「死との約束」中東を舞台にした異様な家族を描くミステリー小説 あらすじ・感想

「死との約束」がどのような作品なのか、読者による小説のあらすじと感想です。


出典:https://www.amazon.co.jp

「死との約束」はどんな小説?

「死との約束」はミステリーの女王アガサ・クリスティーのミステリー小説です。有名な作品というわけでもなく、派手なストーリーや大がかりなトリックのある作品でもありませんが、職人技が光る、流石ミステリーの女王というべき作品になっています。

舞台は中東で、当時のイギリス人の中東旅行の様子も伺う事ができます。クリスティーの中東を舞台にした作品は「ナイルに死す」が有名ですが、豪華客船を舞台にした華やかな「ナイルに死す」と違って「死との約束」はテントに寝泊まりするなど雰囲気がまた違った作品です。

事件を解決するのはおなじみの名探偵エルキュール・ポワロです。ドラマ化もされていますが、この作品に関してははなぜか全く違うストーリーになってしまっているので、ぜひ原作を読んで見ることをおすすめします。

「死との約束」のあらすじ・ストーリー

中東旅行中のエルキュール・ポワロはエルサレムで「いいかい、彼女を殺してしまわなきゃいけないんだよ」という会話を偶然耳にします。

その時は小説か戯曲の打ち合わせだろうとやり過ごすこととしました。

一方、同じように中東旅行中の医学士のミス・サラー・キングはボイントン家という一家と知り合いになります。その家族は母親が子供たちを支配する異様な家族でした。

抑圧された子供たちと母親の間には緊張感が漂っています。そんな中でボイントン家の母親が殺されて発見され、ポワロは調査に乗り出すこととなります。

「死と約束」を読んだ感想

この作品のポイントはボイントン家というとても異様な大家族の内情だと思います。

サディスティックな母親が子供たちを抑圧しており、虐げられた子供たちは旅行中に外部の人々と交流することで、自分たちの置かれた環境の特殊さに気がついてしまいます。

その心理劇が物語の中心になっており、ミステリーではありますが人間ドラマとしても優れていると思います。そこに謎解きのドラマが加わってくるので、読みごたえ十分な作品になっています。

もちろん推理劇としても優れている作品で、驚く犯人と事件の真相がラストでは明かされます。クリスティーの作品の中で有名な作品というわけではありませんが、質の高い作品ですので、満足できる作品だと思います。

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