風は西から」のあらすじ・ストーリー

藤井健介は大学入学時に広島から東京へ。将来の夢は実家が経営する料理屋を継ぐこと。そして飲食店経営について学ぶため大手居酒屋チェーン店”山背”に就職。健介には大学時代から交際している伊東千秋がおり、彼女は大手食品メーカーの営業として働きながら、彼を支える唯一無二の存在。

しかし店長として配属されより激務となり、彼女にも相談できず休みも取れず残業の毎日、そして赤字になると本社からの呼び出し。体力的にも精神的にも追い詰められた健介はある日突然命を絶ってしまいます。

その死を疑問に感じた恋人・千秋と健介の両親は調べ始めます。驚くべき勤務実態そして”山背”の企業体質を知り、健介の名誉を守るために”山背”に挑んでいきますが…。”山背”はのらくらりと責任を逃れようします。しかし遺族側が諦めずに立ち向かった結果…。

「風は西から」を読んだ感想

主に前半は藤井健介と伊東千秋の視点から物語が進みます。ふたりが好きな曲「明日へ突っ走ーれ、未来へ突っ走ーれ 明日はいいぜ、未来はっきっといいぜ」という歌詞がグッときます。

何故未来ある若者が自分から命を絶たなければいけなかったのか?赤字を出し、本社に呼び出せれ尊敬していた社長から心を折られた瞬間が一番心に残っています。

雇う者と雇われる者はgive and takeのかたちが理想的ですが。私もサービス業に従事していましたが、なかなか現場と上との価値観に違いに戸惑ったことがありました。

遺族側がお金だけではなくただ健介の尊厳を守りたいという一心で大企業に立ち向かう姿に感動です。最終的には健介の尊厳が守られてとても嬉しかったです。この小説は今の日本の働き方に一石投じる作品だと思います。読む立場によって感じ方は違うとは思いますが、ぜひ読んでいただきたい作品です。

Amazonや楽天で購入して読むことができます。

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