「震える牛」はどんな小説?あらすじ・感想

「震える牛」がどのような作品なのか、読者による小説のあらすじと感想です。


出典:https://www.amazon.co.jp

「震える牛」を読んだきっかけ

震える牛というタイトルと文庫の裏表紙に書かれた「食品の闇を予言した現代の黙示録!」という言葉に興味をひかれ読み始めました。

「震える牛」どんな小説?

「震える牛」は相場英雄の原作で、小説家になる前は時事通信社に勤めていただけあって、一つの事件を軸に、食の安全や大型チェーンストアの在り方など社会問題に目を背けることなくリアルに深く掘り下げて描いていて、心に訴えかけるようなた作品となっています。

「震える牛」のあらすじ・ストーリー

東京中野の駅前の居酒屋で、覆面姿の犯人が店員から現金を奪い、獣医師と産廃業者の二人の男を殺害します。警察は金銭目当ての外国人の通り魔的な強盗殺人だと判断したまま未解決事件となり2年が経っていました。

再捜査に乗り出した警視庁捜査1課継続捜査班の田川は事件現場周辺を徹底的に洗い直し「犯人はベンツで逃走した」という目撃証言を得ることに成功し、同時にベンツに乗れるような人間が金銭目当てに居酒屋を襲ったと言うことに疑問を抱きます。

偶然殺されたかのような接点のない二人の被害者を徹底的に調べていく中で、田川は日本中にショッピングセンターを進出させたことで地元商店街をシャッター街へと変えた「オックスマート」という企業にたどり着きます。徐々に犯人や殺害の真相に迫る田川ですが、そこには地元商店街や食品偽造の闇が潜んでいました。彼が見つけた真相の先に待っているのは・・・。

「震える牛」を読んだ感想

一見何の関係もなさそうな殺人事件を解決するまでのストーリーと、物語を通して鳴らされ続ける大型店舗と地方の関係や食品加工に対する社会問題、それを深く考えずに利用する私たちへの警鐘が上手く絡まりあって、最後まで読む手を止められませんでした。

作品の中に出てくるショッピングセンターや食品加工会社が、何となくあの会社の事なのかなと思わせられるほどリアルに描かれていて、作者の相場さんはどこかからお叱りや苦情を受けなかったかなと、ちょっと心配になってしまうくらいのリアルさで描かれていました。

ああスッキリしたという感じの終わり方ではありませんが、食品加工のくだりを読んでしまったら、きっとこれから口に入れる食品の事を真剣に考えずにはいられなくなっていると思います。そしてこれをきっかけに自分の生活を見直すのも良いかもしれません。

Amazonや楽天で購入して読むことができます。

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